資産と費用(19)
どうも、野球大好き経理マンのノボルです!
プロ野球はレギュラーシーズンの全日程が終了し、CSも今日から第2ステージが始まります。
日本一をどの球団が手にするのかはまだわかりませんが、今年もCS・日本シリーズで名勝負が繰り広げられることを期待しましょう。
そしてもうひとつ忘れてはならないのが、10月22日に開催されるドラフト会議です。
例年以上に盛り上がった夏の甲子園大会で活躍した高校生たちだけでなく、今年は大学生にも注目選手が多く、かなりレベルの高いドラフトになりそうです。
レギュラーシーズンが終わってちょっと寂しい気もしましたが、まだまだ野球を楽しんでいきましょう!
今回も前回に引き続き「費用性資産」の例として「製品」をとりあげます。
「資産と費用(14)」から前回の「資産と費用(18)」まで計5回にわたって、「製造原価報告書」について解説してまいりました。
「製造原価報告書」の最後で「当期製品製造原価」が求められ、ようやく本題の損益計算書に戻ることが出来ます。
Ⅰ 売上高 XXX
Ⅱ 売上原価
1.期首製品棚卸高 XXX
2.当期製品製造原価 XXX
合 計 XXX
3.期末製品棚卸高 XXX XXX
売上総利益 XXX
上記は「資産と費用(13)」の回で紹介したメーカーの損益計算書の冒頭から売上総利益までの部分です。
ここまで来ましたら、考え方は以前に解説した商品売買を行う会社の損益計算書と同じです。
仕訳としては以下のようになります。
期首製品棚卸高 ○○○ / 製品 ○○○
売上原価 ○○○ / 期首製品棚卸高 ○○○
売上原価 △△△ / 当期製品製造原価 △△△
期末製品棚卸高 ××× / 売上原価 ×××
製品 ××× / 期末製品棚卸高 ×××
上記の仕訳の中で、○○○円は前期末の貸借対照表(ないしは当期の決算整理前残高試算表)の「製品」の金額、そして△△△円は当期の「製造原価報告書」における「当期製品製造原価」の金額です。
結果、当期の財務諸表に表示されるのは、貸借対照表に「製品」が×××円、損益計算書に「売上原価」が(○○○+△△△−×××)円となります。
なのですが、さらに前回まで解説したとおり「製造原価報告書」の作成過程でもう2種類の貸借対照表科目が登場しています。
「Ⅰ 材料費」の箇所で「期末材料棚卸高」から振替えられた「原材料」と、「当期総製造費用」から「当期製品製造原価」を計算する過程で「期末仕掛品棚卸高」から振替えられた「仕掛品」です。
まとめますと、メーカーの売上原価算定においては、製造工程ごとに「原材料」「仕掛品」「製品」という3種類の「費用性資産」が登場します。
「原材料」を加工して「仕掛品」となり、さらにそれを完成させると「製品」に、最終的に販売されると「売上原価」すなわち費用に計上される、という流れです。
商品売買の会社と比較すると何段階も多くの計算がされるので、結構複雑だと思います。
特に「製造原価報告書」の中にはたくさんの費用が登場しますが、これらは全て最終的に「売上原価」に集計される内容である、ということを理解することが重要です。
例えば「減価償却費」などは「製造原価報告書」の「Ⅲ 経費」にも損益計算書の「販売費及び一般管理費」にも同じように記載されていますが、「製造原価報告書」の方はあくまで製品の製造コストに含まれるものですので、「販売費及び一般管理費」ではなく「売上原価」の一部となります。
以上で「費用性資産」のひとつである「製品」の解説を終わりといたします。
前回もお話ししたように、メーカーの売上原価算定の流れは文字だけではイメージしにくいものですので、是非図解を用いて解説している書籍などをご一読頂ければと思います。
今回はここでゲームセット!
今日も早く仕事を終えてナイターへ!!
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