ヨシオの目指せ!税理士!

10年前の「税理士」像

お疲れ様です。ヨシオです。

ちょうど1ヶ月ほど前になりますが、2月23日が「税理士記念日」であったことを税理士試験受験生の皆様はご存知でしたでしょうか?
1942年(昭和17年)2月23日に現在の「税理士法」の前身である「税務代理士法」が制定されたことがその由来だそうです。

「税理士記念日」に際して今年は特に大きなイベントなどなかったようですが、3年前にはBS朝日の「週刊記念日~この日何の日」という番組で取り上げられていました。
その番組の動画はYouTubeの日本税理士会連合会のチャンネル「TheNichizeiren」にアップされています。

https://www.youtube.com/watch?v=6Ek24abh6X4

2分半ほどの短い動画ですが、テレビ番組で税理士やその仕事が紹介されることは貴重なことだと思いますので、ぜひ一度ご覧になってみて下さい。

さて、前回は税金と歴史をテーマとした書籍をご紹介しましたが、前述した1942年の「税務代理士法」制定にも歴史的な背景があります。

ご承知の通り、その当時は第二次世界大戦の真っ只中、我が国ではその戦費調達を目的とした増税が繰り返されていました。
さらには税務当局の役人の多くが徴兵されてしまったため人員不足となり、税務行政はかなり混乱していたようです。

そこで、弁護士や計理士(後の公認会計士)などを税務代理士とする「税務代理士法」が制定され、税務行政の引き締めが行われました。
そして終戦後いわゆる「シャウプ勧告」により日本の税制は一気に近代化、その中で1951年(昭和26年)に現在の「税理士法」が公布・施行され税理士という資格が誕生します。

その税理士の誕生から現在まで70年弱、昭和そして平成という時代を経て税理士に求められる役割も少なからず変化してきました。
そんな訳で今回は、少し前の書籍の中からここ10年ほどの税理士像の変化を読み解いてみたいと思います。

今回取り上げるのは「だから税理士はやめられない【改訂版】」という書籍です。
著者は税理士の入江俊輔さんという方で、初版が2009年ですのでちょうど10年前に書かれた本になります。
タイトルからもお分かりの通り、基本的には税理士という仕事のやりがいや目指すべき税理士の姿について著者の経験を元に述べられています。
具体的な本書の内容としては、以下全5章で構成されています。

第1章 税理士の仕事はこんなにやりがいがある!
第2章 「できる税理士」をめざそう!
第3章 失敗しない事務所開業術
第4章 必ず受かる!試験攻略法
第5章 イリエ式「税理士的生活」のススメ

この中でも、著者の考える「(2009年当時の)これからの時代の税理士像」については第1章~第2章にかけて書かれています。
まず第1章では税理士の魅力がメインテーマとなっています。
サラリーマンとは異なり、独立することで高い報酬を得ることも可能であり、また組織に縛られず定年もなく自分のペースで働けることなど、現在でもそのまま通じるような内容となっています。

またITの活用や女性の活躍などにも言及されており、この辺りも今読んでも全く違和感がありません。
続く第2章ではどのようにして「できる税理士」になれるのか、著者が実践してきたことをベースに述べられています。

ここでは会計ソフトの発達・普及により、税理士の仕事は記帳などの単純作業からより高度なコンサルティング業務に移行していく、ということが書かれています。
また著者は開業当初から「美容室に強い税理士」という特徴を打ち出すことで、多くのクライアントを獲得することができたそうです。
このようなブランディングも「できる税理士」には必要であると述べられています。

本書を通して描かれている「これからの時代の税理士像」についてヨシオなりにまとめると、以下のようになります。

・最先端のITを活用し、業務を効率化していく
・従来からの記帳代行・税務申告業務にプラスして、コンサルティング業務に重きを置いていく
・他の税理士にはない特徴を持ち、それをブランディング化する

これらは10年後の現在においても、恐らくほぼ通用する内容であろう、と個人的には感じました。

例えば、以前この連載でもご紹介した井ノ上陽一さんの「ひとり税理士」シリーズにおいても、IT活用やブランンディングの部分など、かなり近しい内容の記述も少なくありません。

逆にいいますと、この10年間で税理士業界の抱える課題は大きく変わってこなかったのではないか、とも考えられます。
本書の著者である入江俊輔さんも「ひとり税理士」シリーズの井ノ上陽一さんも2000年代半ばに開業されており、同じような社会情勢の中で税理士として活動されてきているはずです。
同世代のお二人が10年の時を経てもなお同様の問題意識を持っている、ということこそが税理士が今向き合うべき課題の本質なのではないかとヨシオは感じました。

今回は書籍「だから税理士はやめられない【改訂版】」をご紹介しました。
前述の通り、本書の内容は概ね現在にも通じますが、さすがに10年前ということでやはり若干時代の流れを感じる記述もあります。
例えばIT活用について書かれている箇所で、事務所の職員に夏休み中パソコンを貸与してクライアントの給与計算や月次チェックをしてもらった、というエピソードがありました。

本書では、その職員の方は休み中にも仕事が家でできたことで、かえって気持ちが楽になったと書かれていますが、従来の働き方が見直されている昨今の風潮からすると、休み中に業務をさせるということ自体があまり良く思われないでしょう。
またクライアントの給与データを外部に持ち出すという点についても、個人情報保護の観点から今であれば問題視されそうです。
十年一昔ともいいますが、時代と共に大きく変わるものもあれば、反対になかなか変わらないものもある、ということを改めて考えさせられる書籍でした。

という訳で、今回はここまで。
次回もお楽しみに~

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