資産と費用(60)
どうも、野球大好き経理マンのノボルです!
ちょうど一週間前のことですが、ヤクルト・由規投手が約5年半ぶりに巨人戦での勝利を挙げました。
2012年の故障から昨シーズン久々に一軍復帰し2勝3敗という成績を残していましたが、まだまだ本来の投球ではなかったように感じていました。
しかし先週の巨人戦では7回2安打無失点と素晴らしいピッチングを見せてくれました。
由規投手と言えば2010年に当時の日本人投手最速である161キロを出した剛速球が魅力ですが、この試合では直球が最速152キロを計測しかなり復活してきているようです。今シーズンでプロ入り10年目となる由規投手、怪我で少し遠回りしてしまいましたがここからの更なる飛躍を期待しています!
今回も前回に引き続き「繰延資産」についてお話いたしたいと思います。
前回の最後に問題提起いたしました「繰延資産」と「(長期)前払費用」との違いについて、まずは両者の定義を比較してみましょう。
【繰延資産】
「対価の支払が完了し、または支払義務が確定し、対応する役務の提供を受けたが、その効果が将来にわたり発現すると期待される費用につき、効果が及ぶ期間に合理的に費用配分するため、経過的に資産として計上するもの。(以下省略)」(会計用語辞典(日経文庫))
【前払費用】
「継続して役務の提供を受ける際、未だ提供を受けていない役務に対し支払を行う場合に生じる勘定科目。(以下省略)」(会計用語辞典(日経文庫))
上記の通り、「繰延資産」も「(長期)前払費用」もその支払がすでに発生しているという点では共通しています。
しかし異なるのが「役務の提供」を受けているか否かについてです。「繰延資産」では「役務の提供」を受けているのに対し、「(長期)前払費用」については「役務の提供」をまだ受けていません。「(長期)前払費用」の「資産」たる所以はまさにその「役務の提供を受けていない」部分であり、今後役務の提供を受けることが出来る「権利」であると言えます。
「繰延資産」と「(長期)前払費用」の相違点についてはお分かり頂けたかと思いますが、ここでまた一つ疑問が出てきます。「繰延資産」はすでに「役務の提供」を受けている訳ですから、やはり「資産」と言うよりは「費用」ではないのか、という点です。
そこでもう一度「繰延資産」の定義を読んで頂きますと、「その効果が将来にわたり発現すると期待される」と書かれています。つまり「役務の提供」を受け終わってもその効果が長い期間に及ぶと言うことであり、その点こそが「繰延資産」が「資産」である理由なのですが、これまでにもこの考え方に近いものがありましたよね。
そう、減価償却資産です。さらに言えば「繰延資産」は基本的には形のないものですので、特に「無形固定資産」と似通っていると考えられます。
では今度は「繰延資産」と「無形固定資産」の違いについて考えてみましょう。こちらに関しては「無形固定資産」がどういったものだったかを思い出して頂けると良いのではないかと思います。
まず「無形固定資産」の多くは法律上の「権利」ですので、そもそも誰かから「役務の提供」を受けるという類のものではありません。またもう一つの主要な「無形固定資産」である「ソフトウェア」については一見「役務の提供」のような感じもしますが、目に見えていないというだけでその実体は「プログラム」という一種の「モノ」の購入とも言えます。
と言う訳で「繰延資産」と「無形固定資産」の違いは、それぞれの「資産」によって発生する効果の源泉が「役務の提供」によるものであるのかそうではないのかという点になります。
このように「(長期)前払費用」とも「無形固定資産」とも似ているようで少し違う「繰延資産」ですが、その会計処理はどのように行うのでしょうか。
次回はそちらをテーマにお話してまいりたいと思います。
今回はここでゲームセット!
今日も早く仕事を終えてナイターへ!!
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