佃製作所は儲かっている方?
どうも、野球大好き経理マンのノボルです!
いよいよ第101回全国高等学校野球選手権大会が始まりましたね!
毎年話題には事欠かない夏の甲子園大会ですが、今年はすでに地方予選において物議を醸す出来事がありました。
それは「令和の怪物」とも称されている岩手・大船渡高校の佐々木朗希投手の県大会決勝での登板回避についてです。
賛成あるいは反対、皆さんの中にも色々な考え方があるでしょう。
個人的には今回の出来事を契機に、球数制限や試合日程などについて具体的な議論が行われていくことを期待しています。
いずれにしましても、まずは今年の夏も甲子園を大いに楽しみましょう!
さて「『下町ロケット』の佃製作所は本当に『吹けば飛ぶような中小企業』なのか?」をテーマにお話しております。
前回は佃製作所の売上高について、中小企業庁が毎年行っている「中小企業実態基本調査」の統計データを用いて分析してみました。
その結果、佃製作所は日本の製造業(大企業を含む)の中でも、10社に1社ほどしかない大きな売上規模であったことが分かりました。
では利益面ではどうなのでしょうか?
と言う訳で、前回と同様に「中小企業実態基本調査」の統計データから今回は利益について見てみたいと思います。
ちなみに前回は「平成29年確報(平成28年度決算実績)」のデータを用いましたが、つい先日最新の「平成30年確報(平成29年度決算実績)」が公表されました。
今回はこちらのデータを用いたいと思います。
では前回と同じ「統計表」「3.売上高及び営業費用」「(4)産業別・売上高階級別表」「1)法人企業」のファイルを見てみましょう。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000031849206&fileKind=0
(こちらのリンクを開くと「h30_03_4h」という名前のエクセルファイルがダウンロードされます)
こちらの「製造業」のデータを見てみますと「平成29年確報(平成28年度決算実績)」では「275,644社」であった企業数の合計が、「245,135社」にまで減少しています。
今回のテーマとは少し外れますが、わずか1年の間に製造業の会社数が10%以上も減っているというかなりショックな事実をこの統計から知ることができます。
ただ全産業のデータではここまで極端に会社数は減少していませんので、モノ作りが中心であった日本の産業構造が大きく変化している現状がこの統計からも見て取れます。
さて本題に戻りまして、まず前回と同じく売上高「10億円超」の企業数を見てみますと「22,190社」で、上位「9.1%」となっています。
最新のデータでも佃製作所の売上高は10社に1社のレベルにあるようです。
そして今回取り上げる利益のデータですが、表の下の方にある「経常利益(経常損失)」の金額を用いようと思います。
実は小説「下町ロケット」シリーズにおいて、2019年8月現在出版されている4作品の中では佃製作所の具体的な利益の金額について書かれていません。
ですがドラマの中で佃社長が「うちは売上高100億円、経常利益10億円の中小企業だ」と話すシーンがあったようです。
そこで佃製作所のこの「経常利益10億円」というのがどの程度なのかを分析してみます。
「製造業」の会社全ての合計の経常利益は「5,488,701百万円」、合計企業数が前述の通り「245,135社」ですので、平均すると1社あたり約「22百万円」ほどになります。
よって佃製作所の「経常利益10億円(1,000百万円)」は「製造業」全体における平均の50倍近くもある大きな金額です。
次に佃製作所が属している「売上高10億円超」のデータでは、経常利益の合計が「4,246,816百万円」で企業数が「22,190社」ということで、平均約「191百万円」です。
およそ2億円弱ということですので、佃製作所の「経常利益10億円」はその5倍以上にもなります。
つまり佃製作所は売上高上位1割の会社に限ったとしても、その平均の5倍以上も儲けているかなりの優良企業である、といえると思います。
ちなみに経常利益を売上高で除した「経常利益率」については、佃製作所は10億円÷100億円で「10%」となります。
それに対して「製造業」の「売上高10億円超」である会社の「経常利益率」の平均は「5.2%」程度ですので、収益性という観点からも佃製作所は優れていると言うことができるでしょう。
次回は今回と同じく、佃製作所の利益や収益性についてもう少し分析してまいりたいと思います。
今回はここでゲームセット!
今日も早く仕事を終えてナイターへ!!
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