国税庁ホームページから学ぶ相続税の計算 相続は突然やってくる
こんにちは!税理士のヤマネコです。
国税庁ホームページの「最新情報」を中心に解説するこのコラムの第61回目です!
今回は、相続税について解説したいと思います。
相続は、高齢化も進み身近でも触れることの多い話題となってきました。
会社の中でも、社員の方やご家族を失うケースもあり、そのサポートや弔慰金などの手続きをされたことがあるかと思います。
相続が開始するとは、人がお亡くなりになることで発生する民法の表現ですが、本当に様々なことが開始します。
まず、お亡くなりになったら死亡届の提出(7日以内)、
次に、相続人の確定と相続放棄の手続き(3か月以内)、
また、お亡くなりになった方の所得税の申告(4か月以内)
そして、相続税の申告(10か月以内)
とスケジュールは進んでいき、ほぼ1年に渡り、手続に翻弄されていきます。
その間にも、遺言の確認、執行または遺産分割協議の実行、預金口座、証券口座などの解約など様々な手続をこなしていきます。
特に、お金の面では、預金口座が凍結されて故人の預金を使えないなどのケースも出てきて、突然の相続税負担などに苦慮するケースもあります。
そういう面では、事前にお金の準備、相続税の算定は必要なのです。
では、相続税はどのように計算するのでしょうか。
簡単に流れを説明します。
故人の財産額の合計から債務、葬式費用、基礎控除と引いて、税率をかけて算出された税額を相続人の取得財産比率で按分する流れで計算します。
基礎控除額は、3,000万円+相続人の数×600万円で計算されます。
つまり、妻、子供2名というご家族ならば、ご主人がなくなりますと相続人が3名で、基礎控除額は、4,800万円となります。
上記の事例で、不動産5,000万円、預金3,000万円、借入金2,000万円の財産がお亡くなりになったときにあって、それを妻がすべて相続すると税金はどうなるか計算してみます。
まず、財産の合計は、(5,000+3,000)万円-2,000万円=6,000万円となり、
基礎控除の額は、4,800万円です。
つまり、(6,000-4,800)万円=1,200万円が課税対象となり、
これを、妻(1,200万円×1/2)、子はそれぞれ(1,200万円×1/4)と分けます。
それぞれ、600万円、300万円となりますから、税率をかけて税額を出しますと、
600万円×10%=60万円、300万円×10%=30万円となり合計しますと
(60+30+30)=120万円となります。
そして、財産を妻がすべて取得する場合は、1.6億円までか、配偶者の法定相続分までは相続税がかからないという特例があるため、この120万円は軽減されます。(ただし、申告書の提出は必要です)
つまりこのケースは、相続税0円ということになります。
計算してみますと意外と税金はかからないというケースが多く、ご相談に来られる方もホッとされることがあります。
無知が一番怖いということですね。
上記の内容は、下記の国税庁ホームページ、タックスアンサーに項目ごとに説明がアップされておりますので、そちらもあわせてお読み頂ければと思います。
■No.4152 相続税の計算
http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4152.htm
■No.4155 相続税の税率
http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4155.htm
このページに本当に簡素な計算フォームがあります。
■No.4158 配偶者の税額の軽減
http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4158.htm
なお、相続税がかかるかどうかのケースは、下記のタックスアンサーがわかりやすく書かれてます。
■No.4102 相続税がかかる場合
http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4102.htm
このようなページではわかりにくいという方は、特設計算ページで申告の可否判断をするページがありますので、そちらを利用頂くとよいでしょう。
■相続税の申告要否判定コーナー
https://www.keisan.nta.go.jp/sozoku/yohihantei/top#bsctrl
こちらでは、順を追って入力することで相続税がかかるかどうかわかりますので大変便利です。
もっと専門的な情報を入手したいという方は、特集ページを活用ください。
■相続税・贈与税・事業承継税制関連情報
http://www.nta.go.jp/souzoku-tokushu/index.htm
こちらには、申告可否判定シート、パンフレット、記載例、申告書作成時の誤りやすい事例などを公開しております。
最近では、贈与税の情報も公開しており、使い勝手がよくなってきました。
今回は、相続税に関する最新情報でした。
是非、国税庁ホームページをうまく使いこなし、税金の情報取得にお役立てください。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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いかがでしたでしょうか。
相続も身近な話となりました。
遺言作成や贈与の話、実家に帰るたびにそんなことばかり話すと、大変なことになりますので(笑)、まずは、親孝行からですね。
また次回をお楽しみに。
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