経理界のホームラン王?! ノボルの経理スコアブック

うわっ...私の手取り、低すぎ...?

どうも、野球大好き経理マンのノボルです!


前回のコラムでは、今年の高校野球・夏の甲子園大会が記念すべき第100回目の大会であるとお話いたしましたが、実はこのコラム、前回が記念すべき第150回目でした。
この「ノボルの経理スコアブック」をご愛読いただいております皆様、本当にありがとうございます!
正直、連載開始当初はここまで続けられると自分でも思っておりませんでしたので、とても嬉しく感じております。
実は今年の甲子園大会には私の母校も出場しておりまして先日見事初戦に勝利、それもあわせてダブルで嬉しい8月となりました。
今後も皆様により楽しんでいただけるコラムを目指して精進いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします!

さて、皆さんはご自分のお給料の明細をじっくりご覧になられていますでしょうか?

給与明細をあまり見ていらっしゃらないという方でも、会社から提示されているお給料の額と実際に受け取っている金額にはかなりの差があることにお気付きではないかと思います。
給与明細は基本的に「勤怠」「支給」「控除」という3つの項目に分かれていますが、皆さんがもらえると思っているお給料の金額は「支給」項目に記載されています。
しかしその「支給」項目の金額から「控除」項目に記載された金額を差し引いた額が実際に受け取る金額、いわゆる「手取り」となります。
個人的な例で恐縮ですが、手元にありました私の給与明細を見てみますと「支給」項目の合計金額と比較して手取り金額は4分の3近くまで減ってしまっています。
この減少の幅は人によってそれぞれ異なりますが、多くの方がかなりの割合で減ってしまっていることでしょう。

さてこの「控除」項目ですが、主に以下のようなもので構成されています。

・健康保険料
・厚生年金保険料
・雇用保険料
・所得税
・住民税

「控除」項目も会社や人によって様々ですが、サラリーマンの方であれば上記の5つはほぼ給与明細に存在していると思われます。
ではそれぞれの項目について簡単にご説明します。

まず「健康保険料」と「厚生年金保険料」ですが、一般に「社会保険料」と呼ばれているものです。
サラリーマンの場合、勤務先の会社が何らかの健康保険組合ないしは全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入しています。
そしてそれらの健康保険組合又は「協会けんぽ」の発行する健康保険証によって、私たちは保険診療を3割負担で受診することができています。
その保険診療を支えているのが、私たちの給料から控除されている「健康保険料」であるという訳です。
「厚生年金保険料」については言わずもがなですが、これを納付していくことで私たちは将来国から年金を受け取ることができます。
この「健康保険料」と「厚生年金保険料」の共通点は、いずれも「労使折半」であるということです。
これは私たちの給料から控除されている「健康保険料」「厚生年金保険料」の金額と同額を会社も負担している、ということです。
例えば給料の総支給金額が24万円の人の場合、「健康保険料」と「厚生年金保険料」は以下のようになります。(2018年8月現在、「協会けんぽ」(東京都)の場合)

・健康保険料   : 合計23,760円 ⇒ うち半額の11,880円を給料から控除、残りの半額11,880円は会社が負担
・厚生年金保険料 : 合計43,920円 ⇒ うち半額の21,960円を給料から控除、残りの半額21,960円は会社が負担

上記のように計33,840円が給料から差し引かれるので、この時点で手取り額は240,000円から206,160円にまで減ってしまいます。
しかしさらに恐ろしいのは、同額の33,840円をプラスして会社が負担した上で納付をしているということです。
会社側から見れば、24万円の給料の人であっても実際に負担している人件費は33,840円を加えた273,840円となります。
つまり会社からすれば27万円以上も人件費を負担しているにもかかわらず、本人の手元には20万円余りしか残らない、という訳です。
「社会保険料」に関しては「控除」項目で差し引かれている金額の実質倍の金額を負担していると考えて良いでしょう。
ちなみに40歳以上65歳未満の方は、これに加えて「介護保険料」が同じく「労使折半」で徴収されることになっています。

「雇用保険料」については、失業保険などの原資となるもので国に納付します。
こちらも「社会保険料」と同様給料からの控除に加えて会社も負担しますが、こちらは折半ではなく会社の方が多く負担しています。
また会社は「雇用保険料」だけでなく「労災保険料」も負担して合わせて納付することになります(「労災保険料」の給料からの控除はありません)。

そして「所得税」と「住民税」ですが、こちらは言うまでもなく私たちの納める税金です。
いずれも会社がいったん社員の給料から控除して、「所得税」は会社の管轄の税務署に、「住民税」はそれぞれの社員が住んでいる市町村に納付します。
これら税金は「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」とは異なり、会社負担分はなく給料から控除した金額をそのまま納めています。

さてこのような「控除」項目、給料の仕訳をする際には全て同じ勘定科目を使用することが多いのですが、それが「預り金」という負債の科目となります。
次回はその「預り金」について給料の仕訳例などをあげながら解説してまいりたいと思います。

今回はここでゲームセット!
今日も早く仕事を終えてナイターへ!!

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