「預り金」の運命やいかに?(その4)
どうも、野球大好き経理マンのノボルです!
今年のプロ野球、平成最後の日本一に輝いたのは福岡ソフトバンクホークスとなりました。
これで見事日本シリーズ連覇ということで、ホークスファンの皆さん本当におめでとうございます!!
ペナントレースではライオンズの勢いを前に、惜しくも2位となりましたが、ポストシーズン特に日本シリーズでは貫禄すら感じさせる強さを見せてくれました。
さらにこのシーズンオフにはFAによる大型補強も噂されており、まだまだホークスの黄金期が続きそうな予感です。
いずれにしましても、今シーズンはこれにて終了、来年の開幕まではストーブリーグ・自主トレ・キャンプなどのニュースを楽しんでいきましょう!
前回は「雇用保険料」に関連して「労働保険の年度更新」の概要をお話しました。
今回はそちらを踏まえまして「雇用保険料」の具体的な会計処理について解説してまいります。
あらためて以前よりあげております仕訳例を以下に示します。
【例】
〈支給項目〉基本給:240,000円
〈控除項目〉健康保険料:11,880円、厚生年金保険料:21,960円、雇用保険料:720円、所得税:4,980円、住民税:9,900円
【仕訳】
給与手当 240,000 / 普通預金 190,560
/ 預り金(健康保険) 11,880
/ 預り金(厚生年金) 21,960
/ 預り金(雇用保険) 720
/ 預り金(所得税) 4,980
/ 預り金(住民税) 9,900
上記例のように給与から控除した(差し引いた)「預り金(雇用保険)」のその後の処理については、実はいくつかのパターンがあります。
最終的にはこれまでお話してきた「所得税」「住民税」「健康保険料」「厚生年金保険料」の「預り金」と同じように借方に仕訳して相殺することとなりますが、ポイントはどのタイミングでその処理をするのかです。
そしてそのタイミングについては、主に以下の3パターンが考えられます。
(1)随時(月次決算の時)
(2)年次決算の時
(3)「労働保険の年度更新」の時
上記の中で(1)が最も細かい処理であり、(3)が最も簡便的な処理となります。
ではまず簡便的な処理である(3)のパターンについて具体例を見てみましょう。
ちなみにこのパターンでは、「雇用保険料」を含む「労働保険」に関する仕訳は「労働保険の年度更新」の時の1回のみとなります(上記例の給与控除時を除く)。
【例】平成30年7月10日、労働保険の年度更新に際し以下の通り労働保険料を普通預金より納付した。
・納付金額合計:37,618円
〈内訳〉平成30年度概算保険料:34,560円、平成29年度概算保険料と実績との差額:3,000円(不足)、一般拠出金:58円
・「預り金(雇用保険)」の残高:8,640円
【仕訳】
預り金(雇用保険)8,640 / 普通預金 37,618
法定福利費 28,978 /
この「労働保険の年度更新」を行う時点での「預り金(雇用保険)」の残高は、過去1年間に渡って給与から控除してきた金額の合計となります。
前回解説した「労働保険の年度更新」において計算された概算保険料など納付金額の一部をこの「預り金(雇用保険)」の残高で充当し、残りを会社負担分として「法定福利費」などの科目で費用計上します。
上記の仕訳により「預り金(雇用保険)」は相殺されていったんゼロとなります。
そして再び、次の給与から控除された「雇用保険料」が「預り金(雇用保険)」に計上されてゆき、翌年の「労働保険の年度更新」においてまた同じ処理を行ってゼロになる、というサイクルが繰り返されます。
この会計処理が優れているのは、キャッシュ(お金)の動きと同じタイミングで仕訳をするのでとても分かり易いという点です。
これまで解説してきた他の「預り金」(「所得税」など)も納付のタイミングで相殺の処理していましたので、同じように理解することができると思います。
その一方デメリットとして、納付と会計処理が毎月行われる他の「預り金」と異なり年に1回の処理となってしまうため、期間損益計算を正しく行うという観点からはあまり望ましくないということがあります。
そのような(3)の欠点を補うのが、(1)や(2)のタイミングでの会計処理です。
いずれも「労働保険の年度更新」すなわち納付する時以外の処理となるため、キャッシュの動きのない仕訳となります。
簿記の教科書に出てくる「費用の見越し・繰り延べ」に関する処理に近い感じなのですが、特に(1)ではそれよりも若干複雑な処理をすることもあります。
という訳で次回は(3)以外のタイミングでの会計処理について解説したいと思います。
今回はここでゲームセット!
今日も早く仕事を終えて自主トレだ!!
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