融資を受けられるかどうかは、決算書に表れた数字で決まる
こんにちは、税理士のチョモランマです。
さて、今回は「融資を受けられるかどうかは、決算書に表れた数字で決まる」というテーマで、お話させて頂きます。
設立第2期目のL社は、今年度から私が顧問をさせて頂く事になりました。
皆様、不思議に思われたかも知れません。普通であれば、設立1期目からお世話している先生が引続き顧問をされるところでしょう。
税理士変更のきっかけは、L社の決算書のある部分が問題になり、社長の意向に沿った追加融資が難しくなってしまった事にあります。(L社は、現状でも、政策金融公庫から既に融資を受けています)。L社の社長は、元プロスポーツの選手で、会社設立以前から、個人事業主として所得税の確定申告をされている方です。
スポーツ解説などを事業内容とされているのですが、それとは別個で、いろいろな人の勧めもあり(と聞いています)、自らトレーニング指導をし、施設を運営する会社を設立した次第です。
ここからの数字は、仮のものです。
L社の決算書を見ると、政策金融公庫からの長期借入金(負債)700万とあります。設備投資資金として借入したのだろうという事が解ります(これは普通でしょう)。
地元の金融機関(信用金庫)の方に問題として指摘されたのは、社長への短期貸付金(資産)500万です。
数字だけで見ると、会社の設備資金として借りたお金を(借入の際には理由もはっきりさせないといけません)、個人口座に移して、個人事業の方に使っている、悪く言えば流用していると判断されても致し方ないとの事でした。社長本人に確認すると、そのような意識はなく、又、個人の口座にも移してはいないとの事です。
内容は、未精算の社長仮払いの様なもので、会社設立当初の支払諸々に使ったと思う、との話でした。私が、大変残念に思ったのは、決算を固める打合せで、何故お互いの意思の確認(コミュニケーション)をしなかったかという点です。勘定科目は「仮払金」でも良かったでしょうし、繰延資産の「開業費」ならもっと良かったと思います。
金融機関の融資担当者と、社長を交えて話し合った際に、実際には上記内容だから、今期に「開業費」に振替えて償却すると説明はしましたが、担当者には「確定した決算書の数字ですし...、先生の言う事も解りますが、もう1年分の決算(今期)の数字を見てから...」と渋られています。
第1期の決算書を作成された先生は、このような事態を少しでも想像されたでしょうか。後付で、大変なエネルギーを使って説明したところで、結局は、提出済の決算書の数字で判定されてしまうという事が身に染みた一件でした。
このお話は以上。
さて、今週の山の天気は...。
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