「売上百億円」はかなりスゴイ!
どうも、野球大好き経理マンのノボルです!
先日ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手がメジャー通算70勝目をあげました。
これまで多くの日本人投手がメジャーリーグに挑戦した中で50勝以上をあげた投手がわずか7人であることを考えますと、あらためて田中投手の凄さを実感します。
しかも田中投手の現在の勝利数を上回っているのは、野茂投手そして黒田投手という偉大な2人のレジェンドだけです。
ちなみに日本人メジャーリーガー通算勝利数のトップは野茂投手の123勝ですが、田中投手はその野茂投手ですらできなかった「デビューから5年連続2桁勝利」を達成しています。
野茂投手の123勝までは少し遠く感じてしまいますが、まだ30歳の若きレジェンド・田中投手であればきっと超えてくれるでしょう。
メジャーリーグといえば、最近はどうしても大谷選手に注目が集まってしまっていますが、田中投手の活躍にも声援を送っていきましょう!
さて前回から「『下町ロケット』の佃製作所は本当に『吹けば飛ぶような中小企業』なのか?」をテーマにお話しております。
前回は佃製作所が中小企業庁の定義する「中小企業者」に間違いなく該当していることを確認しました。
しかしデータ上そもそも「中小企業者」であること自体が日本国内の会社としてはかなり上位に属している、ということも見てまいりました。
今回も前回と同様に中小企業庁による統計データを用いた分析をしたいと思います。
前回は小説「下町ロケット」シリーズ第1作の中から、佃製作所の資本金と従業員数のデータを引用しました。
そして同じ小説「下町ロケット」シリーズ第1作の冒頭には、佃製作所について以下のような記述もあります。
「まだ売上百億円に満たない中小企業ではあるが、(以下略)」
この他にも小説のシリーズ第1作の中では「売上百億円弱」「売上百億円程度」のように何度か書かれています。
それらの描写から推測しますと、恐らく佃製作所のシリーズ開始時点での年間売上高は90億円から100億円の間であろうと考えられます。
ではこの売上高がどの程度のレベルであるのか、中小企業庁が毎年行っている「中小企業実態基本調査」の統計データを用いて分析してみましょう。
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/kihon/index.htm
皆様の中にも毎年送られてくるこの「中小企業実態基本調査」の調査票をご覧になったり、あるいはご回答されたことのある方もいらっしゃるかと思います。
実際私自身もこの調査票に回答したことは何度かあります。
ただ調査の結果を見ているかと言いますと、正直今回このコラムを書くために見たのが初めてです(笑)
非常に詳細かつ膨大なデータがそろっていますので、率直な感想として何で今まで見なかったのだろうと後悔しています。
色々なことに活用できそうなデータですので、ぜひ当コラムの読者の皆様にも見て頂きたいなと思っております。
少し話がそれてしまいましたが、今回は現時点での直近の確定データである「平成29年確報(平成28年度決算実績)」のデータを使用します。
この中にも多くのデータがありますが、今回は売上高を用いますので「統計表」「3.売上高及び営業費用」「(4)産業別・売上高階級別表」「1)法人企業」のファイルを見てみましょう。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000031738520&fileKind=0
(こちらのリンクを開くと「h29_03_4h」という名前のエクセルファイルがダウンロードされます)
このデータでは、法人企業の売上高別の企業数を見ることができます。
売上高のランクは「500万円以下」から「10億円超」まで8つの階級に分けられています。
佃製作所の売上高は前述の通り90億円以上はあると考えられますので、この時点で「中小企業実態基本調査」の対象となる法人企業の中では最高ランクの売上高であるといえます。
ではもう少し細かく見てみましょう。
このデータにはそれぞれの売上高の階級ごとに企業数が載っています。
冒頭にある全産業の合計企業数は「1,475,471社」、その中で佃製作所が属する最上位階級「10億円超」の企業数は「79,437社」です。
計算してみますと売上高「10億円超」の企業は全体のわずか「5.4%」ほどしかない、ということです。
また産業別のデータでは佃製作所は「製造業」ですのでそちらを見てみますと、合計企業数は「275,644社」で「10億円超」の企業数は「23,706社」となっています。
やはり「製造業」は全産業の平均より売上高が大きめではありますが、それでも「10億円超」の企業は上位「8.6%」だけであることが分かります。
という訳で今回は売上高のデータから佃製作所の実力を分析してみましたが、いわゆる大企業を除いた製造業としては10社に1社もないほど大きな売上規模であることが見て取れました。
ちなみに前回見た通り製造業における大企業は上位「0.8%」のみ、残りの「99.2%」が「中小企業実態基本調査」の対象となる企業です。
佃製作所は「99.2%」の中の上位「8.6%」ですので、大企業を含めた製造業全体で見たとしても10社に1社レベルの売上高を誇っています。
次回はまた違った角度から佃製作所について分析してまいりたいと思います。
今回はここでゲームセット!
今日も早く仕事を終えてナイターへ!!
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