現役実務家が教える!簿記と実務の「差」
現金過不足
簿記の学習と、実務上の差異について「簿記の過去問」を例に解説!
●出題
現金の実際有高が帳簿残高より多かったため、現金過不足勘定で処理されていた
¥8,500のうち、¥7,000は受取手数料の記入漏れであることが決算日にいたり判
明した。残額については不明のため、適当な科目に振り替えることにした。
●解答
解答1
借方 現金過不足 7,000 貸方 受取手数料 7,000
現金過不足 1,500 雑益 1,500
解答2
借方 現金過不足 8,500 貸方 受取手数料 7,000
雑益 1,500
実務上、強調しておくべきことが2つあります。
まず、解答は、恐らく「解答2」を正解としているだろうということです。
実務上は、現金過不足の原因が判明した順番に「単行仕訳」をし、最後にどうし
ても原因不明の金額を雑損若しくは雑益に振り替えます。
(つまり、解答1になります)
全部の原因が分かるまで待ち、必ず複合仕訳をするとは限りません。
次にもっと重要な事があります。
現金過不足を問題にする場合の「主語」は現金有高で、帳簿残高ではない、
ということです。
この点は、日商簿記の過去問で、帳簿残高が主語として出題されたことはありません。
しかし、他の団体が主催する経理に関する出題や、日商簿記に関する解説書には、
帳簿残高が「主語」となっているものが散見されます。
(例:期末の調査において、現金勘定の残高が、現金有高より500円多かった、等)
実務上、現金過不足は「現金が」余っているか、合っているか、足りないかであって、
帳簿残高が多いか、合っているか、少ないか、ではありません。
必ず、「現金が」足りないといい、帳簿が余っているとはいいません。
●出題
現金の実際有高が帳簿残高より多かったため、現金過不足勘定で処理されていた
¥8,500のうち、¥7,000は受取手数料の記入漏れであることが決算日にいたり判
明した。残額については不明のため、適当な科目に振り替えることにした。
●解答
解答1
借方 現金過不足 7,000 貸方 受取手数料 7,000
現金過不足 1,500 雑益 1,500
解答2
借方 現金過不足 8,500 貸方 受取手数料 7,000
雑益 1,500
実務上、強調しておくべきことが2つあります。
まず、解答は、恐らく「解答2」を正解としているだろうということです。
実務上は、現金過不足の原因が判明した順番に「単行仕訳」をし、最後にどうし
ても原因不明の金額を雑損若しくは雑益に振り替えます。
(つまり、解答1になります)
全部の原因が分かるまで待ち、必ず複合仕訳をするとは限りません。
次にもっと重要な事があります。
現金過不足を問題にする場合の「主語」は現金有高で、帳簿残高ではない、
ということです。
この点は、日商簿記の過去問で、帳簿残高が主語として出題されたことはありません。
しかし、他の団体が主催する経理に関する出題や、日商簿記に関する解説書には、
帳簿残高が「主語」となっているものが散見されます。
(例:期末の調査において、現金勘定の残高が、現金有高より500円多かった、等)
実務上、現金過不足は「現金が」余っているか、合っているか、足りないかであって、
帳簿残高が多いか、合っているか、少ないか、ではありません。
必ず、「現金が」足りないといい、帳簿が余っているとはいいません。
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弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
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