個人事業主が法人化すべきタイミング4選!税金が安くなるポイントを徹底解説


個人事業主としてビジネスを続けていると、「法人化(法人成り)したほうが税金が安くなるのでは?」と考える瞬間が訪れます。しかし、法人化のタイミングを間違えると、税負担が増えたり、手続きや運営コストが余計にかかったりするリスクがあります。
この記事では、法人化すべき最適なタイミングについて、税金や利益の観点から詳しく解説します。
この記事を読むとわかること
- 法人化で税金が安くなる利益の目安
- 法人化すべき4つの具体的なタイミング
- 法人化の判断基準
法人化を考えている個人事業主の方は、ぜひ参考にしてください。
法人化のタイミングを決める重要なポイント
法人化を検討する際に考慮すべきポイントは、大きく分けて次の4つです。
- (1)利益の金額
- (2)社会保険の負担
- (3)取引先や融資の条件
- (4)将来的な事業の拡大
これらを総合的に判断し、法人化のベストなタイミングを見極めることが重要です。下記に順にご説明します。
法人化を検討すべき4つのタイミング
(1)年間利益が800万円を超えたとき
法人化の目安としてよく言われるのが、「年間利益800万円を超えたら法人化を検討すべき」というポイントです。
なぜ800万円が目安なのか?
個人事業主の税金(所得税+住民税)は累進課税のため、利益が増えるほど税率が上がります。一方で、法人税は一定の税率で計算されるため、ある程度利益が大きくなると法人化したほうが税負担は軽くなるのです。
【判断基準】
- 年間利益が800万円を超えたら法人化を検討する
- 今後も利益が増える見込みなら法人化が有利
(2)社会保険料の負担を考えたとき
法人化すると、代表者(自分)や従業員が社会保険(健康保険+厚生年金)に加入する必要があります。これにより、国民健康保険よりも保険料負担が増える可能性があります。
【法人化の影響】
法人化すると社会保険加入が義務化
- 健康保険料:会社と従業員で折半
- 厚生年金保険料:会社と従業員で折半
- 労災保険料:会社が全額負担
- 雇用保険料:会社と従業員で負担
そのため、法人化を検討する際は税金だけでなく、社会保険料の負担も考慮する必要があります。
(3)取引先や金融機関から法人化を求められたとき
法人化すると、会社としての信用が向上し、取引先との契約や銀行融資を受けやすくなるという利点があります。
【法人化すべき具体的なケース】
- 法人でないと契約できない取引先がある
- 銀行融資を受ける予定がある
法人化がビジネスチャンスを広げるきっかけになることもあるため、取引先や金融機関の要請があるなら、法人化を前向きに検討するタイミングです。
(4)事業が成長し、将来的に従業員を増やす予定があるとき
【法人化すべき事業成長のサイン】
法人化すると、資金調達がしやすくなり、従業員の雇用条件も改善されるため、スムーズな事業拡大につながります。ただし、従業員を増やすことで社会保険料の負担が大きくなるため、法人化のメリット・デメリットを十分に比較検討することが大切です。
- 従業員を5人以上雇う予定がある(個人事業主の場合、従業員が5人未満なら社会保険に未加入でも可。ただし、法人化したら人数に関わらず社会保険への加入が必須)
- 売上が今後大きく成長する見込みがある
まとめ
法人化のタイミングは、事業の状況や将来の計画によって異なりますが、以下の条件に当てはまる場合は、法人化を前向きに検討しましょう。
- 年間利益が800万円を超え、税負担を抑えたいとき
- 社会保険に加入し、将来の年金や福利厚生を充実させたいとき
- 取引先や銀行から法人化を求められたとき
- 事業を拡大し、従業員を増やす予定があるとき
法人化には手続きやコストがかかるため慎重に判断することをおすすめします。法人化のタイミングを見極め、事業の成長につなげましょう!