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ヨシオの目指せ!税理士!

消費税を学ぼう!(10)~自販機で消費税が還付される?!~

お疲れ様です。ヨシオです。

前回は連載200回記念の特別編をお届けいたしましたが、皆様お楽しみいただけましたでしょうか?
まだ少し珍しい複数税率対応の電卓をご紹介いたしましたが、おそらく軽減税率は続くでしょうから今後はスタンダードな機能になっていくと思われます。
電卓の面積、そして搭載できるキーの数には限りがありますので、これからはなかなかこのような電卓の新機能は登場しないかもしれません。
しかしヨシオはこれからもより便利で、そしてより楽しい電卓が出てくることを信じて、まだまだ電卓に注目していきます!
次は連載250回記念の電卓特集でお会いしましょう(笑)

さて今回から再び以下の「消費税のあらまし」を使ってお話ししてまいりたいと思います。

http://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/aramashi/01.htm

前々回は「免税事業者は支払った消費税を控除できないだけでなく、還付を受けることもできない」ということをお話いたしました。
これが「免税事業者」の大きな欠点なのですが、「消費税課税事業者選択届出書」を提出することで控除や還付が可能となる「課税事業者」を選択することもできます。
特に会社の設立当初は売上がほとんどなく設備投資などが活動の中心となることが多くなるため、「免税事業者」のままですと本来あるべき消費税の還付が受けられなくなってしまいます。
その救済措置(?)として「消費税課税事業者選択届出書」が存在するのですが、この制度の盲点をついて多額の消費税還付を受ける、ということがかつてある業界で流行していました。
前々回「消費税課税事業者選択届出書」をご説明した際に示した18ページの中に、それがどのような方法なのかという点に関連する箇所があります。
それは18ページの最下部「もっとくわしく」「課税事業者となることを選択した場合の注意点は......」で、そこには以下のように書かれています。

「①「消費税課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者となった事業者は、課税事業者となった日から2年間は、免税事業者となることはできません。
 ②「消費税課税事業者選択届出書」を提出した事業者は、課税事業者となった日から2年を経過する日までの間に開始した各課税期間中に調整対象固定資産の課税仕入れを行い、
   かつ、その仕入れた日の属する課税期間の確定申告を一般課税で行う場合には、調整対象固定資産の課税仕入れを行った日の属する課税期間の初日から原則として3年間は、
   免税事業者となることはできず、簡易課税制度を選択して申告することもできません。」

まず①ですが、こちらは比較的理解しやすいかと思います。
すなわち課税売上高1,000万円以下であるため本来「免税事業者」であっても「消費税課税事業者選択届出書」の提出で「課税事業者」になれる訳ですが、そのようにしていったん「課税事業者」になった場合はそこから2年間「免税事業者」には戻れない、ということです。
ある年は売上が少なかったから還付を受けるため「課税事業者」になり、そしてその翌年は儲かってしまったので「免税事業者」に戻って消費税を納めない、というように納税回避のため都合良く立ち回ることを防ぐことがこの決まりの狙いです。

では②はどうでしょう。
ぱっと読んだだけでは何を言っているのか良く分からない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ヨシオも専門学校の「消費税法」の講義で最初にこの部分の説明を受けた際には、これはいったい何の話をしているのだろうと正直全く理解できない状態でした。
しかし講師も受講生たちのそのような反応には慣れっこだったのでしょう、続けてすぐにこの制度が作られるに至った背景について解説してくれました。
それは不動産業を営む事業者の多くがかつて行っていた、いわゆる「自販機スキーム」と呼ばれている方法による消費税の還付でした。

それではその「自販機スキーム」について、その概略をご説明いたします。
これは賃貸マンション経営において行われます。
その場合まずは最初にマンションを購入する訳ですが、マンションの購入の際には当然その代金にかかる消費税を支払うことになります。
マンションを貸すことで利益を得るということを目的とした購入ですので、そこで支払う消費税は仕入れに際してのものであり、本来であれば控除できるはずです。
しかし賃貸マンション経営の場合、実は何もしないと支払った消費税の控除ができないのです。
(その理由については、次回以降お話いたします)
そこで「自販機スキーム」の登場です。
マンションを購入した時点ではまだ賃貸経営を開始せず、敷地内に自動販売機を設置して最初の年の売上はその自販機からのものだけにします。
そうしますと不思議なことに(?)支払った消費税の控除が可能となり、同時に還付を受けることもできるようになっていました。
マンションの購入には億単位のお金がかかることも珍しくありませんが、それに比べて自販機1台の売上は微々たるものであり、そのためこの方法によって多額の消費税の還付が受けられる、というのが「自販機スキーム」のおおよその内容です。
ちなみにこの「自販機スキーム」、税制改正によって現在ではできなくなっています。

さて今回は「自販機スキーム」をについてご紹介いたしましたが、なぜこのような手法が可能だったのでしょうか。
実はこの「自販機スキーム」が生まれた要因には、消費税の納付金額の計算についてのルールが深く関わっています。
次回は「第8  控除税額等の計算は?」の内容から、実際に納付する消費税額の計算方法についてお話してまいりたいと思います。

という訳で、今回はここまで。
次回もお楽しみに~

掲載日:


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また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
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