税理士試験の勉強法について(18)
お疲れ様です。ヨシオです。
税理士試験受験生の皆様、新年明けましておめでとうございます。
ふと振り返って数えてみました所、この連載で新年を迎えるのは今回でなんと6回目でした。
ここまで続いてきましたのもひとえにご愛読頂いております皆様のお陰でございます。
あらためまして皆様には心より感謝申し上げます。
拙い連載ではございますが、本年もお付き合い頂けますようどうぞよろしくお願いいたします。
という訳で、今回は「税理士試験の勉強法について(18)」です。
『税理士試験突破法 第3版』(TAC出版)の内容をベースに、ヨシオがこれまで培ってきた勉強法などについてお話しております。
今回も引き続き第4章「科目選択と科目別の勉強法」の記述についてとりあげます。
前回まで見てきました第1節に続いて、第2節以降は科目ごとに具体的な勉強方法が紹介されています。
まず第2節は「簿記論の勉強法」というテーマです。
この節では冒頭に「日商2級までの基礎知識を完璧にマスターする」と書かれています。
その心は、「簿記論」は税理士試験科目の中でも最も基礎力が重要な科目であり、その基礎力の中でも日商簿記2級の基礎知識が特に重要である、ということです。
ヨシオは「簿記論」の勉強を始める前に、すでに日商簿記3級・2級・1級を学習済みであり、かつ全て合格もしていました。
日商簿記2級からすぐに「簿記論」に挑戦した訳ではないのでぴったりとは当てはまりませんが、ここでの記述は基本的に納得の内容です。
と言うのも、当たり前なのですが日商簿記1級の勉強においては日商簿記2級の基礎知識が絶対に欠かせないものであったからです。
以前もこの連載でお話しいたしましたが、日商簿記1級の学習範囲は「簿記論」のそれをほぼ包摂する形になっています。
ですので当然「簿記論」でも日商簿記2級の基礎知識が必須になるということは良く分かります。
そして次に「簿記論」の基本は「仕訳」である、ということが述べられています。
試験問題の多くは「仕訳ができるか」ということを問う内容であるため、「仕訳」こそが最も重要である、ということです。
専門学校では問題によっては図や表を使って解答を導くテクニックも教えてくれたりします。
しかしそれも仕訳が出来ることが大前提であって、もし少しでも捻った問題が出されてしまった場合、基本である仕訳が思い浮かばなければそこで終了です。
ヨシオも全ての問題で仕訳を書くことはありませんでしたが、基本的には仕訳をイメージしながら解くようにしていました。
また特定の問題(その他有価証券の期末評価など)では必ず仕訳を問題用紙に手書きし、その上で計算用紙のT勘定に転記、集計して解答用紙に記入、という流れで解答していました。
何しろ「『簿記』論」な訳ですから、やはり「仕訳」が第一です。
さらに勉強方法としては「総合問題ばかり解くのは間違い」ということも述べられています。
「簿記論」の総合問題は、決算整理前残高試算表から決算整理や修正処理を行って決算整理後の残高試算表を作成する、というのが最も多いパターンです。
このような問題は、どんなにボリュームがあって複雑に見えても、結局は個別の処理を積み重ねていくことがベースとなります。
ですのでやや乱暴に言ってしまえば、総合問題とはあくまで複数の個別問題の集合体に過ぎないのです。
テキストや問題集の個別問題で学習し、個々の処理がしっかり出来るようになって初めて総合問題もきちんと解けるようになります。
遠回りのようですが、やはり基本的な問題からコツコツ練習していくことこそが重要です。
この後本書では「実力を飛躍的に伸ばす勉強法」として具体的な勉強方法が4つ紹介されています。
その内容は是非本書をお買い求めの上でお確かめ下さい。
そして本節の最後では「解答スピード」についてとりあげられています。
そこで記述されていることとも同じですが、スピードを上げるためにヨシオが個人的に最も重要だと考えるのが「判断力」です。
その問題がすぐに解けるものなのかどうかを瞬時に判断し、難しそうならばすぐに飛ばしてしまい、解けそうな場合は即座に解答への道筋をイメージしなければなりません。
「問題を読む時間」や「解答する時間(仕訳や集計などをする時間)」を速くすることはある程度出来ますが、速くなり過ぎるとミスの原因にも直接つながってしまいます。
しかし問題内容を理解してから解法を導くまでの時間、つまり「考える時間」は鍛錬を積むことでかなり短くすることが出来ますし、間違えることもほとんどなくなります。
ヨシオの感覚からすると、問題を読み終わるのとほぼ同時に反射神経のようにして手が動かなければダメです。
実際「簿記論」の試験問題はかなりのボリュームですので、少しでも考え込んでしまったらタイムオーバーで合格レベルの解答は作成出来ません。
そうならないためには、たくさんの問題を解くことで頭と身体に解き方を覚えさせてしまうことが一番です。
「簿記論」に限った話ではありませんが、税理士試験の勉強は一定以上の量をこなさない限り合格することは到底叶わない、というのが現実なのです。
という訳で、今回はここまで。
次回もお楽しみに~
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