「洞察力があれば決断力は不要？」

では、決断力より重要なことはないのでしょうか。
じつは、何かを決断しなければならない状況になったときというのは、「必然的に
こうなる」という既成事実がいくつか存在していることが多いのです。

たとえば、ＡかＢで迷ったとしても、Ａでなければならない個別事情が２、３
あったりするわけです。

ということは、極端にいえばＡかＢかの究極の選択に迫られたときというのは、
すでに手遅れのことが少なくないのです。

つまりは、決断力うんぬんの前に、常に少し先を読むようにして、究極の選択を
迫られないように持っていくことが大切だということです。
「先を見通せれば決断なんて不要、そういう意味では決断力より洞察力だ」と
いう考え方もできるかもしれません。

とはいえ、究極の決断を迫られることもあるでしょう。
そんなときは、未来がよくわからない中、博打的に何かを決断するのではなくて、
この先の業界動向や経済動向、地域動向などをできるだけ詳しく調べて、その中に
ある「必然性」を見つけることに注力するべきでしょう。

そして、「必然的にこうなる」という既成事実を見つけ、その必然性の理由を探る
ことが重要だと思うのです。


出典：研修出版 経理WOMAN