お疲れ様です。ヨシオです。

先週、平成30年度（第68回）税理士試験公告がありましたね。
まず驚いたのが、国税庁のウェブページがリニューアルされていたことです。
ブラウザの「お気に入り」から以前の「税理士試験情報」のページへアクセスした所、新しくなった国税庁のトップページへ飛ばされてしまい若干焦ってしまいました。

それはさて置き、今回の税理士試験では2つの大きな変更点があります。
一点目が受験手数料の値上げ、そしてもう一つが不合格であった場合の試験結果通知に得点の通知を加えるという変更です。
受験手数料については元々決して高くはなかったので仕方のない面もあるのでしょうが、個人的には得点の通知は無くても良かったかなと思っています。
と言いますのも、もし「59点」という結果が通知された場合のショックが大き過ぎると感じるからです（笑）
ヨシオも以前不合格で「A」判定のことがありましたが、それだけでも悔しいのにこれが仮に「59点」であったとしたら悔やんでも悔やみきれなかったと思います。
いずれにしましても今年の税理士試験は8月7日（火）～8月9日（木）に決定しましたので、残りの4ヶ月間悔いの残らないように勉強していきましょう！

テレビではちょうど春ドラマの放送が開始されている時期ですが、先月まで放送されていた冬ドラマで「99.9 -刑事専門弁護士-」という作品がありました。
アイドルグループ「嵐」の松本潤さんが主人公の弁護士を演じているドラマなのですが、2年前に放送されて好評であったシリーズの続編となっています。
今回放送された「SEASON II」も平均視聴率17.6％、最終回は20％を超える高視聴率となり、松本潤さんの代表作の一つとなるであろうドラマです。
振り返ってみますと堺雅人さん主演で話題となった「リーガル・ハイ」など、弁護士が活躍するドラマは結構ありますよね。
ちなみに今年の春ドラマでも神木隆之介さん主演の「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」という作品が4月21日（土）からNHKで放送されます。

翻って私たちの目指している税理士はと言うと、ドラマや映画などで目立っているシーンはなかなか思い浮かびません。
巨匠・伊丹十三監督の不朽の名作「マルサの女」のように税金をテーマとした作品は少なからずありますが、そのほとんどで国税局の査察官などが主人公となっています。
弁護士と税理士は同じ法律の専門家なのにここまで世間の扱いは違うのかと思ってしまいますが、確かに弁護士と比較して税理士の業務がエンターテインメント性に欠けているのは事実かもしれません。
前置きが長くなってしまいましたが、今回はそんな地味な税理士をあえて（？）主人公としている作品をご紹介いたしたいと思います。

今回ご紹介するのは2006年に公開された「不撓不屈」という映画です。
この映画は高杉良さんの同名小説を原作としており、実話に基づいた作品となっています。
主人公は会計システムなど会計事務所へのサービスを展開しているあの有名な「TKC」の創始者である飯塚毅税理士です。
物語は栃木県で会計事務所を営む飯塚税理士のもとに突然税務調査が入る所から始まります。
これはクライアントのために税務訴訟を起こしていた飯塚税理士への国税局からの嫌がらせで、さらに脱税指導の嫌疑までかけられてしまいます。
その不当な圧力に対して飯塚税理士が一歩も引かなかった結果、事務所の職員は逮捕、自身も自宅が強制捜査されて社会的な地位を失います。
そして事件は法廷での争いに発展し...、といった感じでストーリーは展開していきます。

前述の「マルサの女」などとは異なり、国税局が悪役として描かれているのが本作品の特徴だと思います。
この作品のベースとなったのは「飯塚事件」と呼ばれている実際の事件で、冒頭の税務調査が行われたのが1963年、判決が確定したのが1970年と長きに渡る闘争であったようです。
作品の中では飯塚税理士の行動は絶対的な正義として描かれていますが、ヨシオとしては税理士の使命とは何かを考えさせられる内容でした。
税理士のクライアントは納税者であり、そのクライアントのために税法の範囲内で行動することはもちろん正しいことです。
しかし昨今話題にもなっている富裕層の過度な節税対策などは、課税の公平性の観点から必ずしも正しいとは言い難いと個人的には感じています。
不正や不当な圧力は論外ですが、税理士と国税当局、それぞれにそれぞれの正義があります。
その中で全ての納税者にとってより良い課税のあり方を模索していくこと、それこそが税理士を目指す我々にとって進んでいくべき道なのではないでしょうか。

最終的に少し暑苦しいコラムになってしまいましたが、映画「不撓不屈」はこのように心が熱くなる見応えのある作品となっています。
税理士試験受験生の皆さんも税理士となった未来の自分を重ね合わせて、是非ご覧になってみて下さい。
また余談ですが、この作品について調べていて一番驚いたのは「TKC」が「栃木県計算センター」の略称だということでした（笑）

という訳で、今回はここまで。
次回もお楽しみに～