5億円が1円に!?
どうも、野球大好き経理マンのノボルです!
先日まで行われていた平成最後となる第91回選抜高等学校野球大会は、平成最初の優勝校であった愛知・東邦高校の優勝で幕を閉じました。
甲子園では毎年のように劇的なことが起こりますが、まさに平成の高校野球を締めくくるのに相応しい幕切れでしたね。
そんな数々の名勝負・名シーンが生まれた平成の甲子園大会、個人的に最も印象的だったのはやはり平成10年の夏、横浜高校・松坂投手の力投です。
特に準々決勝・PL学園との延長17回の激闘はNHKの生中継で観戦していたのですが、延長戦に入ってから全く目が離せない展開でテレビの前に釘付けになってしまったことを思い出します。
ちなみにこの平成10年はプロ野球でも横浜ベイスターズのリーグ優勝・日本一の年であり、当時横浜に住んでいた私にとって、野球ファンとしては平成最高の一年だったなとあらためて感じました。
大正に始まり昭和・平成と発展してきた高校野球、令和初となる夏の第101回全国高等学校野球選手権大会ではどんなドラマが生まれるのか、今から楽しみですね!
さて、前回は「RIZAPグループ株式会社」の子会社である「夢展望株式会社」が多額の「債権取立益」を計上しようとしていた、ということをお話いたしました。
今回はこの「債権取立益」をどのような手法で計上しようとしていたのか、その点をテーマにお話してまいりたいと思います。
前回もご紹介いたしました「夢展望株式会社」の「IRニュース」「2018/03/30 特別利益の発生に関するお知らせ」には以下のように書かれています。
「株式会社ニッセンホールディングスから1円で取得したトレセンテに対する貸付債権561百万円のうちの一部である390百万円が繰上返済されたこと並びに返済期日の到来により29百万円が返済されたことににより、特別利益を計上いたします。」
http://www.dreamv.co.jp/ja/pdf/irnews/2018/20180330_06.pdf
このお話はまず「夢展望株式会社」が「株式会社トレセンテ」を「株式会社ニッセンホールディングス」から買収して子会社としたことから始まります。
それについては2017年(平成29年)4月28日の「IRニュース」で公表されています。
「株式会社トレセンテの株式の取得(子会社化)及び新たな事業の開始に関するお知らせ 」
http://www.dreamv.co.jp/ja/pdf/irnews/2017/20170428_01.pdf
この20日ほど後の2019年5月16日、今度は「子会社に対する債権取得及びそれに伴うその他の収益の発生(連結)に関するお知らせ」という「IRニュース」が出されました。
http://www.dreamv.co.jp/ja/pdf/irnews/2017/20170516_04.pdf
ここでは「株式会社トレセンテ」の以前の親会社である「株式会社ニッセンホールディングス」がその「株式会社トレセンテ」に対して保有していた貸付債権561,522千円を「夢展望株式会社」が1円で取得したことが書かれています。
言い換えますと、ニッセンがトレセンテに対して貸していた5億6千万円余りの債権(貸付金)をわずか「1円」で夢展望が買い取った、ということになります。
そしてこれはたった「1円」支払っただけで後日5億6千万円を回収できる権利を得たことになるので、その差額で夢展望が得をしたことになる金額(約5億6千万円)を収益(ここでは「債権評価益」)に計上する、というのがこのお知らせの趣旨となります。
また、この3ヵ月後の2017年8月8日には「(開示事項の変更)「子会社に対する債権取得及びそれに伴うその他の収益の発生(連結)のお知らせ」の変更のお知らせ」が出ました。
http://www.dreamv.co.jp/ja/pdf/irnews/2017/20170808_02.pdf
前述5月の「IRニュース」では「債権評価益」に計上する予定であった約5億6千万円を「負ののれん発生益」として計上することにした、というのがこのお知らせの内容です。
表面的に見れば「夢展望株式会社」による「株式会社トレセンテ」の買収と「株式会社ニッセンホールディングス」からの貸付債権の取得は別の取引であるため、5月の時点では「債権評価益」として計上することとしていました。
しかし、上記8月の「IRニュース」にあるように「それ自体を単独の取引と評価するよりも、同時に実施されたトレセンテの子会社化の一部を構成する取引と評価する」方が適切であるとの判断から「負ののれん発生益」とすることにした、ということのようです。
そして最終的にこの「負ののれん発生益」を計上するという会計処理が実際に行われ、それは「夢展望株式会社」の2018年3月期(第21期)の「有価証券報告書」にも明記されています。
(以下の「有価証券報告書」PDFファイルの74ページ)
http://www.dreamv.co.jp/ja/pdf/irnews/2018/20180628_01.pdf
ちなみにこの期の「夢展望株式会社」の税引前当期利益は前回も触れたように5億4千万円ほどですので、「負ののれん発生益」約5億6千万円を除いてしまうと赤字であったことが分かります。
そんな訳で「債権取立益」の計上以前に、すでに「負ののれん」によって利益が増えて損失の補填が行われていたということになります。
さらに以前からご紹介している日本経済新聞の記事には、この利益によって「夢展望株式会社」は連結債務超過を解消し上場廃止の危機を逃れた、とも書かれています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38672900X01C18A2DTA000/
(こちらは「日経電子版」会員限定記事となっています)
さて、この「夢展望株式会社」の「負ののれん」計上による債務超過の解消は、前述の通りあくまで「連結」ベースのものとなります。
(上記「有価証券報告書」PDFファイルの59ページ「連結財政状態計算書」の「資本合計」を参照)
それに対して同じ「有価証券報告書」に記載のある「夢展望株式会社」単体の財務諸表は未だ債務超過のままです。
(上記「有価証券報告書」PDFファイルの119ページ「貸借対照表」の「純資産合計」を参照)
そして、今度はこの単体での債務超過を解消すべく「債権取立益」を用いた利益のかさ上げが図られたのではないか、という点が上記日本経済新聞の記事の核となっています。
では、そもそもなぜ「負ののれん」計上による債務超過解消は「夢展望株式会社」単体決算には反映されなかったのでしょうか?
少し話がそれてしまいますが、次回はその点について仕訳例などをあげて解説してまいりたいと思います。
今回はここでゲームセット!
今日も早く仕事を終えてナイターへ!!
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