Dr.Kの経理お悩み散薬
IFRSの訳語
「経理実務の学校」に寄せられる実務家の悩みをDr.Kが解説!
(Q)IFRS(International Financial Reporting Standards)を
「国際財務報告基準」とせず、何故、多くが「国際会計基準」と
訳して使っているのですか?
(A) 良いことに気付きましたね。「国際会計基準」を英訳すると、
「International Accounting Standards」となり、一般にIASと
略記され、2001年4月以前にはありました。IASからIFRSへ名称
が変りました。IASのままでなく何故変わったのか?
ここに、重大な鍵があるんです。
「国際会計基準」から「国際財務報告基準」への変更は、従来
の「会計」の基準から新たな「財務報告」の基準に変わったと
いうことです。
伝統的な「会計」には、利害関係者のための利益計算を起源と
して、利益計算開示による企業評価制度(ディスクロージャー
制度)が取り入れられてきました。期間損益計算が根底にあっ
たのです。
ところが、財務諸表の役割が従来の「利益計算のツール」から
「企業価値の表示」へと大きく変化してきたため、、IFRSの目
指すところが、「会計」から離脱し、より「ファイナンス論理」
に沿った企業価値評価をすることとなってきました。
したがって、IFRSに於いては「会計(Accounting)」という用
語を排除したのです。
現行の会計実践においては「過去の利益を計算する利益計算の
基準」すなわち「原価主義」が支配的です。
IFRSが念頭に置く「現在価値(present value)あるいは公正
価値(fair value)」(投資意思決定は将来キャッシュフロー
に基づいて行われるため)の浸透は現実的には困難が付きまと
っています。
とくに、日本において「利害関係者のための会計」から離脱し
て、「投資家のための財務報告」を表面に出す「国際財務報告
基準」より「国際会計基準」と訳する方が、抵抗が少ないと判
断されたのではないでしょうか?
大手の某監査法人のサイトでも「IFRSとは国際会計基準審議会
(IASB)が設定する会計基準です。」と表現し、金融庁も「国
際会計基準(IFRS)に関する誤解」等、「国際財務報告基準」
とせず「国際会計基準」と表現しています。
賢明な読者諸氏は、他人の訳に頼らずご自身の目でIFRSのフレ
ームワークを原文で確認してその本質を認識しておきましょう。
会計基準の変更は、付随的な事象であることを知っておくべき
でしょう。
(Q)IFRS(International Financial Reporting Standards)を
「国際財務報告基準」とせず、何故、多くが「国際会計基準」と
訳して使っているのですか?
(A) 良いことに気付きましたね。「国際会計基準」を英訳すると、
「International Accounting Standards」となり、一般にIASと
略記され、2001年4月以前にはありました。IASからIFRSへ名称
が変りました。IASのままでなく何故変わったのか?
ここに、重大な鍵があるんです。
「国際会計基準」から「国際財務報告基準」への変更は、従来
の「会計」の基準から新たな「財務報告」の基準に変わったと
いうことです。
伝統的な「会計」には、利害関係者のための利益計算を起源と
して、利益計算開示による企業評価制度(ディスクロージャー
制度)が取り入れられてきました。期間損益計算が根底にあっ
たのです。
ところが、財務諸表の役割が従来の「利益計算のツール」から
「企業価値の表示」へと大きく変化してきたため、、IFRSの目
指すところが、「会計」から離脱し、より「ファイナンス論理」
に沿った企業価値評価をすることとなってきました。
したがって、IFRSに於いては「会計(Accounting)」という用
語を排除したのです。
現行の会計実践においては「過去の利益を計算する利益計算の
基準」すなわち「原価主義」が支配的です。
IFRSが念頭に置く「現在価値(present value)あるいは公正
価値(fair value)」(投資意思決定は将来キャッシュフロー
に基づいて行われるため)の浸透は現実的には困難が付きまと
っています。
とくに、日本において「利害関係者のための会計」から離脱し
て、「投資家のための財務報告」を表面に出す「国際財務報告
基準」より「国際会計基準」と訳する方が、抵抗が少ないと判
断されたのではないでしょうか?
大手の某監査法人のサイトでも「IFRSとは国際会計基準審議会
(IASB)が設定する会計基準です。」と表現し、金融庁も「国
際会計基準(IFRS)に関する誤解」等、「国際財務報告基準」
とせず「国際会計基準」と表現しています。
賢明な読者諸氏は、他人の訳に頼らずご自身の目でIFRSのフレ
ームワークを原文で確認してその本質を認識しておきましょう。
会計基準の変更は、付随的な事象であることを知っておくべき
でしょう。
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弊社は掲載された内容に関し、如何なる保証もするものではありません。
また、記載されている事項は変更される場合がありますので、予め御承知おき下さい。
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