簿記検定でご存知(?)の「残高管理」「受払管理」
どうも、野球大好き経理マンのノボルです!
世界野球WBSCプレミア12はいよいよ今週からスーパーラウンドが始まりましたね。
我らが日本代表はオープニングラウンドを3連勝で勝ち上がりましたが、その他にも韓国・台湾・オーストラリアと多くのアジア勢がスーパーラウンドに進出しています。
もちろんメジャーリーガーが出場していないということもあるのでしょうが、あらためてアジアにおける野球のレベルそして人気の高さが感じられます。
正直現時点では世界大会として盛り上がりに欠けているプレミア12ですが、最初はイマイチだったWBCも日本代表が第1回・第2回大会を連覇したことで野球大国アメリカのプライドを刺激し、今ではかなり大物のメジャーリーガーも参加するようになりました。
プレミア12の第1回大会であった前回は韓国が優勝しましたが、今大会は日本が優勝し再びアジア野球の強さを見せつけてアメリカを本気にさせることを期待しています!
さて「『下町ロケット』の佃製作所の経理部は、普段どんな仕事をしているのか?」についてお話しております。
前回は佃製作所の経理業務の中でも特に重要なものの一つとして「在庫管理」業務をご紹介しました。
今回も引き続き「在庫管理」について取り上げます。
「経理・財務サービス・スキルスタンダード」における「在庫管理」の具体的な業務内容は、以下の「業務マップ」にまとめられています。
こちらによりますと「在庫管理」は「残高管理」「受払管理」「適正在庫管理」という3つの業務に大きく分けられます。
まず「残高管理」ですが、これはいわゆる棚卸に関わる業務となります。
上記「業務マップ」のエクセルにも書かれているように、端的に言えば「在庫の実地棚卸を行い在庫残高を検証する」業務です。
「在庫の実地棚卸」を行った結果、帳簿の記録と残高が一致していれば問題ないのですが、差異があった場合に「検証」が必要となります。
「検証」においては帳簿残高と実地棚卸残高との差異の原因を究明し、その内容に合わせてデータの修正を行います。
このような差異がある場合、「帳簿残高>実地棚卸残高」、すなわち紛失や盗難などの理由で実際の在庫が少ないということが通常です。
このケースでの会計処理については、日商簿記2級を勉強されたことがある方であればもうお気付きかもしれませんね。
そう、売上原価を計算する際に登場する「棚卸減耗損」の処理です。
【棚卸減耗損】
継続記録法によった場合で、帳簿記録よりも実施棚卸の方が少なく、その原因がどうしてもつかめなかったときに、実地棚卸高に合わせて資産計上した場合の、その差額部分のこと。
<仕訳例>
期末に実地棚卸をした結果、帳簿残高1,600円に対し、実地棚卸高1,300円であった。
棚卸減耗損 300 / 商品 300
https://www.jusnet.co.jp/dictionary/contents_index.php?cid=3#anc_3_20
(『「経理・財務」用語事典』(税務経理協会))
https://www.jusnet.co.jp/dictionary/
こんな感じで「残高管理」の業務については、実務経験のない方でも上記仕訳例などからイメージはし易いかと思います。
なお、上記「棚卸減耗損」の説明にある「継続記録法」については、以下の通りです。
【継続記録法】
棚卸資産の数量把握方法で、一品目ごとに受払及び残高を記録していくやり方。
定期的に実地棚卸を行い、帳簿と現物とを照合し、棚卸差異を把握する。使用する補助簿として商品有高帳がある。これにより、棚卸資産の管理が可能となる特徴がある。
https://www.jusnet.co.jp/dictionary/contents_index.php?cid=3#anc_3_3
(『「経理・財務」用語事典』(税務経理協会))
https://www.jusnet.co.jp/dictionary/
そして続く「受払管理」の業務内容については、この「継続記録法」の説明の中にある「商品有高帳」を思い浮かべて頂けると良いかと思います。
ちなみに「商品有高帳」は日商簿記3級で学習しますので、こちらもご存知の方は多いでしょう。
書籍「『経理・財務』実務マニュアル上 三訂版」の56ページには、「受払管理」について以下のように記述されています。
「受払管理とは、棚卸資産の受入(仕入)、払出(売上)を把握することにより数量と金額を管理することです。
数量を確定したら、会社で決めた評価方法による単価をつかって金額を確定します。」
そしてこの「受払管理」をきちんと行うことによるメリットとして、以下の3点が同じページにあげられています。
(1)正確な棚卸資産の残高を把握することができる
(2)適正な在庫水準を保つことができる
(3)円滑な仕入れと出荷活動を行うことができる
この内(1)は「残高管理」の業務、そして(2)は「適正在庫管理」の業務と直接つながっています。
(3)については調達部門や倉庫部門との連携が重要となります。
余談ですが私は現在の経理職に就く以前、メーカーの原料調達部門で働いていました。
どのような原材料をいくらでどれだけの量を仕入れたのか、という資料を作成したりしていたのですが、それはまさにこの「受払管理」業務の一部を担っていたことになります。
当時そのようなことは全く意識していなかったのですが、今となっては良い経験だったなと感じています。
次回は最後に残りました「適正在庫管理」についてお話してまいりたいと思います。
今回はここでゲームセット!
今日も早く仕事を終えて自主トレだ!!
弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
サービス
セミナー
- 2024/05/10(金) 【オンライン開催】制度開始後に経理担当者がやるべき インボイス制度の経理実務対策のポイント
- 2024/05/10(金) 2024年度 労働保険年度更新・社会保険算定セミナー
- 2024/05/12(日) 【WEB配信】【受講満足度90%以上】採用担当者が目をつけるポイントがわかる!経理職のための履歴書・職務経歴書の書き方
- 2024/05/16(木) 経理実務担当者養成セミナー【決算書の見方・読み方・経営分析編】
- 2024/05/19(日) 次世代の経理担当者として活躍するためのキャリアアップ術
- 2024/05/23(木) はじめての給与計算と社会保険の基礎セミナー
- 2024/05/24(金) 経理実務担当者養成セミナー【会社の税金入門編】
- 2024/05/24(金) 【WEB動画】緊急配信!定額減税の実務対応セミナー
- 2024/05/29(水) はじめての給与計算と社会保険の基礎セミナー
- 2024/06/04(火) はじめての給与計算と社会保険の基礎セミナー
- 2024/06/07(金) 経理実務担当者養成セミナー【消費税の実務知識と申告書の作成編】
- 2024/06/11(火) 経理実務担当者養成セミナー【簿記会計入門編】
- 2024/06/13(木) 経理実務担当者養成セミナー【資金繰りの実務とキャッシュフロー計算書作成編】
- 2024/06/21(金) 経理実務担当者養成セミナー【法人税の実務知識編】
- 2024/06/23(日) 【WEB配信】経理担当者として必須の戦略思考力がみにつく!経理担当者のためのKPI実務セミナー
- 2024/06/25(火) はじめての給与計算と社会保険の基礎セミナー
- 2024/06/30(日) 効率的に作る・業績改善のために考える!「月次決算の分析・活用」実践術
- 2024/07/04(木) はじめての給与計算と社会保険の基礎セミナー
- 2024/07/06(土) 税理士事務所に入所3年以内の職員なら知っておきたい 消費税の仕訳実務
- 2024/07/20(土) 新会計基準もスッキリわかる! 國貞克則氏監修「財務3表一体理解法マスター講座」
- 2024/07/26(金) はじめての給与計算と社会保険の基礎セミナー
- 2024/08/29(木) はじめての給与計算と社会保険の基礎セミナー