現役実務家が教える!簿記と実務の「差」
為替手形
こんにちは!本日は為替手形についてお話しします。
日商簿記試験でも重要な為替手形、実務ではどのように使用
するのでしょうか?
出題
商品¥120,000を仕入れ、代金のうち¥100,000については、
売掛金のある得意先を名宛人とする為替手形を振り出し、
得意先の引受けを得て渡し、残額は掛けとした。
解答
借方 仕入 120,000 貸方 売掛金 100,000
買掛金 20,000
【実務上の問題点】
結論から申し上げますが、実務上、この出題のように「本来」
の意味での為替手形はほとんど流通していません。
その理由を述べます。
まず、上記の出題中にある「得意先の引受けを受けて」という
のは、どのようにして得意先が引き受けるのでしょうか。
得意先まで出向いて、ご担当者の印鑑をいただくか、電話で
了解を得るかが、考えられる引受け手段です。
「電話で了解」は、「証拠」がありませんから、実務上絶対
に避けるべきです。
となると、支払先を待たせて、得意先まで出向き、ご担当の
方に押印をしてもらい、会社に戻って、お待ちいただいた
支払先にその手形を渡す、という手順になります。
これでは、半日かかります。
まず、このような意味で、本来の為替手形は流通しません。
ただし、手形法第一条の三に、「支払を為すべき者(支払人)
の名称」と、規定されており「押印」は強制されておりません。
これは、同条第八の「手形を振出す者(振出人)の署名」と
対照的です。
ただ、法律上、支払人は記名だけで有効だといっても、
振出人が支払人の許可なく「M商事」等と記載している
可能性があり、受取人がこのような為替手形の受取を拒否するでしょう。
以上の2点から、「本来の意味での」為替手形は実務上、
ほとんど流通していません。
では、「どのような為替手形」が流通しているのでしょうか。
それは、本来は「約束手形」を振出すべき債務者が為替手形の
「支払人」欄に自社の名称を記載し、「引受人」欄に、
自社の署名(記名押印)し、「振出人」欄と「受取人」
欄を空欄のまま、支払先に渡す、という形で流通しています。
本来、約束手形を受取るべき債権者は、この為替手形の
「振出人」欄に、署名(記名・押印)し、受取人欄に自社の
名称を記載し、印紙税法で規定された収入印紙を自社負担で
貼付します。
このような、紛らわしい行為が可能なのは、手形法第三条に
「自己宛為替手形を振出すこと可能」との規定があるからです。
手形に貼付(ちょうふ)する収入印紙代は、「振出人」が
負担します。
この手段を使うと、本来の手形振出人は
貼付すべき収入印紙代の負担を免れることが可能です。
その代わり、受取人は、手形と領収証の両方に収入印紙を
貼付することになります。(ダブルパンチです)
商道徳上、このような為替手形も次第に少なくなっています。
日商簿記試験でも重要な為替手形、実務ではどのように使用
するのでしょうか?
出題
商品¥120,000を仕入れ、代金のうち¥100,000については、
売掛金のある得意先を名宛人とする為替手形を振り出し、
得意先の引受けを得て渡し、残額は掛けとした。
解答
借方 仕入 120,000 貸方 売掛金 100,000
買掛金 20,000
【実務上の問題点】
結論から申し上げますが、実務上、この出題のように「本来」
の意味での為替手形はほとんど流通していません。
その理由を述べます。
まず、上記の出題中にある「得意先の引受けを受けて」という
のは、どのようにして得意先が引き受けるのでしょうか。
得意先まで出向いて、ご担当者の印鑑をいただくか、電話で
了解を得るかが、考えられる引受け手段です。
「電話で了解」は、「証拠」がありませんから、実務上絶対
に避けるべきです。
となると、支払先を待たせて、得意先まで出向き、ご担当の
方に押印をしてもらい、会社に戻って、お待ちいただいた
支払先にその手形を渡す、という手順になります。
これでは、半日かかります。
まず、このような意味で、本来の為替手形は流通しません。
ただし、手形法第一条の三に、「支払を為すべき者(支払人)
の名称」と、規定されており「押印」は強制されておりません。
これは、同条第八の「手形を振出す者(振出人)の署名」と
対照的です。
ただ、法律上、支払人は記名だけで有効だといっても、
振出人が支払人の許可なく「M商事」等と記載している
可能性があり、受取人がこのような為替手形の受取を拒否するでしょう。
以上の2点から、「本来の意味での」為替手形は実務上、
ほとんど流通していません。
では、「どのような為替手形」が流通しているのでしょうか。
それは、本来は「約束手形」を振出すべき債務者が為替手形の
「支払人」欄に自社の名称を記載し、「引受人」欄に、
自社の署名(記名押印)し、「振出人」欄と「受取人」
欄を空欄のまま、支払先に渡す、という形で流通しています。
本来、約束手形を受取るべき債権者は、この為替手形の
「振出人」欄に、署名(記名・押印)し、受取人欄に自社の
名称を記載し、印紙税法で規定された収入印紙を自社負担で
貼付します。
このような、紛らわしい行為が可能なのは、手形法第三条に
「自己宛為替手形を振出すこと可能」との規定があるからです。
手形に貼付(ちょうふ)する収入印紙代は、「振出人」が
負担します。
この手段を使うと、本来の手形振出人は
貼付すべき収入印紙代の負担を免れることが可能です。
その代わり、受取人は、手形と領収証の両方に収入印紙を
貼付することになります。(ダブルパンチです)
商道徳上、このような為替手形も次第に少なくなっています。
掲載日:
※本コラムに掲載されている情報は、掲載した時点での情報です。
弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
RANKINGオススメ
サービス
サービス
1位
2位
3位
SEMINAR新着
セミナー
セミナー
- 2025/05/25(日) 【テーマ別に解説】経理職の「自己PR」の書き方(WEB配信)
- 2028/04/15(土) 「横浜」個別転職相談会