「税理士」が不要になるって本当?
お疲れ様です。ヨシオです。
平成30年度(第68回)税理士試験受験申込みの受付期限が今週金曜日と迫ってきました。
税理士試験受験生の皆さんはすでに申込書類の郵送は済まされていらっしゃいますでしょうか。
まだの方はとりあえずこのコラムを読み終えていただいてから(笑)、急いで手続きして下さいね。
そう言えば税理士試験の受験申込みが郵送のみになってからもう何年か経ちましたが、だいぶ慣れたような感じがしています。
しかしまだ東京国税局が竹橋にあった頃、朝早くから並んで申込みをしていたことも懐かしく思い出されます。
ヨシオとしては以前の方が何となく風情があって良かったなと思っていますが、皆さんはいかがでしょうか?
前回、前々回と映画や小説の中で描かれている税理士についてとりあげました。
今回は逆に(?)税理士の方が執筆されている書籍をご紹介したいと思います。
今回とりあげますのは「『税理士』不要時代」(経営者新書)という少しショッキングなタイトルの本です。
著者は渡邊浩滋さんという税理士で、実際に事務所の経営もされている先生です。
税理士としてまさに活躍されている渡邊さんが自ら「『税理士』不要時代」と謳っているということで、タイトルからすでにかなりのインパクトがあります。
この書籍は著者である渡邊さんが主に若手税理士に向けてこれからの時代の税理士はどのようにあるべきか、ということについて述べられています。
ですので決して渡邊さんは本当に税理士が不要になると考えている訳ではなく、新時代に求められる税理士像を描くことが本書のメインテーマとなっています。
タイトルである「『税理士』不要時代」は、旧態依然としたいわゆる「税理士先生」は不要になる、という趣旨でつけられているようです。
本書の第一章では、まず現在の税理士業界をとりまく環境について分析されています。
税理士登録者数の増加、公認会計士・弁護士による業界参入、顧問料金の下落、クラウド会計・AIの発展、等々現代の日本において税理士は非常に厳しい状況に直面しています。
本書が出版されたのが2016年であり、現在はそこからさらに2年ほど経過して特にクラウド会計やAIについてはまさに日進月歩の進化をしていますので、より厳しさは増しているものと考えられます。
しかし著者はそんな現実に触れつつも、税理士が生き残る道として顧問先企業に対するコンサルティングをあげています。
第二章では、まさに著者がこれから不要になると考えている「税理士」について書かれています。
周囲から「先生」と呼ばれ自分が偉いと勘違いして常に上から目線の「税理士先生」だけでなく、若くても顧客を軽視して自らの利益だけを考える「悪徳税理士」、顧客獲得のためにただ顧問料金を下げるだけの「税理士」など、様々なタイプの不要になる「税理士」が紹介されています。
今後淘汰されていくであろうこのような「税理士」を反面教師として、ここで著者は若手税理士にコミュニケーション能力を高めることを推奨しています。
そして続く第三章では、そのコミュニケーション能力によって、サービス業としての「接客力」をどのように身に付けていくのかについて述べられます。
第四章は「コンサルティング」、第五章では「専門特化」をテーマとし、これら3つの章を通して著者が考える新しい時代の税理士像が具体的に描かれています。
例えば第五章では「専門特化」によって現在実際に成功されている税理士の事例が実名を出して紹介されています。
従来の会計事務所ではそれぞれ得意分野があったとしても、特定の業種に特化しているということはほとんどなかったそうです。
しかし本書では、風俗業界やエンタメ業界など、これまで会計事務所があまりターゲットとしてこなかった業種に特化することで成功している税理士の方の事例が示されています。
さらに著者である渡邊さんご自身も賃貸経営、すなわちアパートなどの大家さんに特化した税理士であり、その事例も詳しく紹介しています。
本書の冒頭からも繰り返し書かれていますが、渡邊さんはご両親からアパート経営を承継し、自らも大家さんという立場でかなりご苦労されたそうです。
しかしその貴重な経験によって、賃貸経営について税理士業界の中では稀有な専門性を身に付けただけでなく、常に顧客の目線でサービスを提供出来ているということです。
自分も同じような苦悩を抱えていたからこそ、顧客である大家さんの持つ悩みを心から共有出来るというのは確かに相当な強みになっていると思います。
本書で著者が伝えたかったことの多くはこの第三章から第五章にかけてじっくり書かれており、読み応えも十分です。
今回は「『税理士』不要時代」をご紹介いたしました。
タイトルだけを見ると、私たち税理士を目指す人間には若干ネガティブに感じられてしまいますが、実際には税理士という職業をより前向きに捉えられる書籍です。
資格さえ取得すれば食いっぱぐれることのなかった時代も、それはそれで良かったのかも知れませんが、税理士一人ひとりが税務の専門家としての自覚を持ち、自ら率先して道を拓いていく、という方が税理士業界のみならずこれからの社会全体の発展に貢献していけるのではないでしょうか。
税理士として歩んでいくことを目標とする私たちにとっても非常に参考となる内容が盛り沢山の書籍ですので、是非お買い求めになってご一読頂ければと思います。
という訳で、今回はここまで。
次回もお楽しみに~
弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
サービス
セミナー
- 2025/05/25(日) 【テーマ別に解説】経理職の「自己PR」の書き方(WEB配信)
- 2028/04/15(土) 「横浜」個別転職相談会