「一部上場企業」と佃製作所を比べてみると?
どうも、野球大好き経理マンのノボルです!
先日、メジャーリーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が左ヒザの手術を受けて無事に終了した、との報道がありました。
今シーズンはもうプレーしないという突然のニュースには驚きましたが、すでに今年の春頃にはヒザに違和感があったそうです。
そんな中でも今シーズンは打者としてチームの主軸を担う活躍を見せてくれた大谷選手は、やはり只者ではありませんよね。
昨年から故障の続いている大谷選手ですが、今の内にしっかり治療とリハビリをして、来年こそシーズンを通して大活躍してくれることを期待しています!
さて「『下町ロケット』の佃製作所は本当に『吹けば飛ぶような中小企業』なのか?」をテーマにお話しております。
前回は佃製作所が創業以来約半世紀、赤字がたったの一度だけであったという点について考察してみました。
前々回そして前回と主に三菱重工という日本有数の大企業との比較をしてきましたが、今回はもう少し佃製作所と規模の近い会社との比較もしてみたいと思います。
ところで皆さんは大企業あるいは一流企業と聞いた時、どのような会社を思い浮かべるでしょうか。
誰もが知っている商品やサービスを取り扱っている会社、CMでお馴染みの会社など、その多くは消費者向けいわゆる「BtoC」の有名企業であろうかと思います。
しかし、例えばこれまで見てきました三菱重工などは基本的に企業を顧客とする「BtoB」の会社ですので、子供からお年寄りまで幅広く知られているという会社ではないかもしれませんが、我が国のトップ企業の一つであることは間違いありません。
このように「BtoB」の会社である場合、かなりの大企業であっても取引のある会社にお勤めの方以外にはあまり知られていない、ということも往々にしてあります。
そこで知名度のあまり高くない「BtoB」の会社であっても一流企業と判断するための指標の一つとなるのが、「上場企業」であるか否かというポイントです。
「上場企業」とはその会社の株式が証券取引所に公開され売買がされている会社のことであり、一定以上の売上・利益の規模や会社内の体制・制度が整っていることなどがその条件となっています。
ですので「上場企業」であれば一般的には優良企業であると思われていますし、その中でも東京証券取引所の市場第一部に株式公開している会社は一流の企業であると判断されることが多いでしょう。
俗に「一部上場企業」と呼ばれていますが、この一部上場企業は2019年9月6日時点で2,152社あります。
以前「「中小企業」の定義とは?」の回で中小企業庁の以下のページをご紹介いたしましたが、これによるといわゆる大企業は2016年時点で11,157社となっています。
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/chu_kigyocnt/2018/181130chukigyocnt.html
一部上場企業のほとんどはこのページにある大企業に該当すると考えられますので、日本の会社の中で上位わずか0.3%となる大企業の中でもさらに2割ほどしか存在していないのが一部上場企業であるといえます。
(なお、かなり有名な大企業であってもあえて上場していない会社もありますので、一部上場企業が必ずしもトップを占めているとはいえませんが、概ね大企業の中でも上位グループであると考えられます)
国内の企業の中で0.06%という希少な存在である一部上場企業ですが、それでも2千社以上ありますので、全ての会社名を知っている人はまずいないでしょう。
実際に一部上場企業には三菱重工のような超巨大企業もあれば、さほど規模の大きくない会社も存在していて、一般的なイメージ以上にかなりの幅があります。
小説下町ロケットシリーズの2作目「下町ロケット ガウディ計画」に登場する佃製作所のライバル企業「サヤマ製作所」も作中で上場を目指していると書かれていましたので、上場企業には佃製作所とそう違わない規模の会社も存在していそうです。
という訳で、そんな一部上場企業と比較した場合、佃製作所がどの程度のレベルなのか具体的に見てみましょう。
今回使用するデータは、以下のページに記載されているものです。
企業価値検索サービス「Ullet」
http://www.ullet.com/
こちらの「ランキング」というページで、上場企業の売上・利益など業績データのランキングを見ることができます。
そして市場を「東証一部」、業種を「機械」として絞り込んだ売上高のランキングが以下のページです。
http://www.ullet.com/search.html#market/1/group/15
やはり三菱重工が売上高約4兆円でぶっちぎりのトップとなっています。
以下、上位には小松製作所・ダイキン・クボタなど有名企業がずらりと並んでいます。
では逆に下位の方はどうなっているでしょう。
http://www.ullet.com/search.html#market/1/group/15/sort/1
これによると、売上高が100億円未満の企業が7社あります。(2019年9月時点)
中には50億円程度の会社もあり、売上高100億円である佃製作所と比較してもかなり小さい売上規模の会社も一部上場企業には存在している、ということが分かります。
またこれら売上高下位の企業の利益については、以下で見ることができます。
http://www.ullet.com/search.html#market/1/group/15/disp/1/sort/1
売上規模は小さいものの各社利益はしっかり出せているようですので、さすが一部上場企業という感じはします。
佃製作所の利益については「経常利益10億円」というデータしかありませんので、上記ページに記載の「当期純利益」と単純比較はできません。
しかし現在の法人の実効税率が約30%ということを踏まえますと、佃製作所の当期純利益は「7億円」程度ではないかと考えられます。
ということで、売上高100億円未満の一部上場企業に対しては利益面でも佃製作所は遜色ないレベルであるといえそうです。
今回は一部上場企業と佃製作所を比較してみました。
一部上場企業で業種が機械という会社は140社ほどですので、売上高100億円未満は下位5%というかなり低い水準の会社です。
結論としては、一部上場企業には佃製作所に売上・利益で劣る企業も存在しますが、仮に佃製作所が一部上場したとしてもその中ではかなり下のグループに属することになります。
ただ末席とはいえ、日本の企業のトップ集団ともいえる一部上場企業に名を連ねることのできるレベルではある、ともいえるかもしれません。
次回はこれまでのまとめと、少し視点を変えて佃製作所における経理の仕事について考えてみたいと思います。
今回はここでゲームセット!
今日も早く仕事を終えてナイターへ!!
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