現役実務家が教える!簿記と実務の「差」
銀行勘定調整表
簿記の学習と、実務上の差異について「簿記の過去問」を例に解説!
●出題
当座預金について銀行勘定調整表を作成したところ、次の事実が判明した。
(1)売掛金の振込のうち未記帳分 ¥58,000
解答 借方 当座預金 58,000 貸方 売掛金 58,000
実務上、振込があったのに、当座預金照合表に記載なく、送付されることは
ありません。
もし、そのような事があれば、銀行の信用問題になります。
(2)買掛金の支払いのため振り出した小切手のうち未取付分 ¥64,000
解答 仕訳なし
実務上、よく発生します。
これを防ぐ方法は、決算日近くになったら、小切手による支払いをしないで、
振り込むことです。
(3)広告宣伝費支払のため振り出した小切手のうち未渡分 ¥47,000
解答 借方 当座預金 47,000 貸方 未払金 47,000
実務上発生する可能性はあります。
振り出した小切手が手許にあるということは、支払条件に基づいて振り出し、
広告をした企業が集金に来なかったということでしょう。取り決めた支払時に
集金に来ない相手にも落ち度がありますが、集金に来るよう催促をしなかった
経理担当者にも一端の責任はあります。
期末が近いので、早く集金に来るよう催促し、可能な限り「銀行勘定調整表」
を書かなくても済むようにするのも、経理担当の責務です。
(4)支払手形の決済の未記帳分 ¥72,000
解答 当座預金 72,000 支払手形 72,000
実務上「ほとんど」例はありません。
ただ、手形は満期日を含め3日以内に交換に出せば、資金化されます。
そこで、満期日が3月31日で、決済されたのが4月2日なら、「銀行勘定調整表」
の記載対象になるでしょう。
以上のまとめ
「銀行勘定調整表」は、「振込」という制度がなく、決済の大半が小切手により行われ
た時代には、決算時に必ず発行しました。
しかし、「振込」制度がある現在では、可能な限りこれを発行しないように留意すべき
です。
なぜなら、例えば(3)の「未渡し」の場合に、3月31日(決算日)に本当に手許にあっ
たかどうかを証明するのに、無駄な労力を費やします。
経理担当者として、職務上「無駄な」労力を費やすことは避けましょう。
(詳しくは当社の「現金・預金」講座で解説します)
●出題
当座預金について銀行勘定調整表を作成したところ、次の事実が判明した。
(1)売掛金の振込のうち未記帳分 ¥58,000
解答 借方 当座預金 58,000 貸方 売掛金 58,000
実務上、振込があったのに、当座預金照合表に記載なく、送付されることは
ありません。
もし、そのような事があれば、銀行の信用問題になります。
(2)買掛金の支払いのため振り出した小切手のうち未取付分 ¥64,000
解答 仕訳なし
実務上、よく発生します。
これを防ぐ方法は、決算日近くになったら、小切手による支払いをしないで、
振り込むことです。
(3)広告宣伝費支払のため振り出した小切手のうち未渡分 ¥47,000
解答 借方 当座預金 47,000 貸方 未払金 47,000
実務上発生する可能性はあります。
振り出した小切手が手許にあるということは、支払条件に基づいて振り出し、
広告をした企業が集金に来なかったということでしょう。取り決めた支払時に
集金に来ない相手にも落ち度がありますが、集金に来るよう催促をしなかった
経理担当者にも一端の責任はあります。
期末が近いので、早く集金に来るよう催促し、可能な限り「銀行勘定調整表」
を書かなくても済むようにするのも、経理担当の責務です。
(4)支払手形の決済の未記帳分 ¥72,000
解答 当座預金 72,000 支払手形 72,000
実務上「ほとんど」例はありません。
ただ、手形は満期日を含め3日以内に交換に出せば、資金化されます。
そこで、満期日が3月31日で、決済されたのが4月2日なら、「銀行勘定調整表」
の記載対象になるでしょう。
以上のまとめ
「銀行勘定調整表」は、「振込」という制度がなく、決済の大半が小切手により行われ
た時代には、決算時に必ず発行しました。
しかし、「振込」制度がある現在では、可能な限りこれを発行しないように留意すべき
です。
なぜなら、例えば(3)の「未渡し」の場合に、3月31日(決算日)に本当に手許にあっ
たかどうかを証明するのに、無駄な労力を費やします。
経理担当者として、職務上「無駄な」労力を費やすことは避けましょう。
(詳しくは当社の「現金・預金」講座で解説します)
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※本コラムに掲載されている情報は、掲載した時点での情報です。
弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
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