為替手形(2)
こんにちは!
今回も引き続き、為替手形の問題点をお話しします。
まず、実務上の問題点を伝えたいと思います。
それでは、「為替手形」を引き受けて貰うのが困難な場合に
買掛金をどのようにして支払っているでしょうか。
多くの場合、自社の売り上げの大きな部分を占める得意先に
「約束手形」を分割して振り出して貰い、その約束手形に
裏書きをして、支払に充てています。
例を挙げて手順を示します。
得意先M商事、当月集金額¥105,000,000(約束手形)
買掛金①A商店¥52,500,000
②B商店¥31,500,000
③C商店¥21,000,000
の場合に、M商事に¥105,000,000の約束手形1枚ではなく
¥52,500,000と¥31,500,000と¥21,00,000の3枚を振出して
貰います。
合計金額は同じですが、振出す手間と、貼付(ちょうふ)する
収入印紙代が違います。振出す手間は、通常、無償で行ってくれます。
収入印紙代の差額は、もちろん、依頼した企業が負担します。
この場合、特別な依頼をしなければ、M商事は¥100,000,000
と¥5,000,000の約束手形を振出し、必要な収入印紙代は
¥20,000と¥1,000で計21,000です。
これを、当方の依頼通りの約束手形3枚を振出した場合には、
収入印紙代に、¥20,000と¥10,000と¥6,000掛かり、合計で
¥36,000となります。その差額は、¥15,000です。
そこで、¥15,000分の収入印紙を同封し、手形の分割振出しを
依頼する旨の書面を、M商事に送付します。
もし、集金日と支払日が同じ場合には、集金を朝一番で行い、
支払は午後にしてもらうよう依頼しておきます。
回収した約束手形に裏書をし、支払先に渡し、領収証を貰います。
自社が振出す約束手形のサイトと、M商事が振出した約束手形
のサイトが多少異なっても、M商事が超一流の企業であれば
「不渡」の可能性が極めて小さいため、集金する企業にとって
は、このサイトの差は大きな問題にはなりません。
(金利より不渡リスクの方がはるかに大きいので)
以上が、実務上行われている、得意先への約束手形分割振出し依頼と、
仕入先への受取手形裏書譲渡の手順です。
この方法を用いれば、「為替手形」を振り出す必要はなくなります。
弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。