税理士に必要なコミュニケーション術とは?
お疲れ様です。ヨシオです。
前回「日本税理士会連合会」のサイトにアップされているラジオ番組のアーカイブをご紹介しましたが、「名古屋税理士会」のサイトにも面白いラジオのコンテンツがありました。
「税理士会プレゼンツ ラジオドラマ 知って得するおもしろ税理士物語」
http://www.meizei.or.jp/?page_id=2295
ここには有名な昔話や童話などをモチーフにして税理士という資格やその仕事を紹介するラジオドラマが全10話アップされています。
どれも1話3分半ほどでクスッと笑えるお話になっていますので、息抜きなどに是非お聴きになってみて下さい。
さて以前このコラムでは、税理士の井ノ上陽一さんの編著作である「ひとり税理士」をテーマとした4冊の書籍をご紹介してまいりました。
これらの書籍の中では、税理士の新しい形として「ひとり税理士」という生き方がすすめられていました。
ただ実際には、税務の仕事に携わる多くの方が会計事務所・税理士事務所を開業している、あるいはそこに所属しているというのが現状です。
確かに時代の流れとしては「ひとり税理士」のような自由な働き方も今後増えていくと想定されますが、まだしばらくは従来の事務所という形態が主流なのではないでしょうか。
また税理士試験受験生に限れば、多くの方が現時点では事務所に勤務されていることだと思います。
という訳で今回は、事務所を開かれている先生、そして事務所の職員の方を対象とした書籍をご紹介したいと思います。
今回ご紹介する書籍は「税理士のためのコミュニケーション術 ~クライアントから選ばれる税理士事務所へ~」という、今月(平成31年2月)出版されたばかりの新刊です。
著者の田村夕美子さんは税理士ではないのですが、長年経理実務に携わり、その経験をもとに税理士や経理従事者向けのセミナー講師や書籍・コラムの執筆を多く行われている方です。
また心理カウンセラーとしてもご活躍されており、本書はそのような心理的な側面からも書かれている点が大きな特徴となっています。
本書は以下6つの章で構成されています。
1.はじめに
2.税理士事務所のビジネスマナー
3.税理士のコミュニケーション(基礎編)
4.クライアントに受け入れられる、ちょっとしたコツ
5.税理士のコミュニケーション(ケーススタディ)
6.明日からどのようにコミュニケーションを図るか?
この中でも本書のメインとなるのが、2~6の章です。
まず「2.税理士事務所のビジネスマナー」ですが、多くの事務所は小規模であるため大手企業のように新人研修が整備されてはいない、というのが実状でしょう。
本書では服装などビジネスマナーの基本から、電話応対・Eメールといった事務所の信用に直結するようなマナーについて記述されています。
続く「3.税理士のコミュニケーション(基礎編)」では8つのケースをあげて、クライアントとのコミュニケーションの基本的な考え方が述べられています。
クライアントのことを良く知ること、そしてそのためにクライアントに対してどのようなスタンスでコミュニケーションを図っていくのか、それがこの章のテーマとなっています。
そして「4.クライアントに受け入れられる、ちょっとしたコツ」では、コミュニケーションを上手く行っていくためのテクニックが紹介されています。
例えば、クライアントとの「共通言語」を用いること、説明には図や表を活用してみること、またクライアント担当者の名前を発して距離を縮めることなど、具体的かつすぐに取り入れられる内容が満載です。
さらに「5.税理士のコミュニケーション(ケーススタディ)」では、ちょっと困ってしまうクライアントの具体例があげられています。
事務所にお勤めの方であれば「確かにこんなクライアントいるよね...」と思い当たるような内容ですが、そのようなクライアントともお互いに良好な関係を築き上げていくためのコミュニケーションの方法について詳しく述べられています。
今回は書籍「税理士のためのコミュニケーション術」をご紹介しました。
ヨシオが本書全体を通して特に印象的だったのは、クライアントに対してただ冷静に論理的に向き合うだけでなく、時には感情を織り交ぜることも重要であるということが繰り返し述べられている点です。
一般的にビジネスの現場で感情を表に出すことはあまり好まれていませんが、著者のいうようにクライアントも私たちもお互い人間同士、感情に訴えかけることが必要なこともあるでしょう。
こちらがどれだけクライアントのことを考えて業務にあたっているのか、その思いが伝わるようなコミュニケーションを目指していきたい、そうヨシオも強く感じました。
本書にご興味を持たれた方は、是非書店などでお手に取ってみて下さい。
という訳で、今回はここまで。
次回もお楽しみに~
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