消費税を学ぼう!(12)~仕入控除税額とは?~
お疲れ様です。ヨシオです。
「ヨシオの目指せ!税理士!」も今回が2019年最後の連載となります。
すでに年の瀬ともいえる時期になりましたが、税理士試験受験生の皆様にとってこの2019年はどんな年だったでしょうか。
先週末にあった令和初の税理士試験合格発表で官報合格された方々にとっては、これまでの努力が実を結んだ最良の年であったかと思います。
また税理士という資格を得るまではまだ道半ばという皆様は、来年の試験に向けて気持ちを切り替えて邁進していきましょう。
いずれにいたしましても、皆様今年も一年間勉強お疲れ様でした!
そして来年も「ヨシオの目指せ!税理士!」をよろしくお願いいたします。
さて今回から再び以下の「消費税のあらまし」を使ってお話ししてまいりたいと思います。
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/aramashi/01.htm
前々回、消費税の還付を目的とした「自販機スキーム」の概要をご紹介いたしました。
そこでは「自販機スキーム」による消費税還付の手法についてお話しいたしましたが、そもそも何故そのような方法が可能であったのかという点については触れませんでした。
実はこの「自販機スキーム」が考案されるに至った背景には、消費税の納付金額を計算するための基本ルールが関わっています。
今回からは「第8 控除税額等の計算は?」の記述を元に、その計算ルールの根幹となる「仕入控除税額」の解説をしてまいります。
その「第8 控除税額等の計算は?」には25ページから40ページまでの合計16ページが割かれており、「消費税のあらまし」の中でも最もページ数の多い章となっています。
ちなみにその他の章のほとんどがせいぜい3~4ページ程度となっていますので、いかにこの「第8 控除税額等の計算は?」が重要であるかをご理解いただけるかと思います。
では具体的にその内容を見ていきましょう。
最初の節である「1. 仕入控除税額の計算方法の選択」の冒頭(25ページ)には、以下のように書かれています。
「事業者は、課税期間における課税売上げに係る消費税額から、課税仕入れ等に係る消費税額(以下「仕入控除税額」)を控除した金額を納付しますが、
簡易課税制度を適用する事業者とその他の事業者とでは、仕入控除税額の計算方法が異なります。」
「消費税を学ぼう!(3)~消費税は誰が納めている?~」の回以降何度がお話ししておりますが、会社などの事業者は「売上に際して受け取った消費税」から「仕入の際に支払った分の消費税」を引いた差額を税務署に納付します。
この記述の前半にはその点が書かれており、「売上に際して受け取った消費税」を正式には「課税売上げに係る消費税額」、「仕入の際に支払った分の消費税」のことを「課税仕入れ等に係る消費税額」と言います。
さらにこの「課税仕入れ等に係る消費税額」は短く「仕入控除税額」とすることが一般的です。
そして記述の後半部分にはその「仕入控除税額」の計算方法が「簡易課税制度を適用する事業者」と「その他の事業者」とでは異なる、と書かれています。
「その他の事業者」という表現ですと何となく例外っぽく見えてしまいますが、実は「簡易課税制度を適用する事業者」の方が特別な計算方法になります。
ちなみに「簡易課税」に対して、「その他の事業者」に対する課税については「一般課税」あるいは「本則課税」と呼ばれています。
この「簡易課税」と「一般(本則)課税」の違いですが、簡単に言ってしまうと「仕入控除税額」が実際に支払った金額をベースとしているか、あるいはそうではないか、という点になります。
「一般(本則)課税」においては「仕入の際に支払った分の消費税」の実額を元に「課税売上げに係る消費税額」から差し引く「仕入控除税額」を計算します。
それに対して「簡易課税」においては「課税売上げに係る消費税額」については「一般(本則)課税」と同じなのですが、「仕入控除税額」の算出方法が全く異なるのです。
ただ「簡易課税」の方がその名の通り「仕入控除税額」の計算がかなり簡便になっています。
そこで少しページが前後してしまいますが、次回はまず34ページの「3. 簡易課税制度による計算方法」から見てまいりたいと思います。
という訳で、今回はここまで。
次回もお楽しみに~
弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
サービス
セミナー
- 2025/01/24(金) はじめての給与計算と社会保険の基礎セミナー
- 2025/01/25(土) 基礎から実務で間違えやすいポイントまで完全網羅!企業税務のすべて
- 2025/01/29(水) はじめての給与計算と社会保険の基礎セミナー
- 2025/01/31(金) 経理実務担当者養成セミナー【会社の税金入門編】
- 2025/01/31(金) 経理実務担当者養成セミナー【簿記会計入門編】
- 2025/01/31(金) 経理実務担当者養成セミナー【決算書の見方・読み方・経営分析編】
- 2025/02/04(火) はじめての給与計算と社会保険の基礎セミナー
- 2025/02/05(水) はじめての社会保険・労働保険手続き実務 基礎セミナー
- 2025/02/26(水) はじめての給与計算と社会保険の基礎セミナー
- 2025/02/28(金) 【WEB配信】事例から学ぶ 海外勤務者・非居住者の税務実務
- 2025/02/28(金) 経理実務担当者養成セミナー【管理会計①月次決算・事業計画書作成・損益分岐点(CVP分析)編】
- 2025/02/28(金) 経理実務担当者養成セミナー【資金繰りの実務とキャッシュフロー計算書作成編】
- 2025/03/06(木) はじめての給与計算と社会保険の基礎セミナー
- 2025/03/31(月) 経理実務担当者養成セミナー【消費税の実務知識と申告書の作成編】
- 2025/03/31(月) 東京共同会計事務所 個別登録会