資産と費用(73)
どうも、野球大好き経理マンのノボルです!
稲葉篤紀新監督率いる新生侍ジャパンがいよいよ動き出しましたね。
まずは初陣として若手選手中心のチームでアジアプロ野球チャンピオンシップ2017に挑みました。
結果は3連勝で見事優勝、今大会の初代王者に輝きました!!
初戦こそ投手陣が打ち込まれて苦しみましたが、第2戦・第3戦は投打が噛み合い圧勝という形になりました。
打線ではMVPとなった外崎選手をはじめ近藤選手や西川選手が大活躍、投手陣では今永投手・田口投手の若き両左腕の快投が特に印象的でした。
来年の3月には今度はフル代表での強化試合が予定されていますが、これら若き侍がトップ選手たちにどこまで迫れるのか、今からとても楽しみですね!
今回も前回に引き続き「貸倒引当金」についてお話いたしたいと思います。
前回までで「貸倒引当金」の計算方法として、「一般債権」及び「貸倒懸念債権」に対する「貸倒引当金」について解説してまいりました。
今回は残されました「破産更生債権等」における「貸倒引当金」の計算方法をご紹介いたします。
「破産更生債権等」については、「金融商品に関する会計基準」で以下のように規定されています。
「破産更生債権等については、債権額から担保の処分見込額及び保証による回収見込額を減額し、その残額を貸倒見積高とする。」
上記をお読みになって気付かれた方もいらっしゃるかと思いますが、前回お話した「貸倒懸念債権」の規定でも同じような文章がありました。
それは「貸倒懸念債権」に対する「貸倒引当金」の2つの計算方法の中の「財務内容評価法」の説明で、かなり類似した内容になっています。
と言う訳で、実は「破産更生債権等」に対する「貸倒引当金」の計算方法も「財務内容評価法」と呼ばれており、その計算自体ほぼ同じように行われます。
実務上は前回少し触れたように「貸倒懸念債権」では「債務者の財政状態及び経営成績を考慮」する手順が必要となりますが、「破産更生債権等」の場合は担保の処分見込額などを差し引いた残額の全てをそのまま「貸倒引当金」に計上することになります。
ですので、計算方法としては割と単純なものであると言えます。
以上が会計上の「貸倒引当金」の計算方法となります。
では税務上の「貸倒引当金」ではどのような点が異なるのでしょうか。
まず会計では対象となる債権を「一般債権」「貸倒懸念債権」「破産更生債権等」の3つに区分していましたが、税務上では以下の2種類に区分します。
(1)個別評価金銭債権
「その一部について回収不能が見込まれるもので、債務者ごとに回収不能見込額を算定する」
(会計用語辞典(日経文庫))
(2)一括評価金銭債権
「法人税法における貸倒引当金の対象となる債権のうち、売掛金、貸付金その他これらに
準ずる金銭債権で、個別評価金銭債権を除いたもの。
(中略)過去3年間の貸倒実績率を乗じることにより貸倒引当金の繰入限度額を計算する。」
(会計用語辞典(日経文庫))
細かい点は異なりますが、ざっくりと「個別評価金銭債権」が会計上の「貸倒懸念債権」と「破産更生債権等」に該当し、「一括評価金銭債権」が「一般債権」に当たるといった認識でよろしいかと思います。
税務上の「貸倒引当金」については、まず会計上の「貸倒引当金」を計算し、その金額のうち税務上「繰入限度額」とされる金額を上限として損金に計上することが出来ます。
この税務上の「繰入限度額」の計算は会計上の「貸倒引当金」算出方法と似ていますが、以下のような部分が異なっています。
・「貸倒懸念債権」に該当する「個別評価金銭債権」に対する「貸倒引当金」の設定率は50%に定められている
・「一括評価金銭債権」に対する「貸倒引当金」の設定率は、「貸倒実績率」の他に「法定繰入率」を用いることが認められる会社もある
「法定繰入率」については、いわゆる中小法人の一部や公益法人などのみに認められている特例で、業種によって定められている率を貸倒れの実績に関わらず用いることが出来ます。
「貸倒引当金」のお話は今回で一区切りといたしまして、次回はその他の「引当金」についてとりあげてまいりたいと思います。
今回はここでゲームセット!
今日も早く仕事を終えて自主トレだ!!
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