資産と費用(78) ~勤務費用・利息費用 計算方法~
どうも、野球大好き経理マンのノボルです!
プロ野球ではキャンプインから一週間が経過して2クール目のスケジュールを消化している所です。
清宮選手など昨年のドラフト会議で指名された新人選手たちに注目が集まっていますが、今年はその他にもキャンプを新天地で迎えたベテラン大物選手たちの動向からも目が離せません。
入団テストを経て中日に加入した松坂投手、古巣・西武に15年ぶりに復帰した松井選手、そしてキャンプ直前にメジャーから電撃復帰したヤクルト・青木選手、といずれも日本のみならずアメリカでも活躍した名選手ばかりです。
全盛期と比較すれば力は衰えているのかもしれませんが、その経験や姿勢から若い選手たちは大いに学ぶことが出来ますし、それは必ずチームを良い方向へと変えていくことにつながると思います。
松坂投手たちの今シーズンの活躍と共に、各所属球団の飛躍にも期待したいですね!
「負債」を大きなテーマに、様々な「引当金」についてお話しております。
今回も引き続き「退職給付引当金」の計算方法の概要を解説してまいりたいと思います。
前回、以下の「退職給付費用」の計算式をご紹介いたしました。
退職給付費用 = 勤務費用 + 利息費用 - 期待運用収益
前回はここに登場する3つの要素のうち「期待運用収益」の求め方について触れました。
今回は残りの2つ「勤務費用」と「利息費用」の算出方法をお話しいたします。
まず「勤務費用」ですが、その言葉の定義は以下のようになっています。
「退職給付費用のうち、当期の労働の対価として発生したと認められるもの。
退職給付債務は期末までに発生している給付額であるが、勤務費用は1年分の給付額である。(以下省略)」(会計用語辞典(日経文庫))
つまり当期中の1年間社員が働いたことによりその働きに対する退職金がどれだけ増えたか、というのが「勤務費用」です。
例えば20歳で入社して40年間勤務し60歳で定年、退職金を4,000万円受け取る予定の社員がいるとします。
その場合4,000万円÷40年=100万円を毎年「勤務費用」として計上していき、定年の段階で「退職給付債務」が4,000万円積み上がっている、という感じです。
この例だけですと簡単なように見えるかもしれませんが、当期の「勤務費用」を正しく会計計上するためにはここからさらに現在価値への割引計算が必要となってきます。
割引計算については前々回もお話いたしましたが、当期に発生した「勤務費用」100万円を実際に支払うのは定年の時という将来であり、その支払時の100万円と現時点での100万円の価値は同じではありません。
具体的に言えば、退職金を支給するまでの期間の金利を考慮して、その分を100万円から差し引いた金額を当期の「勤務費用」として会計計上することになります。
見込まれる金利が年利5%で5年後に退職金を支給するのであれば、「100万円÷1.05÷1.05÷1.05÷1.05÷1.05=783,526円」というように「勤務費用」を計算します。
実務上この割引計算により「勤務費用」の算出は複雑となりますが、簿記などの試験で出題される際は「勤務費用は○○万円」というように問題文でそのまま金額を与えられることが多いです。
次に「利息費用」について、その定義は以下の通りです。
「期首時点の退職給付債務から時の経過とともに生じた1年間の計算上の利息のこと。
期首の退職給付債務額に割引率を乗じて算出する。(以下省略)」(会計用語辞典(日経文庫))
先ほどの「勤務費用」のご説明の中で、毎年「勤務費用」を計上することで「退職給付債務」が積み上がっていくことをお話いたしました。
そしてその毎期計上される「勤務費用」は現在価値に割り引かれたものであることもお話しました。
ということは、積み上がっている「退職給付債務」も割引計算されている金額の合計である、ということがお分かりになるかと思います。
上記の年利5%で5年という例で言えば、100万円支給するための「退職給付債務」は78万円位しかありません。
そこでその差を埋めるために「利息費用」が登場します。
この例の場合であれば、「783,526円×5%=39,176円」を「利息費用」として計上し、その分「退職給付債務」が積み上がります。
そしてその翌年は「(783,526円+39,176円=822,702円)×5%=41,135円」を「利息費用」に計上、という処理を毎年繰り返し行っていくことで、最終的に定年の時には「退職給付債務」が100万円になっているという形です。
1年前の「現在価値」であった「退職給付債務」の金額を、当期の現時点すなわち本来の意味での「現在価値」の金額に計算し直すために計上されるのが「利息費用」である、とご理解頂ければと思います。
「退職給付費用」の計算の解説は以上といたしますが、実は「退職給付引当金」の計算にはまだまだ難しい論点が残されています。
次回はその論点である「未認識債務」についてお話いたしたいと思います。
今回はここでゲームセット!
今日も早く仕事を終えて自主トレだ!!
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