できる税理士・できない税理士
お疲れ様です。ヨシオです。
令和元年度(第69回)税理士試験の試験場が発表されましたね!
東京では近年お馴染みの「早稲田大学」「立教大学」そして「東京外国語大学」ということで、これまで受験されてきた方にとっては勝手知ったる会場で受けられそうですね、ってあれ?
よくよく見てみますとこれで5年連続試験場となった「早稲田大学」ですが、昨年までの「早稲田キャンパス」ではなく今年は「戸山キャンパス」となっています。
調べてみたところ、「戸山キャンパス」は現在文学部・文化構想学部があるキャンパスで、その他サークルの拠点である「学生会館」や「早稲田アリーナ」という新しい施設もあるようです。
ヨシオは不勉強ながら知らなかったのですが、「早稲田大学」では100年ほど前から使用(当初は高等学院の校舎として使用)されていた歴史あるキャンパスがこの「戸山キャンパス」ということです。
ちなみに最寄り駅は「早稲田キャンパス」と同じく東京メトロ「早稲田」駅ですが、「戸山キャンパス」は逆方向にありますので受験生の皆さんは注意して下さいね!
さて前回は、前世紀末である1999年に出版された「良い税理士・ダメな税理士・ムダな税理士 2000年版」という書籍をご紹介しました。
前回も申し上げましたが、この書籍は執筆者・編者の名前が一切出されておらず、正直どこまで内容を信用できるのか疑問の残る本でした。
ただ、この書籍の中で述べられている税理士や会計業界に対する問題意識については、ヨシオも頷ける点が多かったように感じました。
そこで今回は近い時期に出版されていた、同じようなテーマの書籍を取り上げたいと思います。
今回ご紹介するのは2003年に出版された「社長!こんな税理士が会社をダメにする」(日本実業出版社)という書籍です。
著者は平山憲雄さんという税理士で、現在東京で税理士事務所を開業されています。
また専門誌に掲載される記事の執筆や講演活動なども積極的に行われている方のようです。
つい先日も経理担当者向けの交際費実務に関するセミナーの講師をされており、現在も活躍されている税理士であるといえるでしょう。
書籍「社長!こんな税理士が会社をダメにする」ですが、タイトルからも分かるように読者としては税理士に仕事を依頼する側の社長、特に中小・零細企業の社長が想定されています。
また副題も「税理士が書いた『できる税理士・できない税理士』の見分け方」となっており、前回に続いて非常に刺激的なタイトルの本となっています。
著者も「はじめに」で「ショッキングなタイトルをつけた」と書かれていますが、決して「税理士批判の書」ではなく、読者である社長が税理士と「より良い関係を築く」ことが狙いであるとも述べられています。
そんな本書は以下7つの章で構成されています。
第1章 これが税理士の実態だ!
第2章 どこかおかしい?税理士資格取得制度
第3章 格差広がる税理士報酬
第4章 税理士というお仕事
第5章 「良い税理士」と「悪い税理士」はここが違う
第6章 無料の税務相談を上手に活用する
第7章 税理士を賢くこき使う法
まず第1章から早速本書が出版された当時の税理士の実態について、著者からかなり手厳しい指摘がなされています。
「会社を食い物にする税理士」「手抜き税理士」「不勉強な税理士」...、そのような税理士が実際に存在しているという現状がこの章の中では紹介されています。
そして、そのような税理士が生まれてしまう要因の一つとして、第2章では税理士資格取得制度の問題点について述べられています。
私たち税理士試験受験生にとっては当たり前のことですが、税理士の資格を得るのに税理士試験合格以外の方法が存在するということは、必ずしも一般的に広く知られている訳ではありません。
この第2章では税理士試験合格者のほか、いわゆる「ダブルマスター」や税務署OB、そして公認会計士・弁護士といった様々な税理士となる方法が紹介され、それぞれの税理士の特徴などについて書かれています。
第3章は税理士報酬についての内容ですが、本書が出版される前年である平成14年(2002年)の税理士法改正によってそれまでの「報酬規程」が廃止され、税理士報酬は自由化されました。
本章では税理士報酬に関わるアンケートが具体的に示されており、当時の報酬の実態やクライアントである社長の税理士報酬に対する考え方などを知ることができます。
そして第4章ではなかなか知られていない税理士の実際の仕事内容が紹介され、ここまでを踏まえて第5章で「良い税理士」・「悪い税理士」あるいは「できる税理士」・「できない税理士」の見分け方について著者なりの見解が述べられています。
第6章はメインテーマから少し外れて、各自治体の主催する無料の税務相談会などを活用することなどが勧められています。
最後となる第7章は本書のまとめとして、経営パートナーとしての税理士との付き合い方について述べられています。
今回は書籍「社長!こんな税理士が会社をダメにする」をご紹介しました。
前回ご紹介した書籍とは違って著者のプロフィールがはっきりしており、また具体的なデータやアンケートを元に書かれているので説得力のある内容であるとヨシオは感じました。
また本書の最後では特定分野に特化した新しいタイプの税理士が紹介されていますが、15年ほど経過した現在における特化型会計事務所・税理士法人の成長を予見していたようにも読み取れました。
読みやすくまた読み応えのある書籍となっておりますので、ご興味を持たれた方は是非お読みになってみてはいかがでしょうか。
という訳で、今回はここまで。
次回もお楽しみに~
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