毎年恒例の手続きの1つです!!~法定調書について~
こんにちは!税理士の山猫です。
国税庁ホームページの最新情報を中心に解説するこのコラムの第97回目です。
今回は「法定調書」の基本についてお伝えさせていただきます。
国税庁ホームページのタックスアンサーに法定調書のリンクがあります。
・法定調書
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/houtei301.htm
上記のリンク先に、その内容についての記載があります。
そこでは、法定調書とは、「所得税法」、「相続税法」、「租税特別措置法」及び「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」の規定により税務署に提出が義務づけられている資料であるとされています。
身近な例をあげますと、
1.給与所得の源泉徴収票
2.退職所得の源泉徴収票
3.報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
4.不動産の使用料等の支払調書
5.不動産等の譲受けの対価の支払調書
6.不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
等が該当します。
次に上記の法定調書の提出義務者について説明させていただきます。
1 給与所得の源泉徴収票は、平成30年中に
俸給、給料、賃金、歳費、賞与その他これらの性質を有する給与の支払をする方が提出義務者となります。
2 退職所得の源泉徴収票は、平成30年中に
法人の役員に対して退職手当、一時恩給その他これらの性質を有する給与の支払をする方が提出義務者となります。
3 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書は、平成30年中に
外交員報酬、税理士報酬などの報酬、料金、契約金及び賞金の支払をする方が提出義務者となります。
4 不動産の使用料等の支払調書は、平成30年中に
不動産、不動産の上に存する権利、総トン数20トン以上の船舶、航空機の借受けの対価や不動産の上に存する権利の設定の対価の支払をする法人と不動産業者である個人の方が提出義務者となります。
5 不動産等の譲受けの対価の支払調書は、平成30年中に
不動産、不動産の上に存する権利、総トン数20トン以上の船舶、航空機の譲受けの対価の支払をする法人と不動産業者である個人の方が提出義務者となります。
6 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書は、平成30年中に
不動産、不動産の上に存する権利、総トン数20トン以上の船舶、航空機の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払をする法人と不動産業者である個人の方が提出義務者となります。
なお、上記の法定調書の提出範囲につきましては、以下のリンクをご確認ください。
・「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7411.htm
・「退職所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7421.htm
・「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7431.htm
・「不動産の使用料等の支払調書」の提出範囲等
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7441.htm
・「不動産等の譲受けの対価の支払調書」の提出範囲等
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7442.htm
・「不動産等の売買又は貸付のあっせん手数料の支払調書」の提出範囲等
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7443.htm
また、上記の6種類の「法定調書」の平成30年分につきましては、
【平成31年(2019年)1月31日(木)までに】
所轄の税務署長(給与支払報告書・特別徴収票については、関係市区町村)への提出が必要です。
次に「国外財産調書」について説明させていただきます。
国外財産調書とは、居住者(「非永住者」の方を除きます。)の方が、その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する場合、その国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載する書類のことです。
法人で所有している場合は提出不要です。
国外財産調書はその年の翌年の3月15日までに、所轄税務署長に提出することになっています。
なお、国外財産とは国外預金や国外不動産、国外有価証券等です。
国外財産の「価格」は、
その年の12月31日における「時価」又は時価に準ずるものとして「見積価格」によることとされています。
また、「邦貨換算」は、同日における「外国為替の売買相場」によることとされています。
詳細につきましては、下記のリンクをご確認ください。
・国外財産調書の提出義務
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7456.htm
・ご存じですか?「国外財産調書」(チラシ)(平成30年9月)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/kokugai_zaisan/pdf/kaigaizaisan_tirashi.pdf
・国外財産調書の提出制度(FAQ)(平成30年11月)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/kokugai_zaisan/pdf/kokugai_faq.pdf
ここ最近、国税庁は租税回避地(タックスヘイブン)も含め、富裕層の海外資産の把握に力を入れています。
有価証券等で持っていると、知らぬ間に値上がりしていて、国外財産調書の提出の対象となることもあります。
海外に資産を持っている方はご注意ください。
今回もお読みいただきまして、ありがとうございました。
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いかがでしたでしょうか。
この時期は様々な税務関係の書類の提出が重なり、担当者としては落ち着かない日が続くと思います。
しかし、1つ1つ確実に終わらせていきたいですね。
本年も1年間「国税庁ホームページ新着情報ななめ読み」をご覧いただきまして、ありがとうございました。
体調に気をつけてよいお年をお迎えください。
次回もお楽しみに。
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