現役実務家が教える!簿記と実務の「差」
退職金仮払
簿記の学習と、実務上の差異について「簿記の過去問」を例に解説!
●出題●
仮払金¥200,000は、定年退職した従業員の退職金を支払った際に計上
したものである。
なお、当期中にこの従業員に対する退職給付費用は発生していない。
(参考:退職給付引当金残高¥850,000)
<解答>
借方 退職給付引当金 200,000 貸方 仮払金 200,000
<簿記の解説>
退職金の支給に関しては、各年度における退職者の数が異なるため、退職時
に「退職金」という費用科目で処理をすると、各年度の損益がその影響を受け、
変動します。
それを避けるため、毎期、借方 退職給付引当金 貸方 退職給付繰入額と
して、引き当てます。
そして、退職金を支払った場合には、借方勘定科目は「退職金等」ではなく、
「退職給付引当金」を使用します。
その意味では、この出題は実務上も同じといえます。
<ただし>
従業員が退職する時に支給する退職給付金に関し、「仮払金」勘定で処理をし、
それを決算時まで正しい勘定科目に振り替えないことは、「絶対に」ありません。
なぜか
理由は3つあります。
1.退職金に掛る源泉所得税があり、「仮払金」勘定を使用すると、源泉所得税
の控除が漏れる可能性が極めて高くなる。
(源泉所得税は、当該退職金が支給された翌月の10日までに納付する義務が
あります。)
2.せっかく、「退職給付引当金」を毎期計上しているから、それを取り崩すの
は当然である。
3.役員の退職金に関しては、税法上、問題になることがあるので、「仮払金」
として処理をし、後日(期末ではなく)、顧問税理士に相談することもありま
すが、従業員の退職金に対する税法上の規制は「源泉所得税」以外ありません。
●出題●
仮払金¥200,000は、定年退職した従業員の退職金を支払った際に計上
したものである。
なお、当期中にこの従業員に対する退職給付費用は発生していない。
(参考:退職給付引当金残高¥850,000)
<解答>
借方 退職給付引当金 200,000 貸方 仮払金 200,000
<簿記の解説>
退職金の支給に関しては、各年度における退職者の数が異なるため、退職時
に「退職金」という費用科目で処理をすると、各年度の損益がその影響を受け、
変動します。
それを避けるため、毎期、借方 退職給付引当金 貸方 退職給付繰入額と
して、引き当てます。
そして、退職金を支払った場合には、借方勘定科目は「退職金等」ではなく、
「退職給付引当金」を使用します。
その意味では、この出題は実務上も同じといえます。
<ただし>
従業員が退職する時に支給する退職給付金に関し、「仮払金」勘定で処理をし、
それを決算時まで正しい勘定科目に振り替えないことは、「絶対に」ありません。
なぜか
理由は3つあります。
1.退職金に掛る源泉所得税があり、「仮払金」勘定を使用すると、源泉所得税
の控除が漏れる可能性が極めて高くなる。
(源泉所得税は、当該退職金が支給された翌月の10日までに納付する義務が
あります。)
2.せっかく、「退職給付引当金」を毎期計上しているから、それを取り崩すの
は当然である。
3.役員の退職金に関しては、税法上、問題になることがあるので、「仮払金」
として処理をし、後日(期末ではなく)、顧問税理士に相談することもありま
すが、従業員の退職金に対する税法上の規制は「源泉所得税」以外ありません。
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弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
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