クレジット
「経理実務の学校」に寄せられる実務家の悩みをDr.Kが解説!
(Q)最近「クレジット」という用語をよく目にしますが「クレジッ
トカード」と違うんですか?
(A) 「クレジットカード」とは違います。
「クレジット」とは、 大辞泉 によると「信用の意。また、
会計用語で貸方の意として、①商取引や金銭の貸借における相
互の信頼関係。②借款。③月賦などの信用販売。④書物・記事
などに明記する著作権者・提供者などの名。」としています。
最近登場している「クレジット」は「排出権」のことです。
「排出権」には「クレジット」と「アローワンス」の2つがあ
ります。「クレジット」とは、国連等で定められたルール(京
都議定書で規定されるCDM(Clean Development Mechanism)の
実施の結果取引される排出削減量)に基づいて実施される温室
効果ガス排出削減プロジェクトから作られる排出権のことです。
プロジェクトの有無により生じる温室効果ガス排出量の差分が
「クレジット量」となります。
一方「アローワンス」とは、規制により企業等の温室効果ガス
排出上限値が決められた場合に、規制側から配分される排出権
のことです。規制の対象者のみが利用および取引をする排出権
であるため、規制対象全体では上限値は増えず、取引は「ゼロ
サムゲーム」です。
最近の「クレジット」は京都議定書を基とする温室効果ガス排
出権と理解して下さい。
経理に「クレジット」が関係するの?と思われている方は「ク
レジット」が売買されるものと理解すれば、当然、経理・会計
と無縁のものではないとお気づきでしょう。国内クレジットは
無形固定資産(非減価償却資産)計上、自社使用時点で「国等
に対する寄附金」として損金算入するなんてご存知でした?
地デジ対応、エコカーなどエコ減税等関心が高まっていますが
その根本は温室効果ガス排出削減です。「クレジット」といわ
れて「クレジットカード」を連想するのは当り前。経理パーソ
ンは「排出権」を連想しましょう。
ご参考:「排出権取引」
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
国税庁:
「国内クレジットの取引に係る法人税の取扱い」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/bunshokaito/hojin/100326/index.htm
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