現役実務家が教える!簿記と実務の「差」
手形更改
簿記の学習と、実務上の差異について「簿記の過去問」を例に解説!
●出題
得意先の依頼により、期日が到来した受取手形¥1,050,000を更改し、
利息¥10,000を加算した¥1,060,000の約束手形を受け取った。
●解答
借方 受取手形 1,060,000 貸方 受取手形 1,050,000
受取利息 10,000
実務上、
手形の更改申し入れには応じないことをお薦めします。
手形振出人の手形更改依頼文句は決まっています。
「一時的に資金が不足しました。来月には目途がついています。そこで、
皆さんに更改をお願いしています。御社も是非お願いします。」
このように依頼されると、
●拒否すれば直ちに不渡を出すかもしれない。
●来月には多少の目途が付いているのだろう。
という思いで更改に応じます。
ここで冷静に考えるとこの「」内は全て嘘であることが分かります。
「皆さんにお願いしています。」に関して計算して見ましょう。
当該振出人が、卸売業だと仮定すると、売上高の90%が売上原価です。
(消費税の簡易課税制度における卸売業の原価率は90%とされています。)
月商1億円の卸売業者が「皆さんに」手形の更改を依頼し、「皆さんが」
それに応じたとすると、¥90,000,000の決済を1ケ月先延ばししたことに
なります。
この金額を何に使うのでしょうか?
資金繰りがそんなに急激に悪化するのでしょうか?
次に、もし「皆さんに」お願いし、¥90,000,000の決済を1ケ月繰り延べたとして、
来月に¥180,000,000の手形を決済する資金が、どこから出てくるでしょうか?
どう考えても、この大金が出てくるとは思えません。
そこで、実務上、受取手形の更改を依頼されたら、
「御社には、当社が資金繰りは楽だと見えるかも知れません。しかし、実のところ、
当社も御社に負けず、資金繰りは苦しいのです。
他社に更改を依頼して頂き、当社の分は是非決済してください。」といって、
更改を拒否するのが最善でしょう。
その結果、その手形が不渡りになるようでしたら、更改をしていても、どの道、
不渡になっています。
上記の拒絶に対し、「どうしてもなんとか」と依頼されたら、「せめて半額でも
現金決済をお願いします。」と交渉し、リスクを半減しましょう。
企業文化により、得意先の手形更改依頼にどのように応じるかは違いがあるで
しょうが、上で述べたように「全ての取引先に交渉し」、「全ての取引先が応じて
いる」ことは、計算上あり得ないことは事実です。
これを踏まえて決断することをお薦めします。
●出題
得意先の依頼により、期日が到来した受取手形¥1,050,000を更改し、
利息¥10,000を加算した¥1,060,000の約束手形を受け取った。
●解答
借方 受取手形 1,060,000 貸方 受取手形 1,050,000
受取利息 10,000
実務上、
手形の更改申し入れには応じないことをお薦めします。
手形振出人の手形更改依頼文句は決まっています。
「一時的に資金が不足しました。来月には目途がついています。そこで、
皆さんに更改をお願いしています。御社も是非お願いします。」
このように依頼されると、
●拒否すれば直ちに不渡を出すかもしれない。
●来月には多少の目途が付いているのだろう。
という思いで更改に応じます。
ここで冷静に考えるとこの「」内は全て嘘であることが分かります。
「皆さんにお願いしています。」に関して計算して見ましょう。
当該振出人が、卸売業だと仮定すると、売上高の90%が売上原価です。
(消費税の簡易課税制度における卸売業の原価率は90%とされています。)
月商1億円の卸売業者が「皆さんに」手形の更改を依頼し、「皆さんが」
それに応じたとすると、¥90,000,000の決済を1ケ月先延ばししたことに
なります。
この金額を何に使うのでしょうか?
資金繰りがそんなに急激に悪化するのでしょうか?
次に、もし「皆さんに」お願いし、¥90,000,000の決済を1ケ月繰り延べたとして、
来月に¥180,000,000の手形を決済する資金が、どこから出てくるでしょうか?
どう考えても、この大金が出てくるとは思えません。
そこで、実務上、受取手形の更改を依頼されたら、
「御社には、当社が資金繰りは楽だと見えるかも知れません。しかし、実のところ、
当社も御社に負けず、資金繰りは苦しいのです。
他社に更改を依頼して頂き、当社の分は是非決済してください。」といって、
更改を拒否するのが最善でしょう。
その結果、その手形が不渡りになるようでしたら、更改をしていても、どの道、
不渡になっています。
上記の拒絶に対し、「どうしてもなんとか」と依頼されたら、「せめて半額でも
現金決済をお願いします。」と交渉し、リスクを半減しましょう。
企業文化により、得意先の手形更改依頼にどのように応じるかは違いがあるで
しょうが、上で述べたように「全ての取引先に交渉し」、「全ての取引先が応じて
いる」ことは、計算上あり得ないことは事実です。
これを踏まえて決断することをお薦めします。
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※本コラムに掲載されている情報は、掲載した時点での情報です。
弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
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