どうも、野球大好き経理マンのノボルです！

12月に入り、プロ野球のFA移籍などもとりあえず落ち着きを見せてきています。
今年特に注目されていたオリックスの金子投手も、結局チームに残留ということになりそうです。
そんな中まだ先行きがはっきりしないのが、海外FA宣言をした阪神の鳥谷選手です。

今や球界を代表する選手ですから、個人的には日本に残ってもらいたいとも思うのですが、日本人ではなかなか成功例の少ない内野手としてメジャーリーグで活躍する姿も見てみたいという気持ちもあります。
いずれにしましても、鳥谷選手には悔いの残らない選択をしてもらいたいものですね。

今回も前回に引き続き「福利厚生費」についてお話いたします。

【ケース６】
J株式会社では年一回全社員を対象に社員旅行を開催している。
平成26年は12月4日〜12月7日（3泊4日）の期間で国内旅行を行うこととした。
平成26年12月3日、旅行代理店に対し今回の社員旅行の代金を以下の通り現金で支払った。

旅行代金合計：2,160,000円
参加人数：全社員25名のうち20名
一人当たり費用：108,000円
上記のうち社員負担金額：54,000円（11月給与にて回収済み）

【会計処理】
福利厚生費　1,000,000　／　現金　2,160,000
仮払消費税　　 80,000　／
預り金　　　1,080,000　／

【解説】
今回は社員旅行についてです。
社員旅行の費用を給与課税せず「福利厚生費」として処理するためには、いくつかの条件があります。

まず大前提として「少額不追及の趣旨を逸脱しないものである」ことが必要です。
少し難しい表現ですが、簡単に言うと常識の範囲内の金額であるか、ということです。

例えばファーストクラスで海外旅行、などというのは社員旅行としてはさすがに豪華すぎますよね。
ただ実際問題、どこまでがOKでどこからがアウトなのかの線引きははっきりとしていません。

今回のケースですと3泊4日で一人10万円なのでそれ程高額ではありませんし、社員自身が半額負担しているので会社の負担額は一人当たり5万円となり、十分に少額であると言える範疇です。

そしてその他の条件としては、以下の2点があります。
（１）旅行の期間が4泊5日以内であること
（２）旅行に参加した人数が全体の人数の50％以上であること

今回のケースではどちらも満たしていますので、「福利厚生費」での処理となります。

なお、社員が何千人や何万人もいるような大会社では（２）の条件が難しいのでは？という疑問もあるかと思います。

これにつきましては、会社全体でなくても工場や支店ごとで行う社員旅行でも認められています。
そしてその場合は、その職場ごとに（２）の条件をあてはめることとなります。

なお上記の条件を満たしていたとしても、役員だけで行う旅行や取引先に対する接待目的で行う旅行などは、「福利厚生費」での処理は認められず、税務上「役員賞与」や「交際費」などとして処理することになります。

また、会社の業務の一環として行う研修旅行に関する費用については基本的に給与課税されませんが、費用の性質上従業員の福利厚生目的とは少し異なりますので、「会議費」や「旅費交通費」などで処理することが一般的です。

さらにこの研修旅行の場合、ただの慰安旅行ではないということが示せないと税務調査で否認される恐れもありますので、研修スケジュールや研修報告書などきちんと研修を行ったという証憑を作成し、保存しておくことも必要となります。

今回はここでゲームセット！
今日も早く仕事を終えて自主トレだ！！