「簿記論」と日商簿記1級について(4)
お疲れ様です。ヨシオです。
9月になりましたが、そろそろ各専門学校でも来年受験に向けた税理士講座が開講される時期だと思います。私ヨシオもすでに専門学校に受講料も納めて準備万端です。税理士受験生の皆さん、来年の試験に向けてお互い頑張りましょう!
という訳で、今回は「簿記論」と日商簿記1級について(4)です。
前回は「簿記論」と日商簿記1級との問題形式の違いについてお話ししましたが、今回は両者の出題傾向の違いについてお話したいと思います。
理論問題については「簿記論」ではほとんど出題されないので除外しまして、まず総合計算問題についてです。日商簿記1級では「商業簿記」で1問だけ出題されますが、主にオーソドックスな決算整理型問題・本支店会計決算整理型・連結会計決算整理型といった所が多く出題されます。
対して「簿記論」では第一問の総合問題でオーソドックスな決算整理型・本支店会計決算整理型・製造業会計決算整理型などが出題されます。第三問の総合問題ではオーソドックスな決算整理型・製造業会計決算整理型・そして期中処理+決算整理型のいずれかが出題されることが多いです。
総合問題について相違点をまとめると、以下のような感じです。
・連結会計は日商簿記1級では頻出問題だが、「簿記論」ではこれまでほとんど出題されていない。
・「簿記論」では頻出の製造業会計は、日商簿記1級には「工業簿記・原価計算」があるため、「商業簿記」では出題されない。
・「簿記論」では期中処理+決算整理型が多いが、日商簿記1級ではあまり
出題されない。
個別計算問題については、総合問題の個々の処理よりも難易度が高めの問題が出る、新しい会計基準に係る問題が出易い、などの傾向は大体同じです。問題の質も似ていると思うのですが、一点個人的に大きく違うと感じたのは、「簿記論」の個別問題では特殊仕訳帳などの帳簿記入の問題が意外と出題されることです。日商簿記では3・2級の第2問で出題されますが、1級ではまず出題されることのない論点です。
ちなみにヨシオが受験した昨年(第61回)の「簿記論」では、第一問と第二問の問1が仕訳問題(結構マニアックな論点が多い)、第二問の問2・問3は仕入債務や帳簿記入といった基本問題、第二問の問4が新株予約権の問題(これもマニアックな論点あり)、そして第三問が決算処理後残高試算表の誤処理を修正する、という変わった形式でした。
全体に例年とは異なる問題形式・出題傾向でしたが、ボリュームが少なく、時間内に全問解くことが出来ました。(勿論わからない問題は少なからずありましたが)専門学校の講師曰く、昨年は震災の影響で作問者の先生も試験問題を作成するのにあまり時間をかけられなかったせいではないか、とのことでした。
という訳で、今回はここまで。
次回もお楽しみに〜
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