ヨシオの目指せ!税理士!

税理士とAI、どう付き合う?

お疲れ様です。ヨシオです。
新年あけましておめでとうございます。
平成最後の年明け、税理士試験受験生の皆様はどのように過ごされましたでしょうか。
毎年のことではありますが、どうしても合格発表の直後の年越しとなりますので、その結果によって新年を迎える気持ちもだいぶ違ってきてしまいますよね。
しかし昨年の合否に関わらず、今年の試験についてはここからの努力次第で良い結果とすることがまだまだ十分に可能です。
ヨシオも少しでも皆様のお役に立てるコラムを目指して、今年も精進してまいりたいと思います。
それでは2019年もこの「ヨシオの目指せ!税理士!」をご愛読いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

さてそんな訳で、平成という時代も今年で最後となってしまいました。
ヨシオは平成になった当時まだ小学生でしたが、それから30年経ったということでその頃の自分から見るとかなりの未来に生きているということになります。
ただ正直、子供の頃に想像していた未来と実際の平成31年である現在とはかなり差があるように思います。
個人的には20世紀中にもできそうな感じだった「リニア新幹線」が最近ようやく工事を始めたばかりで、完成予定が2037年だということを小学生の時のヨシオに言っても信じてもらえなさそうです。

そして全く想像もしていなかったのが、インターネットや携帯電話、そしてスマートフォンの爆発的な広がりです。
例えば1989年に公開された映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」や1995年に放映されたアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」ではいずれも2015年というその当時の近未来を舞台にしていましたが、そこにはスマホの影も形も登場しません。
その頃想像されていた未来では、いわゆるハード面での進歩、例えば空飛ぶ車や巨大ロボットといったようなものが主に描かれていましたが、現実の未来では通信やアプリといったソフト面が驚くべき発展を遂げることになりました。

しかしそんな中でほんの1年ほど前、昔のSF作品でもよく描かれていてヨシオも子供の頃に想像していた未来を体現するような製品が発売されました。
そう、それは「AIスピーカー(スマートスピーカー)」です。
「電気をつけて」と声を出すだけで部屋の電気がつく、という世界はまさに想像していた通りの未来です。
ただ昔考えていたのはあくまで「しゃべるとそれをやってくれる」という仕組みだけで、まさかそこに人工知能(AI)が関係してくるとは思ってもいませんでした。
すでにAIは私たちの想像を超えるような勢いで進化していますが、そんなAIが人間を助ける道具に止まらずホワイトカラーを中心にその仕事を奪う脅威になるのではないかと昨今叫ばれています。

そして、その「AIに奪われる仕事」の代表格の一つが会計や税務に関わる職業、すなわち私たちの目指している税理士ともいわれています。
果たして税理士の仕事はAIに奪われてしまうのか、そのとき税理士はどうすれば良いのか、そんな問いに答える書籍が昨年末出版されました。
という訳で今回は、書籍「AI時代のひとり税理士」をご紹介したいと思います。

本書は以前ご紹介した「ひとり税理士の仕事術」そして「ひとり税理士のIT仕事術」の著者である税理士の井ノ上陽一さんの最新作です。
平成30年12月25日初版発行ということですので、日進月歩のAIについても最新の情報が盛り込まれた書籍であるといえます。

本書では「ひとり税理士」の生き方という前作までのメインテーマを踏襲しつつ、これから迎えるであろう「AI時代」においてどのように考え行動していくべきか、さらに掘り下げた議論が展開されています。
そして著者が「はしがき」でも書かれていますが、決して「税理士の仕事がAIに奪われる」ということを煽るような内容ではなく、AIについて冷静に学び、そしてそのAIによって税理士業界がどのように変化し、その中で「ひとり税理士」がどのような仕事そして生き方をしていくのか、ということが述べられています。

本書の構成ですが、まず第一章は「AIの歴史と今」ということで、一般論としてAIのこれまでの進歩の歴史や現状について紹介されています。
そして第二章では「AIを体験しよう」と題して、先ほどヨシオも触れました「AIスピーカー」など著者が実際に仕事だけではなく私生活や遊びの中で触れているAIについて書かれています。

ここでは仕事より先にプライベートでAIを身近に体験することで、仕事にAIを導入する心理的ハードルを下げるということが述べられています。
例えば著者は本書のような書籍やブログの原稿を音声認識入力されているそうですが、やはり最初は声を出すこと自体に抵抗があったそうです。
それに慣れる意味でも日頃から「AIスピーカー」に呼びかけていることが有効だということです。

続く第三章からが本書のメインになってくると思います。
第三章は「AIで税理士業界はどうなる?」という題で、現在税理士の行っている仕事がAIの導入によってどのように変化していくのかについて記述されています。
ここではよく世間でいわれているようにAIによって「仕事がなくなる」のではなく、「安くなる」のだと著者は述べられています。
確かにAI以前にここ20年程のPCやインターネットなどの進歩によっても税理士の仕事は決して減ってはおらず、それに対して顧問料などの価格は確実に下がってきました。
著者はAIによって「どのような仕事が残るか」を思い悩むのではなく、より主体的に「どの仕事を残すか」「どのようなことをやっていきたいか」を考えるべきだと主張されています。

第四章は「AI時代の会計ソフト、税務ソフト」、そして第五章は「AI時代の効率化」ということで、具体的にどのようなツールを使い、どのようなスキルを磨いていくべきかについて述べられています。
前作「ひとり税理士のIT仕事術」と同様、著者が実際に使っているソフトやアプリについても具体的に紹介されており、すぐに自分の仕事にも取り入れられるような内容となっています。
そして最後の第六章「AI時代にやっておきたいこと」では、著者の考えられているこれからの税理士の生き方について書かれています。
AIと競合するのではなくAIと共存すること、そしてAIが苦手だったり解決出来ないことに注力していく、ということなどが述べられています。

今回は書籍「AI時代のひとり税理士」をご紹介しました。

本書の「あとがき」で著者はAIを面白く思うこと、楽しむことが大切であると述べています。
本来AIは人間の脅威ではなく私たちを助け便利にしてくれるものであるはずですから、ヨシオも著者の考えには同感です。
また著者は本書全体を通して「AIで税理士の仕事はどうなってしまうのだろう」と受け身でネガティブに考えることを否定し、積極的に「こんな仕事をやっていきたい」と考えていくことを推奨しています。

税理士という資格には自ら仕事の選択肢を広げる力がありますので、著者の考えるように自分の望む仕事を選びその中で成長していくことこそがこれから私たちが歩むべき道なのかもしれません。
まだ出版されたばかりの本書、ご興味を持たれた方は是非お買い求めの上お読みになって下さい。

という訳で、今回はここまで。
次回もお楽しみに~

掲載日:


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