現役実務家が教える!簿記と実務の「差」
長期前払費用
さて、今日は長期前払費用についてのお話です。
【出題】
保険料のうち¥144,000は平成2×年8月1日に向こう3年分を
支払ったものである。(12月末決算)
【解答】
前払費用 48,000 保険料 124,000
長期前払費用 76,000
【解説】
3年間分で¥144,000の保険料ですから、1箇月分の保険料は
¥4,000と計算されます。
当期の経過月数は5箇月ですから、5×4,000=20,000と計算されます。
支払った金額¥144,000から経過した保険料¥20,000を差引くと、
残額は¥124,000となります。
一方、1箇月の保険料は¥4,000ですから、(短期)前払費用
は¥48,000(12箇月分)だけで、残りは長期前払費用となります。
【実務上は...】
「毎期」一定の期日に「1年分」の保険料を支払う場合には支払い時に、
全額費用処理をする場合が多くあります。
その根拠は
①「毎期」「1年分を前払い」するので、会計上の「期間損益」
比較を損なうことがない。
②法人税法上、「短期前払いの特例」という制度があり、
支払い時に損金経理が是認されている。
の2点です。
ところが、この出題のように「3年分」の前払いの場合には
上の①、②共に是認されなくなります。
簿記の出題ですから、金額が小さくなっていますが、このように
1年を超える期間の前払いをした場合には、当期の費用と、
翌期の費用と、さらにそれ以降の費用とに正確に分離認識する
習慣をつけることをお勧めします。
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弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
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