資産と費用(59)
どうも、野球大好き経理マンのノボルです!
先日、巨人の菅野投手が3試合連続完封勝利を果たしましたが、本当に凄かったですね。
元々素晴らしい投手だとは思っていましたが、今年のWBC準決勝のアメリカ戦を経験して今シーズンはさらに一皮向けた感じがします。
ちなみにこの3試合連続完封というのは、セ・リーグでは同じく巨人の斎藤雅樹投手以来28年ぶりの快挙ということです。
私も子供の頃その斎藤投手の活躍をテレビで見ていましたが、この当時の斎藤投手は全く負ける気がしない位の安定感のあるピッチングでした。
斎藤投手はこの3連続完封を含む日本記録の11連続完投勝利を達成、さらにその年と翌年の2年連続で20勝と飛び抜けた成績を収めています。
今シーズンの菅野投手には「平成の大エース」と呼ばれた斎藤投手にも負けないピッチングを期待したいですね!
長きに渡ってお届けしております「資産と費用」シリーズですが、いよいよ最終章となります。
これまで貸借対照表の「資産の部」の上から順番に「流動資産」「固定資産」と見てまいりました。
そして今回から最後に取り扱うのが「資産の部」の一番下に鎮座する「繰延資産」です。
「資産の部」の最下部という位置から最後になってしまいましたが、ある意味「資産と費用」という主題に最も即しているのが「繰延資産」であるとも言えます。
それは何故なのか、まずは「繰延資産」の定義を見てみましょう。
「対価の支払が完了し、または支払義務が確定し、対応する役務の提供を受けたが、その効果が将来にわたり発現すると期待される費用につき、効果が及ぶ期間に合理的に費用配分するため、経過的に資産として計上するもの。(以下省略)」(会計用語辞典(日経文庫))
簡単に言ってしまうと、ある特定の費用を各期に配分するため一旦資産として計上したものが「繰延資産」です。
ですので、「繰延資産」の正体はそもそも費用であるということです。
現在会計上で「繰延資産」とされるものは以下の5つに限定されていますが、その名称を見て頂ければ元が費用であることは一目瞭然です。
・創立費
・開業費
・開発費
・株式交付費
・社債発行費
このように全て「~~費」というネーミングとなっており、これだけ見るとむしろ費用以外の何物でも無いように思われます。
例えば一番上の「創立費」ですが、以下のような定義になっています。
「設立に際し支出する費用(事務所の賃借料、定款・目論見書等の作成費用、設立事務に関係する費用等)のうち定款により会社負担を定めた額、発起人に対する報酬及び設立登記の登録税等を創立費(または創業費)という。(以下省略)」(会計用語辞典(日経文庫))
つまり会社を設立する際に支払った費用全般が「創立費」という訳なのですが、では何故会計上費用ではなくわざわざ「繰延資産」として資産計上するのでしょう?
上記の「繰延資産」の定義には「効果が及ぶ期間に合理的に費用配分するため」に資産計上するとありますが、だとしたら以前同じような資産についてお話ししたと思います。
そう、「前払費用」です。
確かに会社設立のための支出であるならば、その会社が存在している限り長い期間に渡って効果が及んでいると考えることが出来ます。
ですのでまず資産に計上して以降の各会計期間において費用に振替えていく、という方法はこれまでの「資産と費用」シリーズで解説してきた様々な処理と基本的には同じです。
さらに「繰延資産」はすでに「対価の支払が完了」している費用ということですから、それならば「前払費用」ないしは「長期前払費用」とどこが違うのでしょうか?
次回はこの「繰延資産」と「(長期)前払費用」との違いについてのお話から始めたいと思います。
今回はここでゲームセット!
今日も早く仕事を終えてナイターへ!!
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