旅費交通費(6)
どうも、野球大好き経理マンのノボルです!
今オフの最大の話題であった楽天・田中将大投手のメジャーリーグ挑戦ですが、ポスティング制度の問題が二転三転した結果、結局来年は楽天に残留ということになりそうです。
ポスティング制度自体にも色々と問題がありますし、楽天という球団の立場からは仕方のない結論なのかもしれませんが、個人的には田中投手本人の希望を叶えてあげたかったですね...
今回は前回の【ケース4】の解説の続きといたします。
【ケース4】
X月10日からX月20日までAさんはアメリカの支社へ海外出張した。
後日、Aさんに対しこの出張に係る以下の経費を精算した。
(Aさんの銀行口座へ普通預金より振り込んだ)
・国際航空運賃(往復)... 150,000円
・海外旅行保険料 ... 5,000円
・現地でのホテル宿泊代 ... 800ドル
・現地でのタクシー代 ... 100ドル
・現地での会食代 ... 300ドル
・自宅から成田空港までの電車賃 ... 3,000円
・成田空港旅客サービス施設使用料 ... 2,040円
・手土産代(日本国内で購入) ... 20,000円
・日当 ... 100,000円
※1ドル=100円として計算する
【会計処理】
旅費交通費 150,000 / 普通預金 400,040
保険料 5,000 /
旅費交通費 80,000 /
旅費交通費 10,000 /
交際費 30,000 /
旅費交通費 2,858 /
仮払消費税 142 /
旅費交通費 1,943 /
仮払消費税 97 /
交際費 19,048 /
仮払消費税 952 /
旅費交通費 100,000 /
【解説】
今回はこのケースでの消費税処理についてお話していきます。
海外出張の場合、その出費の多くには消費税はかかりません。
何故ならば、以前消費税の回でお話したことのある消費税の課税対象となる要件のひとつ、「国内において行われたものであること」にあてはまらない取引が多いためです。
このケースですと、現地でのホテル代・タクシー代・会食代、そして日当がこれに当てはまります。
現地でのホテル代・タクシー代・会食代は言わずもがな当然アメリカでの消費ですので課税対象外です。
また日当についても前々回でお話しましたように、出張先での食事代や諸々の支出に対する補助という性質を持ちますので、アメリカでの消費を想定した経費であり課税対象外です。
このような海外での出費はいわゆる「不課税取引」にあてはまります。
上記以外で海外出張で発生する消費税のかからないものとしては、国際航空運賃があります。
これは日本の空港からアメリカの空港までの運賃ですので、国内と海外にまたがった取引とみなされます。
そしてそういった取引は「輸出取引等」とされ、消費税の課税対象ではあるのですが免除される、というちょっとややこしい取引に該当します。
いずれにしましても消費税はかからず、「免税取引」と呼ばれます。
(消費税増税が話題だった時にメディアでよく取り上げられていた「輸出戻し税」がこれに関わってくるのですが、詳しくはまたいずれ機会があればお話したいと思います)
そしてこのケースでもうひとつ消費税がかからないのが、海外旅行保険料です。
これも国内と海外にまたがる取引となるのですが、保険料は「非課税取引」に該当するため消費税がかかりません。
このように同じ海外出張で消費税がかからなくても、「不課税」「免税」「非課税」が入り混じってなかなか難しいのですが、経理担当者としてはどれが消費税がかからない取引なのか、という判断くらいは最低限出来るようにすると良いと思います。
このケースでのそれ以外の取引は基本的に消費税がかかります。
成田空港旅客サービス施設使用料などは航空運賃と同じ処理をしてしまいがちなので注意しましょう。
そしてもう一点、海外に手土産を持って行くケースなのですが、もしこの手土産を空港などにある免税店で購入している場合は注意です。
この場合、先程の「免税取引」に該当して消費税がかからないことがあります。
免税になる詳しい条件は以下の国税庁のページをご参照下さい。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6555.htm
次回は旅費交通費の最終回としてまとめのお話をしたいと思います。
今回はここでゲームセット!
今日も早く仕事を終えて自主トレだ!!
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