これからの時代、税理士もIT!
お疲れ様です。ヨシオです。
季節もだいぶ秋めいてきましたね。
今年は本当に自然災害の多い年でしたが、最近になってようやく気候も落ち着いてきたように感じられます。
勉強するのにも一番良い季節だと思いますので、来年の税理士試験に向けての学習はまだ序盤戦ですがここでしっかり基礎固めをしておきたいものです。
またそうは言ってもまだ勉強にも若干余裕のある時期ではありますから、「食欲の秋」や「スポーツの秋」も満喫して英気を養いましょう!
先日部屋の片付けをしたのですが、その際すでに合格している税理士試験科目のテキストや問題集を大量に処分しました。
一応受験が終わるごとにプリント類などは全て廃棄していたのですが、それでもまだこれだけ捨てられるものがあったのかと愕然としてしまいました。
それと同時に税理士試験の勉強はこんなにも大量に紙を使っていてまだまだアナログだな、とあらためて感じました。
昨今あらゆる分野でIT化が進んでおり、もちろん税理士試験の専門学校でもWEB講座などそれなりに普及してきています。
しかし、結局テキストや問題集などは紙の冊子で勉強することが主流ですし、そもそも本試験自体全て紙に手書きで解答する形式です。
ヨシオは普段事業会社の経理として働いていますが、実務ではすでにかなりのIT化が進んでいます。
税理士試験と関連があるものをあげますと、「簿記論」や「財務諸表論」の計算問題で行うような仕訳や試算表・財務諸表の作成といった作業は全て会計ソフトで行われています。
また税法科目の計算問題で行う申告書の作成についても、やはり会計ソフトや税務申告用のソフトを使用しています。
さらに納税でさえも「e-Tax」や「eLTAX」を活用することで、WEB上だけで完結できてしまいます。
このような感じで経理だけでなく、税理士の仕事も現在ではパソコンやインターネットなしには成り立たないほどになっています。
と言いつつも、実は税理士業界にはIT化が進んでいない部分も多々残されています。
会計ソフトは普及してから相当の年月が経っていますので、使用していない税理士はさすがにいないとは思いますが、逆にそれ以上のIT化がストップしてしまっていたりします。
お客様から預かる請求書や領収書といった証憑類はその多くがまだ紙ですし、作成した試算表などの資料も結局紙に印刷してお客様に渡すことが多々あります。
ここ数年でクラウド会計ソフトなどが徐々に普及し、ペーパーレス化も一部では進みつつありますが、特に年配の先生の事務所などでは昔ながらのやり方からあまり変化がないということも少なくないようです。
しかしこれからの時代、やはり税理士もIT化の波に乗らないとどんどん取り残されていってしまうでしょう。
という訳で今回は、税理士業務のIT化をテーマとした書籍である「ひとり税理士のIT仕事術」をご紹介したいと思います。
題名からお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、本書は当コラムで前々回ご紹介した「ひとり税理士の仕事術」の著者である税理士の井ノ上陽一さんの著作となります。
ちなみに「ひとり税理士の仕事術」が2015年出版、今回とりあげます「ひとり税理士のIT仕事術」が2017年の出版ということで、本作は続編という形になっています。
著者は前作「ひとり税理士の仕事術」の中でもIT化の重要性を述べられていましたが、本作はサブタイトルに「ITに強くなれば、ひとり税理士の真価を発揮できる!!」とあるようにさらにITに特化した内容となっています。
さて本書は以下の全4章で構成されています。
第1章 ITに強くなるための8つの心構え
第2章 ITツールの選び方
第3章 IT活用に欠かせないスキル
第4章 ITによる効率化アイデア
この中で第1章は短い前置きのような感じで、本編は第2章以降となっています。
ですが、第1章にも短いながら興味深い記述も多く、個人的には「ITは敷居が高いので覚悟する」という著者の言葉が印象深かったです。
とかくこのような書籍の場合「決して難しくはないですよ」「皆さんが考えているより簡単ですよ」という論調になりがちですが、そこを「敷居が高い」とはっきり述べられていることには感銘を受けました。
また本書で特に注目したいのが第2章の内容です。
「ITツールの選び方」ということで、パソコン・スマホといったハード面から、それらにインストールするソフト・アプリについて著者が使用しているツールを全て具体名を出して紹介しています。
それぞれのツールについて選び方のポイントやメリット・デメリット、実際に著者がどのように活用しているのかなど非常に細かく具体的に書かれているので、すぐに実務に取り入れることができる内容ばかりです。
そして第2章を参考にしてITツールを導入した後、実際にそれらのITツールを最大限活かしていくためのテクニックが第3章・第4章に盛り込まれています。
ヨシオとしては、特に第4章の後半にある「データ入力の効率化」や「資料作成の効率化」の内容はすぐにでも実務に活かすことができそうなものでしたので、その部分だけでも本書を買った価値があったなと思うほどでした。
今回は書籍「ひとり税理士のIT仕事術」をご紹介しました。
前作はどちらかというと著者の「ひとり税理士」としての仕事観・人生観がメインテーマでしたが、本作は税理士の実務に即活用できるITツール・テクニックについての解説がほとんどとなっています。
ですので、すでに会計事務所で働かれている税理士試験受験生の方であれば、絶対に買って損はない書籍だと思います。
ただ一点、ヨシオがどうしても納得のできない箇所がありました。
それはITに強くなるために捨てるべきものとして、電卓が真っ先にあげられていることです。
自他ともに認める(?)電卓好きのヨシオとしては、そこだけは決して譲ることはできません。
著者自身確かに電卓を持っていないそうですが、「どうしても使わざるをえないときはiPhone(スマホ)の電卓機能を使います」とも書かれています。
「結局電卓を使う機会があるんだったら、1個くらい持っていてもバチは当たらんだろ!」と思ってしまうヨシオでした(笑)。
という訳で、今回はここまで。
次回もお楽しみに~
弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。