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ヨシオの目指せ!税理士!

消費税を学ぼう!(2)~消費税率に隠された真実~

お疲れ様です。ヨシオです。

いよいよ今年の税理士試験まで残り1ヵ月を切ってしまいました。
ヨシオの住んでいる東京はここのところずっと気温が低く、雨模様の梅雨らしい天気ではあるのですが、比較的過ごしやすい日が続いております。
たださすがに少し涼し過ぎるという日もあったりしますので、体調を崩してしまった受験生の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
試験に向けてラストスパートという時期ではありますが、ここからは心身のコンディションを整えていくことも大切です。
試験当日をベストな状態で迎えられるよう、勉強だけでなく体調管理もしっかりしていきましょう!

さて前回から消費税をテーマとしたシリーズを開始しました。
前回もお話した通り、今回からは国税庁が作成している以下の「消費税のあらまし」の内容をベースに消費税の基礎について解説してまいりたいと思います。

http://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/aramashi/01.htm

こちらの「消費税のあらまし」は現在(2019年7月)から約1年前の平成30年6月に国税庁から出されています。
ちなみに例年ですと毎年6月頃に最新のものが公表されているのですが、今年は10月に増税を控えているため、まだ出されていないのだと思われます。
そして現時点での最新版であるこちらの「消費税のあらまし」は、最初のページ(表紙)の右上に書かれている通り「平成30年4月1日現在適用されている法律」に基づいた内容となっています。
さらに同じページ(表紙)の一番下には「平成31年(2019年)10月1日~」という欄があり、消費税の軽減税率制度の概略について掲載されています。
小さくさりげない項目のようですが、実はここにほとんどの日本国民が知らないであろう衝撃の(?)事実が書かれているのです。
それは消費税の税率に関する以下の記述です。

「1 消費税率等
 ① 標準税率は10%(消費税率 7.8%、地方消費税率 2.2%)
 ② 軽減税率は 8%(消費税率6.24%、地方消費税率1.76%)」

今年の10月から消費税率が10%に上がる、と多くの方が思っていらっしゃったでしょうが、何と消費税率は「7.8%」になるというのです!
...とまあ大袈裟に書いてしまいましたが、私たちがお店などで支払っているいわゆる消費税とは、国税である「消費税」と地方税である「地方消費税」という2種類の税金の合計であったという訳です。
結局我々消費者が今年の10月以降負担する税率は「消費税率7.8%+地方消費税率2.2%=10%」ですので、普段は全く意識する必要はありません。
しかしもう一つここに書かれている「軽減税率」の方は、税金計算や日常的に行う会計処理において非常に重要な事項となります。
なぜ重要なのか、この「消費税のあらまし」の2ページ「2. 納付税額の計算方法」「[1]税率」の以下の記述をお読みいただければお分かりになるかと思います。

「消費税の税率は、6.3%の単一税率です。
 このほか地方消費税が消費税率換算で1.7%(消費税額の17/63)課税されますから、合わせた税率は8%となります。」

こちらは今年の9月以前、つまり現在の税率のことを指しています。
お気付きになったでしょうか?
分かり易く以下にまとめてみます。

(1)2019年9月までの税率   :8%(消費税率6.3%、地方消費税率1.7%)
(2)2019年10月以降の軽減税率:8%(消費税率6.24%、地方消費税率1.76%)

上記のように、現在の消費税率「8%」と今年10月以降の軽減税率「8%」とでは、同じように見えてその内訳が異なっているのです。
もちろん国税と地方税の比重が違うからといって負担する税率は同じ「8%」ですので、日常生活で買い物をする際には特に影響はありません。

しかし事業に係る売上や費用の会計処理(仕訳)をする場合には、今年9月までの税率である「8%」なのか軽減税率の「8%」であるのかについては明確に区別しなければなりません。
ですので、少なくとも仕事で税務や会計に携わることを目指している、あるいはすでに携わっている私たち税理士試験受験生であれば必ず知っていなければならないことだと思います。
「そもそも今年の10月以降になれば9月以前の「8%」による取引は無くなってしまうのだから、別に関係ないんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、実はそうでもありません。

例えば、増税前に数年分のサービスについての対価を前払いしていた場合、増税後も増税前の税率を適用して費用計上していきます。
簿記を学習されたことのある方であればお分かりかと思いますが、このような「前払費用」「長期前払費用」の会計処理は決して珍しいものではなく一般的に行われています。
また現在も使用されている消費税の申告書にはいまだに「3%」や「5%(正確には国税分の「4%」)」の税率分を記入する欄が残されており、ヨシオの会社で使用している会計ソフトでも仕訳の際に「3%」「5%」といった税率を選択することができるようになっています。

このように消費税の増税があった場合でもそれ以前の税率による処理は意外と行われていますので、今回の軽減税率導入により同じ「8%」でも中身の違う旧税率と軽減税率が併用されるということを実務を行う上ではしっかり認識しておくことが必要です。

今回は日本国民のほぼ全員が知っているであろう消費税の税率についての、ほとんどの人が知らない基礎知識についてお話いたしました。
次回は「消費税のあらまし」の「第1 消費税はどんな仕組み?」の内容を見てまいりたいと思います。

という訳で、今回はここまで。
次回もお楽しみに~

掲載日:


※本コラムに掲載されている情報は、掲載した時点での情報です。
弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
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