資産と費用(54)
どうも、野球大好き経理マンのノボルです!
いよいよWBC開幕まで一週間となりました。
我らが侍ジャパンも先週末のソフトバンクとのオープニングマッチを皮切りに、昨日今日は台湾選抜チームとの壮行試合と本番モードに突入しています。
今回の大会に向けては、監督の采配や代表選手の選考などについて外野からの声が色々と大きかった印象がありました。
しかし実際に戦うのは他でもない侍ジャパン一人ひとりの選手たちであり、監督・コーチをはじめとするスタッフの方々です。
私たちファンは彼らの底力を信じて、全力で応援していきましょう!!
今回も引き続き「減価償却」に関わるお話をしていきたいと思います。
前回は固定資産の「売却」における処理について解説いたしました。
今回も引き続き「売却」をとりあげますが、前回とは異なり不要になった固定資産をただ売るだけではなく、同時に新しい固定資産を買うケースについて見ていきたいと思います。
このことを会計や簿記の用語では、固定資産の「買換え」と言ったりします。
そして実務でも簿記の問題でも良く登場する「買換え」の例が、自動車(社用車)の「買換え」です。
個人的に自動車をお持ちの方であればお分かりかと思いますが、自動車は走行距離が一定以上になれば処分することになります。
しかしその際完全に廃車にしてしまうのではなく、中古車業者などに売却することも少なくありません。
そしてそれとほぼ同時に次に乗るための自動車を購入するのが普通でしょう。
もちろん会社においても同様のことが起こり得ることはご想像頂けるかと思います。
営業に使っていた自動車を古くなって処分したからと言って、営業をしなくなく訳ではありませんので当然次の営業車を購入しますよね。
そしてその場合、前回見た「売却」とは少し異なる会計処理をすることになっています。
以下具体例をあげて見てみましょう。
【例】
平成29年9月30日、以下の社用車を216,000円(消費税込み)で下取りに出し、新たに1,296,000円(消費税込み)の自動車を購入、差額を現金で支払った。
なお、下取りに出した社用車の時価は150,000円(消費税抜き)であった。
取得原価:1,000,000円、耐用年数:5年、償却率:0.400(200%定率法)、期首減価償却累計額:640,000円(間接法で記帳)
※会計期間は、4月1日~3月31日
【仕訳】
車両運搬具 1,150,000 / 車両運搬具 1,000,000
減価償却累計額 640,000 / 現金 1,080,000
減価償却費 72,000 / 仮受消費税 16,000
仮払消費税 96,000 /
固定資産売却損 138,000 /
下取りに出す(売却する)自動車については、前回の【例】と同じデータを使っています。
しかしそれが「買換え」になるだけで、かなり仕訳が複雑になっていることが感じられると思います。
ただ、下取り(売却)の部分に関しては、基本的には前回の仕訳と一緒です。
貸方に下取りに出した自動車の取得原価である1,000,000円、借方にその自動車の期首減価償却累計額640,000円をそれぞれ持ってきて、貸借対照表上の金額を消去します。
そして期首から下取りに出すまでの期間の減価償却費を計算し、借方に計上します。
ここまでは前回と全く同じです。
そしてここからが「買換え」の仕訳のポイントです。
前回は単純に売却価格と帳簿価額(会計上残っている価値)との差額から「固定資産売却損(または売却益)」を計算していましたが、「買換え」ではそう単純にはいきません。
実は上記【例】の中にさりげなく書いてあった「なお、下取りに出した社用車の時価は150,000円(消費税抜き)であった」という文章がキーになります。
「買換え」の会計処理では、下取り価格が「時価」すなわち市場価格より高かった場合、その差額は新しく購入した固定資産の値引き分だと考えるのです。
上記【例】では下取り価格が20万円(消費税抜き)で時価が15万円(消費税抜き)ですので、その差額5万円を新しく購入した自動車の値引きとします。
ですので、新規購入の自動車の取得原価は購入価格である120万円(消費税抜き)から5万円を差し引いた115万円として計上することになります。
(上記【仕訳】の借方1行目がそれに当たります)
さらに「固定資産売却損」については、下取りに出す自動車の帳簿価額(会計上残っている価値)と時価15万円との差額で計算します。
具体的には以下の数式で算出します。
150,000【時価】-(1,000,000-640,000-72,000)【帳簿価額】= ▲138,000
前述の通り、前回の単純な「売却」のケースでは売却価格である20万円との差額で計算していました。
「買換え」の場合、そこが時価である15万円に入れ替わっている、という形になっています。
さて、ここ数回に渡っては固定資産を手放す場合における処理を見てまいりました。
次回は所有している固定資産を修理したり改良したりした場合どのような会計処理が必要となるのか、そういったお話をしてまいりたいと思います。
今回はここでゲームセット!
今日も早く仕事を終えて自主トレだ!!
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