お疲れ様です。ヨシオです。
今年のゴールデンウィークも4月28日（土）から9連休を取られている方には今日がちょうど中日となりますね。
企業や事務所にお勤めの税理士試験受験生の皆さんにとっては、今がまとまった勉強のできる大チャンスです。
専門学校のカリキュラムはこれから直前期となりますが、その前にここまでの半年ほどで積み重ねてきた学習内容をしっかり復習して基礎を固めましょう。
そうすれば合格するために必要な知識の土台は完成しますので、あとは答練や模試で答案作成力を高めることに集中できます。
さらに応用論点を少しずつでも身に付けていくことによって、ライバルである他の受験生たちとの差を広げていけます。
来週には受験申込の受付も開始されますが、税理士試験はまさにここからが正念場です。
本試験まで残り3ヶ月、とにかく頑張って勉強していきましょう！

前回は税理士が主人公の作品として、映画「不撓不屈」をご紹介しました。
映画をご覧いただいた方や小説をお読みになった皆さんにはお分かりでしょうが、こちらはかなり真面目で硬派な内容の物語でした。
今回も税理士を描いた作品をとりあげますが、少し趣向を変えて若干軽めなものにしたいと思います。

今回ご紹介するのは、公認会計士・税理士の山田真哉さんが現在連載している「世にも会計な物語」という小説です。
山田真哉さんと言えば、累計160万部以上を売り上げている「さおだけ屋はなぜ潰れないのか？」でご存知という方も多いかと思います。
この「さおだけ屋～」をはじめとして一般的にはとっつきにくいと思われている会計の話を、やさしくそして親しみやすい内容や文章で伝えるというのが山田さんの作品のコンセプトです。
恐らく公認会計士や税理士としては最も著作が売れているであろう山田さんですが、ちなみにその処女作は「女子大生会計士の事件簿」という小説でした。
こちらの作品も人気を博して漫画化やテレビドラマ化もされましたが、元々は資格の学校であるTACが毎月発行している「TAC NEWS」という雑誌で連載されていた作品です。
そして同じく「TAC NEWS」で山田さんが現在連載中の作品が今回とりあげる「世にも会計な物語」で、その舞台となっているのが税理士が所長をしている会計事務所なのです。

この「世にも会計な物語」、ストーリーは「竜ヶ水隼人」という若者がモデルを目指して鹿児島から上京してくる所から始まります。
主人公の一人であるこの「竜ヶ水隼人」はアイドルファンなのですが、上京してきて早々自分がファンであるアイドルをたまたま街中で見かけ、思わずその後を追ってしまいます。
そのアイドルは、とあるビルの中のオフィスに入っていくのですが、そこには「東京芸能会計事務所」という看板が掲げられていました。
この「東京芸能会計事務所」は芸能人専門の会計サービスを行っている事務所で、先程のアイドルもここに確定申告などをお願いしている顧客だったのです。
その後ひょんなことから竜ヶ水はこの会計事務所で働くことになるのですが、所長税理士である「天王洲あいる」も実は元人気アイドルで...、といった感じでお話が展開していきます。

2018年5月号で第84話となっていますのですでに7年間も連載が続いているこの作品ですが、主に一話ないしは数話でそれぞれ完結する短編小説となっています。
物語では所長税理士「天王洲あいる」のアイドル時代の人脈で現役アイドルやタレント、作曲家などが税金に関わる問題を持ち込んできます。
最初は部下である「竜ヶ水隼人」が対応するのですが失敗、そこに颯爽と「天王洲あいる」が現れて深い税務知識と優れた洞察力で見事解決、というのが基本的な話の流れです。
確定申告のために提出された領収書から謎を解くヒントを見つけるなど、会計事務所における実務的な内容も盛り込まれていて、面白いだけでなく税理士試験受験生としても結構勉強になる作品です。
芸能人専門の会計事務所が舞台ということで主に個人事業主の確定申告がテーマとなっていますが、最近では仮想通貨の取引があった場合の申告についてとりあげるなど、最新の税制を知る機会にもなっています。

なお連載されている「TAC NEWS」は全国にあるTACの校舎で手に入れることができますが、単行本としても以下の2冊が出版されています。

『あいるさん、これは経費ですか？　東京芸能会計事務所』
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4041021731/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4041021731&linkCode=as2&tag=yamadashinyak-22

『結婚指輪は経費ですか？　東京芸能会計事務所』
https://www.amazon.co.jp/gp/product/404102174X/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=404102174X&linkCode=as2&tag=yamadashinyak-22

少しの空いた時間にでもさっと読めて面白くて勉強にもなる、一粒で何度も美味しいおススメの作品ですので是非入手して読んでみて下さい。

最後に余談ですが、ヒロインであり所長税理士でもある「天王洲あいる」の名前から一部の方はお気付きの通り（？）この作品に登場する人物の名前は鉄道の駅名から取られています。
例えば「天王洲あいる」は東京モノレール「天王洲アイル」駅、「竜ヶ水隼人」はJR九州日豊本線「竜ヶ水」駅が元になっているようです。
そんな訳で鉄道ファンの方には様々な登場人物の名前がどの路線のどの駅に由来しているのか、という要素でも楽しんでいただけると思います。
さらに余談ですが、優秀なだけでなく美人で勝気なヒロイン「天王洲あいる」にちょっと頼りない男子「竜ヶ水隼人」が毎回のようにやり込められる、という物語の基本構図は前述の「女子大生会計士の事件簿」と全く同じだったりします。
きっと山田真哉さん憧れのシチュエーションなのでしょう。
その点はヨシオも山田さんとほぼ同世代のためか、非常に共感してしまいます（笑）

という訳で、今回はここまで。
次回もお楽しみに～