日常用語と法律用語 Ⅱ
(Q)経理担当者の「法律用語」について、もっと教えてください。
(A) ビジネスパーソンにとって心得ておくべき「法律用語」の基本
について前回の続きを幾つか述べてみましょう。
(1)「及び・並びに」
英語の「and」は、「及び」なのか「並びに」なのか区別があ
りません。日本語ではどちらも並列的接続詞として使います。
「および」「ならびに」とひらがなで書いても同じ意味です。
結合される語が同じ種類だったり、同じレベルのものの場合は
「及び」を使い、マグロ及びカツオなどと使います。
同じ種類の語を2以上並べるときは、「、」で結合して、最後
に「及び」をもってきて、マグロ、カツオ及びブリと使います。
結合される語の種類(たとえば魚と果物など)が違っていたり、
別のレベルのものの場合は「並びに」を使い、(マグロ及びカ
ツオ)並びに(リンゴ及びミカン)などと使います。
(2)「その他・その他の」
「その他」は、前にあるものと後ろにあるものが並列の関係にあ
ることを示します。「その他の」は、前にあるものが後に続く
ものの例示であることを示します。
「A君その他のイケメンが参加します。」だと、A君はイケメン
を例示しているので、A君はイケメンです。「A君その他イケ
メンが参加します。」だとA君は「必ずしも」イケメンではな
いことになります。
(3)「者・物・もの 」
「者」とは、法律上の人格をもつもの(自然人や法人)のときに
使います。「物」とは、権利の対象となる物件を表すときに使
い、「者」と区別するため「ブツ」と呼ぶことがあります。
「もの」は、「者」や「物」以外のものを表すときに使います。
(4)「所・ところ 」
「所」は、特定の場所を示す場合に使います。「ところ」は、
「第1条に定めるところにより〜」のように、他の規定を引用し
たり、前の言葉を受けて次の言葉に続ける場合に使います。
堅い話の後にまた一言!某銀行の役員が地方の支店に訪問した際、
出迎えの支店長にデジカメの電池が切れたので「アルカリ・単三」
の電池を用意して欲しいと依頼したそうです。支店にその旨連絡
したら、支店員は訪問先の料亭の女将に「アルカリ・単三」があ
るか問い合わせたところ、「ある」旨の返事。役員に届いたのは
「アルコールと炭酸」。女将はハイボールを飲まれると思ったの
ですかね? チョッとした言葉の行き違い。気をつけましょう!!
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