登山税理士チョモランマ先生の税理士徒然草
相続税雑感(アラカルト2)
こんにちは、税理士のチョモランマです。
梅雨本番の空模様が続きます。
先日15日(日)は朝から車で仕事先に出かけたのですが、休日になると郊外のアウトレットに向かう車で渋滞する国道が何故か空いています。
理由は皆様お解かりでしょうが、その日はワールドカップの日本の初戦の試合があった日、午前中はテレビ観戦の人が多かったとの事です。
何でも、最高視聴率は50.8%だったとか、二人に一人が観ていた事になる訳ですね。
さて、前回の続きです。
現在、アベノミクスの一つの方向性として、法人税の減税が議論されています。
国内企業の競争力を強化し、海外からの資本を呼び込む狙いだそうです。
法人税の税率は、数年前から段階的には下がってきてはいるのですが、更に一段の引き下げを行うという事なのでしょう(景気を上向かせた状態のままにしておかないと、次の消費税10%引上げがやりにくいのかもしれない…)。
企業をめぐる法人税については減税が議論されていますが、個人をめぐる相続税については前回触れましたが増税の方向が決まりました(因みに、個人をめぐる所得税については既に増税がなされている)。
相続税については、増税になると相続税を支払う事になりそうな対象者が増える訳ですから、当然そこが新たなマーケットとなります。
例えば、不動産会社や銀行は、土地持ちの地主の方に借金をしてアパート(特に、居住用)建てて節税対策をする様勧めてきます。
何故節税になるのか、多少の説明が必要でしょう。
土地を更地で所有していると文字どおりまんま評価されてしまいますが(何の減価要因も無い)、自分の土地に自分で建物を建てて貸していると土地の利用は制限されますから、評価はぐっと下がります(そうすると、地主の財産が目減りする訳で節税になる)。
それはいいが、アパートを建てるお金がありませんよ、という方が普通ですので、銀行が喜んで融資をしてくれます(そうすると、借金が増えて、言い換えればマイナスの財産が増えて節税になる)。
このスキームでは、「30年一括借上げ」型とかいって空き部屋があっても不動産会社がオーナー(地主)に家賃保証するシステムになっていますから、借入の返済も滞らずに、利息も稼げます。
不動産会社は自分の所で建物を施工するので売上増加につながりますし、完成物件の管理も引受けますから管理手数料収入も見込めます。
オーナー(地主)は不動産収入があるから、所得税を払うようになるのではと思われるかもしれませんが(相続税は回避されるが所得税を払うのでは元も子も無い)、億単位の借入れをして、アパートを建てると毎年の減価償却費や支払利息も相当な金額なので、ほぼ利益(所得)は出ない状態が続いていきます。
当事者(不動産会社、銀行、地主)にとってWINな関係と言えそうです。
それで、数年後には実際に相続が発生する…、といった所でしょうか。
続きは、次回に…
さて、今週の山の天気は…。
梅雨本番の空模様が続きます。
先日15日(日)は朝から車で仕事先に出かけたのですが、休日になると郊外のアウトレットに向かう車で渋滞する国道が何故か空いています。
理由は皆様お解かりでしょうが、その日はワールドカップの日本の初戦の試合があった日、午前中はテレビ観戦の人が多かったとの事です。
何でも、最高視聴率は50.8%だったとか、二人に一人が観ていた事になる訳ですね。
さて、前回の続きです。
現在、アベノミクスの一つの方向性として、法人税の減税が議論されています。
国内企業の競争力を強化し、海外からの資本を呼び込む狙いだそうです。
法人税の税率は、数年前から段階的には下がってきてはいるのですが、更に一段の引き下げを行うという事なのでしょう(景気を上向かせた状態のままにしておかないと、次の消費税10%引上げがやりにくいのかもしれない…)。
企業をめぐる法人税については減税が議論されていますが、個人をめぐる相続税については前回触れましたが増税の方向が決まりました(因みに、個人をめぐる所得税については既に増税がなされている)。
相続税については、増税になると相続税を支払う事になりそうな対象者が増える訳ですから、当然そこが新たなマーケットとなります。
例えば、不動産会社や銀行は、土地持ちの地主の方に借金をしてアパート(特に、居住用)建てて節税対策をする様勧めてきます。
何故節税になるのか、多少の説明が必要でしょう。
土地を更地で所有していると文字どおりまんま評価されてしまいますが(何の減価要因も無い)、自分の土地に自分で建物を建てて貸していると土地の利用は制限されますから、評価はぐっと下がります(そうすると、地主の財産が目減りする訳で節税になる)。
それはいいが、アパートを建てるお金がありませんよ、という方が普通ですので、銀行が喜んで融資をしてくれます(そうすると、借金が増えて、言い換えればマイナスの財産が増えて節税になる)。
このスキームでは、「30年一括借上げ」型とかいって空き部屋があっても不動産会社がオーナー(地主)に家賃保証するシステムになっていますから、借入の返済も滞らずに、利息も稼げます。
不動産会社は自分の所で建物を施工するので売上増加につながりますし、完成物件の管理も引受けますから管理手数料収入も見込めます。
オーナー(地主)は不動産収入があるから、所得税を払うようになるのではと思われるかもしれませんが(相続税は回避されるが所得税を払うのでは元も子も無い)、億単位の借入れをして、アパートを建てると毎年の減価償却費や支払利息も相当な金額なので、ほぼ利益(所得)は出ない状態が続いていきます。
当事者(不動産会社、銀行、地主)にとってWINな関係と言えそうです。
それで、数年後には実際に相続が発生する…、といった所でしょうか。
続きは、次回に…
さて、今週の山の天気は…。
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弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
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