割引手形不渡
こんにちは!
今日は「割引手形不渡」です。
少々物騒な話ですが、現実に起こりうる話です...。
<出題>
山形商店から売掛金決済のために受け取り、すでに某銀行
割引に付していた、同店振出し、当店あての約束手形¥900,000が
満期日に支払拒絶されたため、同銀行より償還請求を受け、
小切手を振り出して決済した。また、満期日後の延滞利息¥2,300は
現金で支払い、手形金額とともに山形商店に対して支払請求した。
<解答>
借方 不渡手形 902,300 貸方 当座預金 900,000
現金 2,300
<実務上の留意点>
受取手形を割引いた際に、簿記上の仕分けは以下の3つ
の方法があります。
①貸方に「割引手形」勘定を用いる方法
②貸方に「支払手形」勘定を用い、
借方 手形割引義務見返 貸方 手形割引義務
と処理をする方法
③貸方に「支払手形」勘定を用い、保証債務を時価評価
する方法
実務上は、③の処理を避けることをお勧めします。
その理由を述べます。
①手形の不渡りは、「偶発債務」と言われていますが、
閏年に1 回発生するようなきわめて稀なことではあり
ません。極論ですが、受取手形はいつ不渡を起こしても
不思議ではありません。常に、不渡りに対処しておく必要が
あります。その意味で、上記の③の処理方法を採った場合には、
割引いた手形金額が「会計上」は不明です。
(「受取手形管理帳」で管理していればそれを参照すればわかりますが)
上記①か②の処理をしていれば、割引手形の残高が会計上も把握可能で、
それに対処することも可能です。
②簿記の解答では、「小切手を振出して決済した」とありますが、
実務上、簡単に小切手を振出して決済できません。
なぜなら、小切手を振出して決済できる
余裕があれば、そもそも受取手形を割引きません。
(コスト増加、リスク増加)
つまり、受取手形を割引くのは、その金額が必要だから
です。その結果、割引いた手形が万一、不渡りになった
場合には、「連鎖倒産」に陥る可能性が大きいといえます。
③では、資金繰りを行う上で、手形を割引く必要に迫られ
た場合には、どうすればよいのでしょう。
結論として、割引いた手形が不渡りになっても、その日
は何とかしのげるように、資金繰りを組むことをお勧め
します。当日の午後3時までに何とかしなければいけない
のと、翌日中に何とかしなければいけないのとでは、
わずか1日の違いですが、天と地ほどの違いがあります。
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