消費税の軽減税率制度の最新情報です~消費税の軽減税率制度について~
こんにちは!税理士の山猫です。
国税庁ホームページの最新情報を中心に解説するこのコラムの第95回目です。
今回は「消費税の軽減税率制度」について解説したいと思います。
既にご存知かと思いますが、来年(2019年)の10月より消費税の増税及び軽減税率制度の実施が予定されております。
軽減税率制度への対応については、既に準備されている会社様もいらっしゃると思いますが、まだ準備されていない会社様は対策が必要になります。
具体的な対策としては、
・レジの入替えやシステムの改修
・請求書の記載事項の変更
・会計システムやソフトの消費税率の変更
等があげられます。
今からご準備される会社様は、まず自社の影響と対策を進めていきましょう。
そして国税庁ホームページの新着情報では、消費税の増税及び軽減税率制度の実施が決定後からQ&A等の情報がアップデートされています。
今回はそちらを中心にご説明させていただきます。
国税庁ホームページの新着情報に上記のアップデートに関する記載があります。
・消費税の軽減税率制度に関するQ&A等の追加について(平成30年11月8日)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/02.htm
先程ご説明させていただきました具体的な対策についてもこちらに記載されています。
・軽減税率制度への対応には準備が必要です!(リーフレット)(平成30年7月)(PDF/1,985KB)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/06.pdf
上記のリーフレットは、フローチャートで準備が必要な事項を確認することができます。
自社の準備すべき事項を順を追って確認してみてください。
Q&Aにつきましては制度概要編と個別事例編のに分かれて公開されています。
・消費税の軽減税率制度に関するQ&A(制度概要編)(平成28年4月)(平成30年1月改訂)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/qa_02.htm
・消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)(平成28年4月)(平成30年11月改訂)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/qa_03.htm
制度概要編については、基本的なことのQ&Aが記載されていますのでご一読ください。
個別事例編について、いくつかご紹介させていただきます。
Ⅰ 「飲食料品の譲渡」の範囲等
問33 日当等の取扱い
Q.
従業員の出張の際に、旅費規程に基づき、支給している日当については軽減税率の適用対象となりますか。
A.
仮に従業員等が軽減税率の適用対象となる食品等を購入しても、軽減税率の適用対象となりません(改正法附則 34①一)。
Ⅱ 飲食料品の輸入取引
問39 輸入される飲食料品
Q.
輸入される飲食料品は、軽減税率の適用対象となりますか。
A.
保税地域から引き取られる課税貨物のうち、「飲食料品」に該当するものについては、軽減税率が適用されます(改正法附則 34①一)。
なお、課税貨物が「飲食料品」に該当するかどうかは、輸入の際に、人の飲用又は食用に供されるものとして輸入されるかどうかにより判定されます。
問41 レストランへ販売する食材の輸入
Q.
取引先のレストランが食事を提供するための食材を輸入していますが、この食材の輸入は、軽減税率の適用対象となりますか。
A.
保税地域から引き取られる課税貨物のうち、「飲食料品」に該当するものについては、軽減税率が適用されます(改正法附則 34①一)。
なお、飲食料品を仕入れたレストランが、店内飲食用の料理にその食材を利用したとした場合、外食となりますので、レストランが行う食事の提供は軽減税率の対象となりません。
Ⅲ 外食の範囲
問 46 スーパーマーケットの休憩スペース等での飲食
Q.
当社は、スーパーマーケットを運営し、弁当や惣菜等の販売を行っています。店舗には、顧客が飲食にも利用することができる休憩スペースがあります。
このようなスペースであっても、いわゆるイートインスペースに該当することから、軽減税率の適用対象となるかならないかを判定するために、顧客に対して店内飲食か持ち帰りかの意思確認が必要でしょうか。
また、従業員専用のバックヤードや、顧客が利用するトイレ、サッカー台(購入した商品を袋に詰めるための台)についても同様でしょうか。【平成 30 年 11 月追加】
A.
軽減税率の適用対象とならない「食事の提供」とは、飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいいます(改正法附則 34①一イ)。「飲食設備」とは、テーブル、椅子、カウンターその他の飲食に用いられる設備であれば、その規模や目的を問わないため、スーパーマーケットの休憩スペースであっても、飲食設備に該当します(軽減通達8)。
そのため、その休憩スペースにおいて顧客に飲食料品を飲食させる役務の提供は「食事の提供」に該当し、軽減税率の適用対象となりません(改正法附則 34①一イ、軽減通達 10(3))。
したがって、飲食料品の販売に際しては、顧客に対して店内飲食か持ち帰りかの意思確認を行うなどの方法で、軽減税率の適用対象となるかならないかを判定していただくこととなります。
その際、大半の商品(飲食料品)が持ち帰りであることを前提として営業しているスーパーマーケットの場合において、全ての顧客に店内飲食か持ち帰りかを質問することを必要とするものではなく、例えば、「休憩スペースを利用して飲食する場合はお申し出ください」等の掲示を行うなど、営業の実態に応じた方法で意思確認を行うこととして差し支えありません。
なお、「飲食はお控えください」といった掲示を行うなどして実態として顧客に飲食させていない休憩スペース等や、従業員専用のバックヤード、トイレ、サッカー台のように顧客により飲食に用いられないことが明らかな設備については、飲食設備に該当しません。そのため、ほかに飲食設備がない場合には、持ち帰り販売のみを行うこととなりますので、意思確認は不要となります。
(注)「飲食はお控えください」といった掲示を行っている休憩スペース等であったとしても、実態としてその休憩スペース等で顧客に飲食料品を飲食させているような場合におけるその飲食料品の提供は「食事の提供」に当たり、軽減税率の適用対象となりません。したがって、店内飲食か持ち帰りかの意思確認を行うなどの方法で、軽減税率の適用対象となるかならないかを判定していただくこととなりますのでご留意ください。
また、個別事例編の最後には「Ⅶ 価格表示」についての記載があります。
軽減税率制度の導入後の価格表示について、イメージ図等で紹介されています。
小売販売業などの会社様は参考にしてください。
上記でご紹介した以外にも、様々なQ&Aが公開されています。
導入前にきちんと確認しておきたい点ですね。
最後に消費税の軽減税率制度の対策でシステムを修正した場合の費用の取扱いについてです。
・「消費税の軽減税率制度の実施に伴うシステム修正費用の取扱いについて」
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/shouhizei.htm
こちらにつきましては、結論から申し上げますと新たな機能の追加、機能の向上等には該当しない場合、当該修正に要する費用は修繕費(損金算入)として取り扱うことが可能です。
なお、新たな機能の追加等が含まれている場合には、その部分に関して資本的支出として取扱います。
国税庁では、説明会も開催しております。
Q&Aだけでは、わからない点もあるかと思いますので実際に聞きに行かれるのも良いでしょう。
2019年は消費税増税と軽減税率制度の導入、さらには元号の変更もあり、何かと忙しい年になりそうですね。
このようなことを考慮して早めに対策したいですね。
今回もお読みいただきまして、ありがとうございました。
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いかがでしたでしょうか。
消費税の軽減税率制度についてのQ&Aをご紹介致しました。
今後、さらに追加のQ&Aが追加されると思いますので、定期的に新着情報をチェックしましょう。
寒くなりましたので、体調管理にお気を付けください。
次回もお楽しみに。
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