税理士のひとりごと
アベノミクスの正念場 税理士は顧問先の新規事業創出の仕事を
アベノミクスの中心施策として実施されている「異次元の金融緩和」。日銀が、市中の国債を中心とした金融商品を大胆に購入し貨幣を供給するものです。これにより、円安や資産価格の上昇という一定の成果がありました。今後、インフレ期待から設備投資等の投資が促され、企業が好業績を挙げることによる給与上昇などが期待されています。
このようなことを受け、税理士はどのような仕事をしていけばいいのでしょうか?
【税理士の仕事は「評論」ではない】
マクロ経済は、異説が真っ向からぶつかるジャンルです。今後の展開については楽観論、悲観論が渦巻いています。また、それと同時に、マクロな経済状況は、自分だけの力でどうなるというものではなく、評論家的、傍観者的になりがちでもあります。
しかし税理士の仕事は、企業の資金繰りを支えること。地に足をつけて、目の前の関与先経営者の姿を思い浮かべながら現在の状況を考察することが必要となります。
税理士の主要な顧客は中小企業です。株価等の資産価格が上がっている現状があっても、中小企業の所有している資産もそれほどではありません。自社の株価が影響する場面も少なく、資産価格の上昇による好影響は限定的です。資産価格の上昇をテコに資金調達、事業展開できる大企業とは立場が異なります。
中小企業の資金調達は「融資」が中心。現状、金融緩和の影響で「金融機関には、キャッシュがとても多く余っている」との報道も見られます。確かに、モラトリアム法が昨年3月に終了してから、金融機関の融資打ち切りが懸念されたものの、リスケについて締め付けが厳しくなってきたという話はあまり聞かれません。
【「貸したいお金」を中小企業に振り向ける】
しかし、企業には様々なフェーズがあります。税理士の仕事として、リスケで事業を継続しつつ、財務体質を健全化し、再生を目指す企業を支援することはもちろん大切ですが、企業が実需に基づいて積極的な事業展開をすることができなければ、本格的な好循環には入っていけません。
中小企業には、必ずしも十分な物的・人的担保がない会社も多く、本当に新規事業の内容によって与信をし、融資が実行されるのかが未知数な部分があります。銀行に貸したい金があるにもかかわらず、中小企業が設備投資等のための融資を受けることができなければ、大企業から「おいてけぼり」を食ってしまうことになります。
とはいえ、中小企業に投資の意欲がない場合は、税理士主導でそれを勧めることはできません。そして、そもそもマクロ的に需要が高まっていないのであれば、新規事業は失敗の可能性が高くなります。
結局、マクロの議論を傍観者的に行ったとしても、顧問先のすべきことについての答えが出てくるわけではないということでしょう。税理士の仕事は、設備投資減税や金融機関の動き等、資金調達を円滑化するために有用な情報を収集し、投資意欲ある顧問先企業に対して、負担を最小限にするサポートを精一杯行っていくことなのだと思います。
このようなことを受け、税理士はどのような仕事をしていけばいいのでしょうか?
【税理士の仕事は「評論」ではない】
マクロ経済は、異説が真っ向からぶつかるジャンルです。今後の展開については楽観論、悲観論が渦巻いています。また、それと同時に、マクロな経済状況は、自分だけの力でどうなるというものではなく、評論家的、傍観者的になりがちでもあります。
しかし税理士の仕事は、企業の資金繰りを支えること。地に足をつけて、目の前の関与先経営者の姿を思い浮かべながら現在の状況を考察することが必要となります。
税理士の主要な顧客は中小企業です。株価等の資産価格が上がっている現状があっても、中小企業の所有している資産もそれほどではありません。自社の株価が影響する場面も少なく、資産価格の上昇による好影響は限定的です。資産価格の上昇をテコに資金調達、事業展開できる大企業とは立場が異なります。
中小企業の資金調達は「融資」が中心。現状、金融緩和の影響で「金融機関には、キャッシュがとても多く余っている」との報道も見られます。確かに、モラトリアム法が昨年3月に終了してから、金融機関の融資打ち切りが懸念されたものの、リスケについて締め付けが厳しくなってきたという話はあまり聞かれません。
【「貸したいお金」を中小企業に振り向ける】
しかし、企業には様々なフェーズがあります。税理士の仕事として、リスケで事業を継続しつつ、財務体質を健全化し、再生を目指す企業を支援することはもちろん大切ですが、企業が実需に基づいて積極的な事業展開をすることができなければ、本格的な好循環には入っていけません。
中小企業には、必ずしも十分な物的・人的担保がない会社も多く、本当に新規事業の内容によって与信をし、融資が実行されるのかが未知数な部分があります。銀行に貸したい金があるにもかかわらず、中小企業が設備投資等のための融資を受けることができなければ、大企業から「おいてけぼり」を食ってしまうことになります。
とはいえ、中小企業に投資の意欲がない場合は、税理士主導でそれを勧めることはできません。そして、そもそもマクロ的に需要が高まっていないのであれば、新規事業は失敗の可能性が高くなります。
結局、マクロの議論を傍観者的に行ったとしても、顧問先のすべきことについての答えが出てくるわけではないということでしょう。税理士の仕事は、設備投資減税や金融機関の動き等、資金調達を円滑化するために有用な情報を収集し、投資意欲ある顧問先企業に対して、負担を最小限にするサポートを精一杯行っていくことなのだと思います。
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弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
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