「在庫管理」はとても重要!
どうも、野球大好き経理マンのノボルです!
令和元年のプロ野球は福岡ソフトバンクホークスの3年連続10度目の日本シリーズ優勝で幕を閉じました。
ホークスファンの皆様、本当におめでとうございます!
今シーズンのホークスは主力選手の故障が相次いだこともあって惜しくもリーグ優勝は逃してしまいましたが、ポストシーズンの強さはまさに圧巻でしたね。
パ・リーグ2位のホークスがセ・リーグ覇者の巨人を全く寄せ付けずに4連勝ということで、現在のセ・パの実力差が如実に表れた結果であったように感じます。
これで7年連続パ・リーグのチームが日本シリーズを制したこととなりましたが、来季以降セ・リーグがどのように巻き返してくるのか注目しましょう!
さて前回から「『下町ロケット』の佃製作所の経理部は、普段どんな仕事をしているのか?」についてお話しております。
前回、一般的に経理で行われている業務の参考として「経理・財務サービス・スキルスタンダード」をご紹介いたしました。
https://edu.jusnet.co.jp/seminar/SkillStandard_top.shtml
そして上記のページにある「- 経理・財務業務/鳥瞰図 -」の中から、佃製作所の経理部で行われているであろう業務を以下のようにあげました。
<日常業務>
【1】売掛債権管理 【2】買掛債務管理 【3】在庫管理 【4】固定資産管理 【6】原価管理 【7】経費管理 【19】現金出納管理 【20】手形管理
<決算業務など定期的に行うもの>
【8】月次業績管理 【9】単体決算業務 【12】中長期計画管理 【13】年度予算管理 【15】消費税申告業務 【16】法人税申告業務
前回も触れたように、これらは佃製作所に限らず様々な企業の経理部などで行われている業務です。
(ただし「【15】消費税申告業務」や「【16】法人税申告業務」については、主な業務を税理士などに委託していることが一般的です)
そして佃製作所は精密機械メーカーですので、この中でも特に重要となりそうなのが以下の業務であると考えられます。
【3】在庫管理 【4】固定資産管理 【6】原価管理
今回はまず「【3】在庫管理」について解説してまいります。
先ほどご紹介したページにも掲載されている書籍「『経理・財務』実務マニュアル」から「在庫管理」業務の概要についての記述を引用いたします。
「在庫、すなわち棚卸資産とは、販売することを目的とした、商品、製品、仕掛品、原材料のことをいいます。
在庫の適切な管理は経営において重要な課題の一つです。
在庫量が不足してしまうと欠品となり販売機会を逃してしまうことになりますし、多すぎると滞留在庫となって保管費用等のコストの圧迫要因となります。」
(「『経理・財務』実務マニュアル」上 三訂版 54ページ)
「在庫」というと小売店や問屋などが抱えている商品の在庫をイメージされる方も多いかと思います。
そしてそのようなBtoCのお店やそこに商品を納入する業者にとって、商品の「在庫管理」の業務は非常に重要です。
上記の引用の通り、ストックしている商品すなわち在庫が多すぎても少なすぎても損をしてしまいます。
話題になった商品が一気に売れまくってたちまち品切れになってしまったり、またそのブームが過ぎ去った後に大量の在庫を抱えた業者が苦境に陥ってしまう、といった例も少なくありません。
(古い話になってしまいますが、1990年代後半に大流行した「たまごっち」などがその典型例としてあげられます)
ではBtoBの製造業である佃製作所における「在庫管理」についてはどうでしょうか。
佃製作所では上記の引用にある「製品」「仕掛品」そして「原材料」という3種類の「在庫」について管理業務を行っていると思われます。
この中で「製品」が完成品であり、製作途中ものが「仕掛品」ということですから、製造の流れは「原材料⇒仕掛品⇒製品」となります。
しかし「在庫管理」においてはまず「製品」の販売予想量を定め、そこから逆算して「原材料」を「いつ」「どれだけの量」仕入れて「在庫」として持っておくべきかを導いていきます。
小説「下町ロケット」シリーズ第1作は、主要な得意先である京浜マシナリーから突然取引終了を言い渡されたことで物語が始まります。
作中では売り上げの減少についてが主な問題となっていましたが、この件は「在庫管理」にも大きな影響を及ぼしていたはずです。
それがどのような影響であるかについて推測しますと、作中において取引終了の通達から実際の終了までは40日ほどあったということもあり、京浜マシナリーに納入する「製品」自体ではなくそれを製造するための「原材料」の「在庫」が過剰になってしまっていたことが考えられます。
もちろん販売計画そして製造計画が下方修正となるため、その減った分の「原材料」が余ってしまうということもありますが、さらに問題を大きくしてしまうのは京浜マシナリーが長年に渡る安定的な得意先であったという点です。
それは佃製作所が京浜マシナリーへの製品納入を長期的に見越した上で、おそらく「原材料」の仕入れ先である業者との間でいわゆる「ボリュームディスカウント」の契約をしているはずであるためです。
すなわち一定量以上の仕入れを約束する見返りに仕入れ代金を安くしてもらっている、ということです。
(簿記で学習する「割戻」がこの取引に該当します)
逆に言えば佃製作所は京浜マシナリーとの取引終了により、それ以上仕入れる必要のなくなった「原材料」についても契約通り仕入れ続けなければなりません。
契約を破棄するということもできるかもしれませんが、契約上違約金の支払いを求められたり、仮に違約金などがないとしてもその仕入れ先との関係は破綻してしまうでしょう。
佃製作所のように高度な技術を持つメーカーであれば特殊な「原材料」を仕入れることも少なくないでしょうから、そのような「原材料」が仕入れられなくなってしまうことは得意先を失う以上に会社にとって致命傷になりかねません。
このケースはちょっと極端かもしれませんが、製造業においてはこのように実際に販売をする「製品」以上に「原材料」の「在庫管理」が重要になることもあります。
次回は「在庫管理」の具体的な業務の中身について、「経理・財務サービス・スキルスタンダード」や書籍「『経理・財務』実務マニュアル」を用いてお話してまいりたいと思います。
今回はここでゲームセット!
今日も早く仕事を終えて自主トレだ!!
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