「簿記論」と日商簿記1級について(5)
お疲れ様です。ヨシオです。
まだまだ残暑厳しい折、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今年の税理士試験から既に1ヶ月半も経っておりますが、結果発表まではまだ3ヶ月近くあります...とりあえず今年の結果のことは一旦忘れて、勉学の秋に勤しみましょう。
という訳で、今回は「簿記論」と日商簿記1級について(5)です。
前回は「簿記論」と日商簿記1級との出題傾向の違いについてお話ししましたが、今回は問題の解き方の違いについてお話したいと思います。
日商簿記1級、「簿記論」共に難易度の高い試験であることは共通していますが、以前お話しいたしましたように、特に「簿記論」は問題量自体が非常に多く、基本的には全ての問題に解答することは困難です。そこで問題を解くにあたっては戦略が必要となります。
これも以前お話ししました通り、「簿記論」は大きく三問に分かれますが、それぞれの問題をどのような時間配分で解くかについては定石があります。それは、第一問を30分、第二問を30分、第三問を60分で解く、というものです。人によっては、25分・25分・55分で解き残りを見直しの時間にする、というような人もいますが、基本的な時間配分はほぼ同じです。
「簿記論」の配点は、第一問25点・第二問25点・第三問50点と決められており、この配点の割合で解答時間も配分するのが効率が良いためです。
また、税理士試験の合格点は100点満点のうちの60点です。極端な話をすれば、第三問で50点取れれば残りは第一問・第二問で10点取れば合格です。
第一問や第二問が難問であった場合、そこに時間をかけ過ぎた上得点も伸びず、第三問で時間がなくなって撃沈、というのが良くあるケースのようです。
全部解けていなくても30分ないし25分経ったら次の問題へ進むのが正しい戦術です。
さらに「簿記論」ではその問題が時間内に解答可能なのか見極める力が重要となります。
問題や個々の処理を、「すぐに解ける問題」、「時間をかければ解ける問題」、そして「難しくて解けそうもない問題」という性質に問題文から瞬時に分類し、まず「すぐに解ける問題」から手を付け、時間がなければ難しい問題は捨てる、という取捨選択を正しく行わなければなりません。
対して日商簿記1級では、それ程問題の取捨選択は重要ではありません。
日商簿記1級は「商業簿記」「会計学」「工業簿記」「原価計算」それぞれ25点の配点で、合格点は100点満点のうち70点なのですが、たとえ全体で70点以上取っていても、一科目でも10点未満の科目があると不合格となります。
そのため仮にある科目が超難問であってもせめて半分近くは正解しないといけないので、そこを捨てて他の科目でカバーする、という戦術が取りにくいのです。
また「簿記論」ほど問題量も多くないので、効率的に問題を解くことは勿論重要ですが、あまり時間配分をシビアに考えず全ての問題に取り組んでいくことが必要です。
以上、全5回にわたって日商簿記1級と「簿記論」についてお話してきましたが、次回からは皆さんお楽しみ?今年の税理士試験体験記をお送りいたしたいと思います。
今年の試験ではヨシオの身に一体何が起こったのか!?
乞うご期待です!!
という訳で、今回はここまで。
次回もお楽しみに〜
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