税理士になったら、どう働きますか?
お疲れ様です。ヨシオです。
平成30年度(第68回)税理士試験から早1ヶ月、9月となり来年に向けた試験勉強を始められた方も多いことでしょう。
その中にも今年の試験を受けて次の科目に挑戦される方、またはもう一度今年受験した科目を勉強される方、さらには来年初めて受験される方、様々いらっしゃると思います。
ただいずれの方にも共通するのが、勉強を開始するこの時期がかなり重要になってくるということです。
勉強内容が基礎的でこなすべき量もそれほど多くない今の内に、来年8月の試験までの学習スタイルをある程度確立すべきだとヨシオは考えています。
スタートダッシュと気合を入れ過ぎることはありませんが、ここから長く勉強を続けていくための自分なりの方法をしっかり見つけていきましょう!
税理士試験受験生の皆さんは、ほとんどの方が合格後は税理士という資格を活かした仕事をしていこうと考えられていると思います。
ヨシオは企業の中で税理士の資格や知識を役立てていきたいと考えていますが、おそらく多くの方は将来の独立開業を見据えられていることでしょう。
では、そのように自ら事務所を開設することを目指されている皆さんは、どのような事務所にしていこうと考えられていますでしょうか。
どこに事務所を置くのか、どのような強みを持った事務所にするのか、など考えることはたくさんありますが「どの程度の規模を目指していくのか」というのも大事なポイントです。
全国展開するような大きなグループを目指すのと、自分の手が届く範囲内できめ細やかに運営していくのとではアプローチが全く違ってきます。
そして従来型の会計事務所ではなく、人を雇わずに一人で税理士業務を行っていくという形も考えられます。
ということで、今回は税理士の井ノ上陽一さんの著作「ひとり税理士の仕事術」という書籍をご紹介します。
著者の井ノ上さんは総務省統計局で働かれた後に税理士試験に合格、会計事務所やIT企業を経て2007年に独立されて以来「ひとり税理士」として人を雇わずに活動されています。
一般的な税務顧問に加えて、本書のような執筆活動やセミナー、コンサルティングなど幅広く業務を展開されているそうです。
そして本書は「ひとり税理士の仕事術」という題名ですが、副題に「雇われない・雇わない働き方 仕事も人生も楽しむ税理士」とあるように、必ずしも「仕事術」に限られた内容ではありません。
このような書籍の場合、「いかにして仕事を獲得し収益を上げていくのか」がメインテーマとなることも多いですが、本書はどちらかというとより広く「税理士としてどう生きていくのか」についてが述べられています。
さらにいえば、税理士でなくてもどんな仕事をしている人でも参考になるような内容も多く盛り込まれた書籍となっています。
本書は全6章プラス巻末付録で構成されており、合計139のテーマについて書かれています。
1つひとつのテーマは1~2ページ程度で記述されていますので、気軽に読み進められます。
第1章は「ひとり税理士として独立する心構え」という題で、昔ながらの税理士事務所の持つ数々の問題点を解決する方法の1つとして「ひとり税理士」という働き方を著者は提案されています。
ヨシオが特に印象的だったのがこの第1章の最後、「『税理士とは何か』を常に考える」と「税理士の仕事は楽しいですか?」という2つのテーマについて書かれている部分です。
おそらくこれまでの税理士業界が抱えてきた諸問題の根本はここにあるのではないかとヨシオは感じました。
日本に税理士という資格が誕生して半世紀以上経ちますが、資格を持っているというだけで食べていける時代が長く続いてきました。
そのため「税理士はどのようにお客様に、そして社会に貢献していくべきなのか」という視点が税理士業界全体で欠けてしまっていたように思います。
著者も「『税理士』が楽しいかといわれると必ずしもそうとはいえない」と述べられており、これは根深い問題だといえるでしょう。
そのような中で「ひとり税理士」は全て自らが責任を持って考え行動することになるので、やり方次第で楽しくそして満足度の高い仕事をすることができます。
第2章以降では、そのように仕事をしていくための「ひとり税理士」の働き方についてより具体的に記述されています。
今回は書籍「ひとり税理士の仕事術」をご紹介しました。
といいましても、今回触れたのはほんの導入部分だけで、本書では多岐に渡って著者の「ひとり税理士」としての仕事論・人生論が述べられています。
もっとご紹介したかったのですが、どの内容も興味深くまた文章も平易でとても読みやすいためかなりおススメの書籍です。
ちなみに本書の中でも書かれていますが、著者の井ノ上さんは長年ブログも続けられておりこちらも非常に読み応えのあるものとなっています。
まずは上記のブログをお読みいただき、ご興味を持たれましたら是非本書もお手に取ってみてはいかがでしょうか。
という訳で、今回はここまで。
次回もお楽しみに~
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